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XEVIOUS 【ぜびうす】 ジャンル シューティング 対応機種 アーケード 販売・開発元 ナムコ 稼働開始日 1983年2月 プレイ人数 1~2人(交互プレイ) 配信 アーケード アーカイブス【Switch】2021年9月24日/838円【PS4】2021年10月7日/837円 判定 良作 備考 プロジェクトEGG2020年10月9日/800円(税抜)2021年9月30日をもって販売終了 ポイント 革新的なSTG隠しキャラのはしり自然豊かな背景緻密に設定された世界観 ゼビウスシリーズ 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その他 移植 続編 余談 概要 言わずと知れた縦スクロールSTGの金字塔。 数々の斬新な試みが行われ、アーケードゲーム業界だけではなく他業界をも巻き込んだムーブメントを起こした。 メイン開発者は当時ナムコに入社したばかりだった遠藤雅伸氏。 ストーリー + 少々長いので畳み 古代地球人が作り上げた生体コンピューター「ガンプ」。 ガンプは「人類の恒久的な繁栄のために力を尽くす」という目的で作られたのだが、いつの頃からかガンプには自我が芽生え、「自らが人類を管理下に置くことによってのみ、人類の恒久的な繁栄はもたらされる」と考えるようになり、そのための計画を実行に移した。 ガンプは観測された気象データから地球に氷河期が到来することを知り、それを利用して地球から離れた6つの惑星へ人類とガンプのレプリカを移住させる計画を立てた。 これには「構造的に成長できなくなったガンプが、後にESP(作中では「ドークト」と呼ばれる)を利用して再統合および能力の拡大をはかること」と、「人類を自らに従う者とそうでない者とでふるいにかけ、地球に残った「不適合者」は氷河期を利用して排除する」という2つの目的があった。 不適合者は愚かにも地球のガンプを破壊したものの、レプリカ達のESP攻撃により氷河期を迎えることなく全滅した(と思われていた)。 ガンプ誕生から約1万6千年後。 計画は最終段階に達し、あとは地球上で再び再生を果たすことのみ、と思われていたのだが…ここに大きな誤算が生じた。 地球に不適合者が生き残っていたのである。 ガンプはレプリカの一体が移住を果たした「惑星ゼビウス」から軍隊を差し向けるが、抵抗は激しかった。 しかも彼らはガンプに対する知識やゼビウス軍の技術をどこからか入手しており、それを利用して作られたと思われる最新鋭戦闘機「ソルバルウ」はもっとも手を焼く難敵であった。 2012年、南米ペルー。 かつてガンプが生まれた都市「ビューアム」が存在したこの地域にて、地球軍とゼビウス軍は一進一退の激戦を繰り広げていた…。 + 攻略本(ケイブンシャ))より。少々長いので畳み 地球歴2XXX年。 ある日突然、平和な地球に無数の黒い集団を見た。それはゼビウス星から地球を破壊するためにやってきた侵略軍であった。 ゼビウス軍の激しい攻撃に最新兵器で対抗した地球軍だったが、強力なゼビウス軍には歯が立たなかった。 このままでは地球の破滅は近いと考えた地球の科学者たちは、ゼビウス軍と同質の金属が必要だと軍に要請した。 地球軍は、ゼビウス軍に対抗できる兵器を作るため、ゼビウス星にスパイを送り込んだ。 ゼビウス星に乗り込んだスパイは敵中深く潜入し、中央コントローラーのメモリータワー、ガル・ソルのメモリーバンクから武器技術のデータを入手した。 ゼビウス星の反乱分子たちの協力を得て、データを直ちに持ち帰るためシオナイトに乗って地球へと向かったのである。 地球の科学者たちは彼らが入手したデータをもとに新型兵器の研究に日々を費やし、ついに設計図を作り上げた。 さっそく作業を開始した軍は異常なスピードで最新鋭爆撃機を3機完成させた。彼らはこれをソルバルウと名付けた。 やがて3機のソルバルウが地球の運命をかけて出撃していったのである。 特徴 全16エリアの縦スクロールシューティング。エンディングはなく、16エリアクリア後は以後7~16エリアを延々と繰り返すループゲー。 自機「ソルバルウ」は2つの武装を有しており、対空ショット「ザッパー」と対地ショット「ブラスター」を使い分けて敵を狙い撃つ。 ザッパーは自機前方に真っ直ぐ発射される。本作に耐久のある敵は存在せず、全種一撃で倒せる。 ブラスターは自機前方に表示されるロックオンサイトに向けて射出されるが、着弾までに若干のタイムラグがあるため、移動する地上砲台などは先読みして投下する必要がある。また、グロブターのようにブラスターに狙われたことを察知して回避を試みる敵も存在する。 地上物にロックオンサイトを合わせると赤く光る。一見何もなさそうに見える場所でも、というのがポイント。詳しくは後述。 評価点 当時としては抜きんでた革新性 本作はSTGのみならず、ゲーム全体に様々な革新的技術を導入した一作である。以下にその革新的な部分をまとめる。 ストーリー性をSTGに持ち込んだ。 当時のシューティングゲームはストーリーなどほぼあって無きが如しであった。しかし遠藤氏は「敵はどんな奴で、何の目的があって戦うのか。この2つを含めて、あらゆるゲーム設定に何らかの説明ができるよう根拠を作っておく必要がある」と考え、「ファードラウト・サーガ」と呼ばれる世界観を用意した。 ファードラウト・サーガは後に遠藤氏によって小説化され、一般書籍としても販売された。「ゼビ語」と呼ばれる特殊言語(*1)や自機ショット名に至るまで綿密に用意された設定、それに伴う複雑怪奇なまでの裏設定が満載となっている。 継承例 多数 難易度調整を搭載。いわゆるランクゲー。 代わりに、難易度設定機能が付いていない。 一部場面を除いて空中物の出現テーブルがあり、索敵レーダーとされている地上物を破壊することで撒き戻せる。 ただしテーブルは単純に「弱い敵→強い敵」とはなっていないので、テーブルが「最強敵→最弱敵」の時にレーダーを破壊すると逆に難易度が上がる。 理不尽なミスを減らすため、「自機の正面(X軸)からは空中敵は出現しない」「こちらから当たりにいかない限りは、ゲーム開始直後から数十秒はミスにならない様にしつつ、最初の十秒ほどはこちらから当たりに行っても逃げてしまう」「基本的に自機の直下及び背後からは撃たれない」などの配慮もある。 継承例 スターフォース、バトルガレッガ なお、現在遠藤氏はランクシステムに否定的で、「自分が強くなったなら相応に無双できるべきである」と発言している。ちなみにゼビウスに自機パワーアップは搭載されていないので矛盾はしていない。 自機の動きに応じて軌道を変える敵 ちなみに、タルケンやカピなど軌道を変える敵は「有人」、ザカートやトーロイドなど変えない敵には「無人」という設定が用意されており、有人機は体当たり攻撃をしない。 遠藤氏は雑誌マイコンBASICマガジンでのインタビューで「パイロットの立場であれば、体当たり攻撃を命じられるのは誰もが嫌」と答えている。 継承例 スターフォース、忍者くん 魔城の冒険 ミスした場合そのエリアの始めに戻るが、70%以上突破していた場合は次のエリアからの続行となる。 継承例 テラクレスタ、VARTH - Operation Thunder Storm ショットの明確な撃ち分け。 敵を地上物、空中物とで明確に分け『全く違う次元にいる敵と同時に戦闘を繰り広げる』作品といえる。地上にいる敵にザッパーは当たらず、逆に空中の敵をブラスターで落とすことは出来ない。 『対地・対空二種類の射撃を使い分ける』の初出は横STG「スクランブル」(1981年)。ただし「グラディウス」方式の横スクロールなので、対空攻撃で地上物を破壊(あるいはその逆)できる。 『全く違う次元にいる敵との戦闘』も「ミッションX」(データイースト・1982年)が初。ただし対地対空の撃ち分けが自動であり、両方向への同時攻撃は出来ない。 継承例:ドラゴンスピリット、レイフォース もっとも、現代では爽快感重視で空中物も地上物も同時に薙ぎ倒せるスターフォース型(*2)の方が一般的だが。 「隠しキャラクター」のハシリ。 「ソル」「スペシャルフラッグ」がそれ。通常見えないが、ソルはロックオンサイトを合わせると赤く光るため索敵が可能。 遠藤氏は「シューティングゲームで見えないターゲットを出すのはどうなのか?」と先輩たちに詰め寄られ、一旦は「わかりました、じゃあ見えないターゲットはやめます」と答えたのだが、そのまま入れてしまった。スペシャルフラッグがデバッグ時に「バグ」として報告されてしまったためバレてしまったが、製品版でもそのまま登場し、プレイヤー達にも好評であった。 またキャラクターデータのみ収納されていた「ファントム(実在のF-4戦闘機)」「ギャラクシアン」が存在し、こちらは基本的に出現しないのだが各地で目撃情報が寄せられ様々な出し方の噂が流れた。後に「ファントム」は『ガンプの謎』のアイテムキャリアとして、「ギャラクシアン」は『アレンジメント』の敵キャラとして登場した。 継承例:スーパーマリオブラザーズほか多数 膨大な種類のフィーチャー。及び「カンスト」の意義。 999万9990点貯まるとスコアが打ち止めとなるカウンターストップ(カンスト)が発生する。ループゲームだったが、カンストが一つの終着点となり、これを達成することが当時のゲーマーのひとつの指標となった。 正攻法で行った場合約8時間ほどかかる。当時のゲームセンターは風営法による規制がかけられてなかったため24時間営業も可能だった。しかし昼から始めても夜になってしまうため、必然的に早い時間からのプレイ開始を求められた。これは特定の面でループを使って稼ぐことにより短縮可能で、PS版『ナムコミュージアムVOL.2』では最短到達時間を記録できるようになった。 ただし、プログラムミスのせいで、996万点(標準設定)以降は得点が入るだけでそのたびに残機が1機増えて(エクステンド)してしまう。残機は255機までストックされ、これを超えると0に戻りまた増え続ける(*3)。この症状は筺体側があらかじめノーエブリ設定に変更することで回避可能。 継承例:ライデンファイターズ、バトルガレッガ、BLAZINGSTAR 上記に挙げたほかにも、 隠し操作をすると「NAMCO ORIGINAL program by EVEZOO」と言う遠藤氏のあだ名付き署名が表示される。更にはデッドコピーをするとその部分が「DEAD COPY MAKING copy under NAMCO program」に変わる海賊版対策。これはタイトル画面と、この箇所を攻撃した時に本来出るはずの画像を比較して、違った場合に警告メッセージを出すという仕掛け。 この表示は「ゼビオス(XEVIOS)裁判」において『ゼビオス』がナムコ(NAMCO)製品のデッドコピーである事を示す決定的な証拠となった。 一方、『バトルス』の方は「Prease enjoy this GAME(原文ママ)」に書き換えられている。しかし森の中にあるnamcoロゴ(こちらはゼビオスの方は気づいた)に気づかなかったため、やはりデッドコピーであったことの証拠となった。他にもエクステンドの時に特定条件が重なるとリセットがかかる。これも敵テーブルや得点を書き換えるなどしないと起こらないように仕組まれている。 色相を犠牲とする代わりに立体感を表現することに成功したグラフィック グラデーションや自然色を多用した単色ではない背景 など、様々な影響を各分野に与えた。 賛否両論点 BGMが地味 メロディらしいメロディが存在する曲はゲーム開始時とネームエントリー時のBGMのみで、メインBGMはミニマルミュージック的な短いフレーズの集合体で、特に調性のない無機的なもの。ストーリー要素をゲーム中でつまびらかにすることのない寡黙な雰囲気や黙々とショットを撃ち進めていくストイックさにマッチしており高い評価を得ているが、単調さは否めないところ。 問題点 状況によっては弾が見づらくなる場合がある。 特に水地形の上ではチラチラした感じになり、見づらくなる。 難易度は総じて高くなく、スコアカンスト(8桁到達)達成するプレイヤーが続出した。 このためオペレーター側にとっても回転率があまり良くないゲームであった。 総評 極めて高い完成度を誇り、80年代STGファンなら知らない人はいないだろう傑作。 システム面の新要素もさることながら、ゲーム上では明示されることのない世界観とストーリーの奥深さを打ち出して下敷きとしたことで、ゲームそのものに奥行きと奥深さを持たせることに成功し、多くのゲームファンを魅了した。 その他 なお、本作を語る上で欠かすことのできないだろう「バキュラ(*4)に256発ザッパーを当てると倒せる」は不可能であることが判明している。 プログラムを解析すると、敵はソルバルウの弾が当たった瞬間に「Q:今ソルバルウの弾を喰らったのは破壊可能敵か? YES→破壊され、スコアが入る NO→効かない」という判断のみをしているというレポートがある。つまり、「耐久力」という概念は初めから入っていなかったことになる。 この「バキュラ256発耐久」が広まってしまったのはベーマガ付録『スーパーソフトマガジン』のゼビウスの回が原因か。また、後述の同人誌「ゼビウス1000万点への解法」にも書かれており、著者の大堀氏も後年このことを悔いている。 後にバンダイナムコの運営する会員制サイト「バンダイナムコアスクユー」のミニゲームコーナーで、その逸話をネタにしたバキュラを破壊するミニゲームが登場した。 『極上パロディウス』(コナミ)では、バキュラそっくりの板「カラー板夫Jr.」が出現し、ご丁寧にも耐久力が256発分(一部は16発分)になっている。詳細は該当ページの余談にて。 「ゲーム音楽のみを扱った音楽アルバム」が初めて発売された作品である。(*5) 当時の人気テクノバンドYMOがこのゲームのBGMに強い感銘を受けた結果出したものであり、世界的にも初めてのものである。そのためゲームミュージックを語る上では外せない作品となっている。 この収録の為に使われた基板は実はゼビウスではなく「スーパーゼビウス」である。また、ゼビウスの曲が始まる前にゲームセンターの音が入っているが、そこに「ハイパーオリンピック」「マリオブラザーズ」を確認できる。 本作のBGMは「4秒ほどのフレーズを延々ループする」といういわゆるミニマルミュージックだが、それに硬質感のある特徴的な効果音が重ねられることで心地よい音空間を創りだしていたと言える。 担当の慶野由利子氏は日本で初めてサウンド専任スタッフとしてゲーム会社に就職した方である。(慶野氏の先輩で「ギャラガ」「マッピー」などのサウンドを担当した大野木宣幸氏は入社時はプログラマーだった) ゼビウスの攻略を取り扱った同人誌「ゼビウス1000万点への解法(通称「ゼビ本」)」が有名となった。攻略本などほとんど存在していなかった時代にである。 ↑の執筆者の一人としてもっとも著名な人が、後に『ポケットモンスター』を生み出す田尻智である。田尻氏はゲームサークル『ゲームフリーク』の設立メンバーの一人で、機関紙「ゲームフリーク」でアーケードゲームを攻略していた。後に「ゲームセンターCX」のインタビューにおいて、この冊子を求め全国から現金書留の封筒が殺到したため、印刷や製本、発送を家族も手伝わせて行ったと語っていた。 そのゼビ本を桑田佳祐氏が持っていたのは有名。(*6) それほどまでにやりこんでいた田尻氏だが、「実は真のエンディングがある」という偽情報を信じ込みそれを大真面目に広めてしまい、皆から非難轟々を喰らった時期もある。今からすれば笑い話なのだが、当時の「ゼビウス」がいかに人の心を掴んだか、真理に近づこうとあらゆることを試し思いを寄せていた人が多かったか、を物語る出来事と言えよう。 確認されている日本初のカンストプレイヤーは後に『アランドラ』等を開発するマトリックスの取締役となる大堀康祐氏。(*7)当時は「うる星あんず」と名乗り、ゼビウスの発売1カ月で達成、「ゼビウス1000万点への解法」を執筆した。後にこれを委託されて再販したのが上記の田尻智氏。 「うる星あんず」氏はマイコンベーシックマガジン1984年1月号付録「スーパーソフトマガジン」にゼビウス攻略記事を執筆、その流れで2月号に遠藤氏にインタビューを行っている。またその流れでアルバイトとしてナムコに入社、FC版ドルアーガの開発に関わっている。 因みに、そのゼビウスを扱った回を含む初期のスーパーソフトマガジンはヤフオク等で余裕で万を超える事がザラ。ドット絵等貴重な資料としての魅力もあるので手頃な金額であれば手に入れる価値あり。 創元推理文庫から本作のゲームブックが発売されている。遠藤氏含むゼビウスの開発スタッフが直々に関わっており、ソル・バルゥこそ登場しないが世界観は『ファードラウト・サーガ』に基づいて作られている。こちらは「超能力兵士がテレポートで単身ゼビウス星に乗り込み、ガンプのレプリカのひとつを倒しに行く」という内容。 2013年に放映された実際にあるゲームを題材にしたドラマ「ノーコン・キッド ~ぼくらのゲーム史~」では、この作品が物語全体の中核を成すものとして登場している。余談としてだが、作中に登場しているゼビウスの純正基板は非常に貴重品であり、手に入れようとすると莫大な金額がかかる。 数々の創作技で有名な漫画「ファミコンロッキー」に本作が取り上げられた際には「1000万点を超えると画面が強力な閃光を放ち、それが収まると二千機もの敵が総攻撃を仕掛けてくる」という「魔の二千機攻撃」が描かれた。 当然、そんな攻撃を凌げる訳もなく通常ならそのままやられるだけだが、主人公は「ブラスターとザッパーを同時連続掃射することで機体周囲にバリアが張られ、無敵モードに突入する」という方法で突破した。無論、そんな裏技は実在しない。 しかし実はこの「魔の二千機攻撃」は特定の条件で発動することが2020年に明らかになった。もちろん漫画と発動時のシチュエーションは異なるが。ただし解析を進めた所、開幕の隠しメッセージのように仕込んでいた訳では無く、単なるバッファオーバーランで、本来敵テーブルではない領域を読みに行った結果発動するという可能性が非常に高いとの事。バキュラ属性の敵が登場する等あり得ない物が多いのもその一つ。 ナムコクラシックコレクションVol.1でゼビウスアレンジメントのプログラムを担当したスタッフによれば「オリジナルを解析し直した結果、魔の二千機攻撃は出来る」との事らしい。 2020年3月には海藻アカモクの販売促進キャラクターの「渚の妖精ぎばさちゃん」および「ファミコンロッキー」とのコラボ企画として、このネタを現実にしてしまった『ゼビウス魔の二千機攻撃』がスマホアプリとしてリリースされた。 しかし様々な事情により、リリースから僅か1週間程度で配信停止してしまった。 余談だが、「ファミコンロッキー」内では上記のバキュラについてもヒロインが「256発あたらないとこわれないわ」と当然のように発言している。 移植 多岐にわたる機種に移植されており、80年代中期を代表するキラータイトルであった。 『TINYゼビウス』(電波新聞社 1983年12月発売) 最初に移植を果たしたのは、なんと低価格(低性能)パソコンとして知られたPC-6001版への移植。グラフィックの美しさも売りの一つだったゼビウスに対し、「PC-6001にのみ存在する低解像モードを使用することにより速度を保ち容量も確保」という逆転の発想(*8)で移植を可能とした。なお、タイトルに「TINY(小さい、劣化)」が付いているのは、その粗い画像からナムコがゼビウスの名前をそのまま使うことを許可しなかったため。 実は、同年にアメリカでATARI2600版ゼビウスも作られていたのだが、なにせあの(悪い意味で)伝説の『パックマン』のATARI2600であり、当然のごとく超劣化移植どころか「ゼビウスを名乗る何か」状態である。こっちは幸いにもプロトタイプが作られただけで正式リリースはされなかったのが救いではあるが。そもそもパックマンさえまともに移植できないATARI2600にゼビウスなぞ無理難題もほどがある(*9)。 なんと元々は「当時中学生だったプログラマーの卵(*10)が電波新聞社へ持込んだもの」だということも話題になった。なお、本人は実際にゼビウスをプレイしていないという噂もあり、そのせいかマップ構成がかなり違う。 1年後には、PC-6001mkII専用となる代わりにマップがオリジナルに近づき画像も美しくなった『TINYゼビウスmkII』も発売される。ただし、美しくなったと言っても前作から比べてという意味であり、ナムコはTINYを外すことを許可しなかった。 そもそも、60fpsを確保できなければ『XEVIOUS』のタイトルは許可されなかったので、他機種版の中にはナムコのライセンスを受けながらもタイトルを変更された移植作もあったなかで曲がりなりにも『XEVIOUS』の名を冠することが出来ただけでも上出来と言える。 X1版(電波新聞社 1984年5月25日発売) こちらは社内開発で、「キーボード操作ではゼビウスの面白さを体験できないし、当時市販のジョイスティックには2ボタンのものがなかった」という理由でオリジナルのジョイスティック「XE-1」同梱版も発売された。これは後に単独でも発売されるほどの人気となり、後に電波新聞社がFM-7やPC-8001mkIISRにもゼビウスを移植したこともあり、当時のパソコンゲーマー必携のアイテムとなっていた。 余談だが、スティックが右側にある独特な仕様なので、慣れないと非常に操作しにくかった。(*11)もっとも上下を逆にして左側にスティックを持ってくることも出来た。またいわゆるATARI規格なのだが、FM-7等はATARI端子を持っていなかったため、変換ボードを使ってプリンター端子に繋いでいた。 SG-1000用としてセガからも同じ物が発売されている。なおSG-1000はピンアサインがATARI規格と一部異なるが、背面のスイッチでSG-1000規格とATARI規格を切り換えられるのでどちらでも使えるようになっている。 見た目の再現度はかなり頑張っているが動作はかなりぎこちないため、ナムコからなかなかOKが出なかったという逸話が残っている。最初に見せたバージョンは遠藤氏に「はっきり言ってゴミですね」と言われてしまい、発売を1ヶ月延ばして調整を行い何とかナムコのOKを得た。 FC版(1984年11月8日発売)FCD版(1990年5月18日書換専用発売) 移植の関係上、地上絵のカット、アンドアジェネシスが地上に張り付いているが、同時期のパソコン版と違いスクロールは滑らかで非常に遊びやすく、初めて隠しコマンドも実装した。FC初期を代表する大ヒット作となっている。 2020年6月18日にNintendo Switchで配信されたオムニバスソフト『ナムコットコレクション』の第3弾DLCとして2020年8月20日に配信されたものは、このFC版の移植となっている。 2023年3月16日より『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』収録ソフトの一つとして配信開始。 スコアは1億点までありAC版のように1000万点で1機破壊するごとに1UPすることはない。また2進数の仕様上(*12)、スーパーマリオブラザーズの無限増殖と同様128機以上で1ミスするとゲームオーバーとなってしまうため残機潰しなど調整が必要である。 FC版を制作したのは、当時ナムコ社内で「悪魔のテクニックの使い手」と言われていた黒須一雄氏。 1990年5月には『パックマン』と同時にディスクシステム書換専用ソフトとして発売。ナムコのディスクタイトル第1号となった。 『ナムコクラシックコレクションVOL.1』 リバイバル作品としてアーケードで稼働。AC版をほぼ完璧に移植しているほか、大幅アレンジを加えた「ゼビウスアレンジメント」が存在している。 隠しコマンドにより原作にあった2P側のソル座標ズレバグやエリア6の幻のソル等のバグを修正したデバッグモードがプレイ可能となっている。また、長時間プレイ対策としてテストモードでの設定によっては規定周回数でエンディングとなるようになっている。(*13) 『ナムコミュージアム』 ナムコのアーケードゲームを収録した家庭用ゲームソフトシリーズ。VOL.2(PS)、アーケードHITS!(PS2)、Vol.2(PSP)、DS(DS)、みんなで遊ぼう!ナムコカーニバル(Wii)、.comm(PS3)、バーチャルアーケード(Xbox360)と何度も収録されている。 PSの『ナムコミュージアム VOL.2』のゼビウスは、ソフトの互換性に問題があるためPS2では正常に動作しない。 『ゼビウス3D/G+』 1996年にアーケードにリリースされた「ゼビウス3D/G」のPS移植版。初代ゼビウス、スーパーゼビウス、ゼビウスアレンジメント、ゼビウス3D/Gのゼビウス4作を収録。これに収録されているゼビウスはPS2でも正常にプレイ可能。 オプションの設定内容やデバッグモード等、前述の『ナムコクラシックコレクションVOL.1』版がベースとなっている。 ニンテンドー3DS版 『3Dクラシックス』シリーズ第1弾として発売。開発はPS2版『怒首領蜂大往生』などを手がけたアリカ。アーケード版をほぼ完全に移植(スタート直後の隠しメッセージのみ削除、スコアはちゃんと入る)。3DSの立体視との相性は相当なもの。また、9,999,990点到達のタイムを記録できるようになっているなどやり込みプレイヤーを狙った要素も含まれている。 Windows(プロジェクトEGG)版(2020年10月9日発売) アーケード版の移植。バンダイナムコエンターテインメントは本作でプロジェクトEGG初参戦となった。 2021年9月30日をもって販売終了。 アーケードアーカイブス版(2021年9月24日発売) ナムコのアケアカ参入第一弾としてパックマンと同日発売。発売日はSwitch版のもので、PS4版は2週間遅れの10月7日に配信開始された。 グラディウスIIIから搭載されるようになった「こだわり設定」にて、前述のバグの再現の有無を個別に設定可能になっている。また画面の焼付き再現も4段階に設定可能になっていたり、ソルやスペシャルフラッグの場所を可視化出来るようになっている。同じくこだわり設定で現在の敵テーブル位置を表示出来るため、魔の2000機攻撃の調整が非常にやりやすくなった。 また、5分間でのスコアを競うキャラバンモードはエリア1スタートとエリア13スタートの2部門が用意されている。 続編 『スーパーゼビウス』(1984年) 後述のFC版とは別物。難易度を上げ、ソルやスペシャルフラッグの配置を一新したマイナーチェンジ版である。破壊するとスコアが0点になってしまう戦車、ファントムが登場した。 当時マイコンBASICマガジンスーパーソフトコーナーにて、発売前のスーパーゼビウスについて前作のゼビウスでは考えられない2~3種の混合波状攻撃に対して、前述の「前作の1000万カンストプレイヤー」でもあったライターのうる星あんず氏(*14)による半ばキレ気味の「こんなんやってられっか!」的な紹介が掲載されてしまった。 『スーパーゼビウス ガンプの謎』(1986年9月19日発売) FCで発売された続編。敵弾を防ぐバリヤなどパワーアップの要素が取り入れられている。またザッパーもしくはブラスターの片方だけで戦うステージがあったり、ステージクリアに条件(ほぼノーヒント)があるなどの新要素が加えられている。十分遊べる出来ではあるのだが、あまり高い評価は受けていない。 同年には任天堂のアーケードゲーム基板「任天堂VS.システム」にて『VS.スーパーゼビウス ガンプの謎』のタイトルで稼働。このバージョンは2024年4月11日にアーケードアーカイブスの1作品としてPS4とNintendo Switchで配信が開始された。 『ゼビウス ファードラウト伝説』(1988年12月23日/1990年6月29日発売) MSX2版及びPCE版が存在するがアレンジモードの内容は互いに異なる。両機種版共にオリジナルモードも同時収録している。 開発はシューティング製作に定評のあったコンパイルが担当。マイナータイトルながら高い評価を得ている。 PCエンジン版のアレンジモードは、遠藤雅伸氏の小説『ファードラウト』に沿ってゲームが進行する。オリジナルを忠実に移植したアーケードモードのクオリティも高い。 MSX2版は、オリジナル準拠(*15)の「recon」、アレンジモードの「scramble」の2モードを搭載。アレンジモードでは自機を4種類から選べるほか、破壊した地上物からバリア等のアイテムが出現するなどパワーアップ型シューティング寄りのアレンジが為された。おおむね原作のイメージを壊さない良アレンジと評価されているものの、特攻を仕掛ける敵が登場する点には一部で批判も。 『ソルバルウ』 ポリゴン基板を利用した一人称視点の3Dシューティング。最終的に宇宙に飛んでいき、大気圏外で戦う展開となる。 『ゼビウス3D/G』 上記ソルバルウと同様ポリゴンを使用した、縦スクロールシューティング。アイテムで武器選択とパワーアップが出来るようになっている。 また、スピンオフ作品として地上走行車で戦う『グロブダー』(1984年)なるシューティングも存在する。 しかし、非常にシビアなゲームバランスのため、「全世界の全てのアーケードゲームでもトップクラスに難しすぎるゲーム」という、ゼビウス関連作品としては不名誉な評価が一般的。 他にTBS系のバラエティ特番『DOORS2009春』にて本作を移植したアトラクションが1回のみながら登場した. ルールはラストに待ち受けるアンドア・ジェネシスを撃破すればクリアとなる。ただし、操作はチャレンジャーの足で自機を操作するシステムに変更され、そのためかオートショット方式が採用されている。ちなみに、このアトラクションをクリアしたチャレンジャーはお笑いコンビの「響」である。 スマホ版 『ゼビウス ガンプの謎は全て解けた』というタイトルで無料公開。これはナムコのカタログIPオープン化プロジェクト(*16)を利用してスマホアプリとしてリリースされたもの。 作ったのがまさかのあのドリームファクトリー。一時期に「ナイトメアファクトリー」と揶揄されていた時代からするとまあまあの出来。ちなみにファミ通.comのインタビューによると、サウンド以外、代表である石井精一氏が個人で開発したとのこと。因みに、ガンプの謎は全て解けてはいない。 余談 2002年に映画化されている。全編CGアニメでの作品で、都市部のごく一部でしか上映されず、あまり評判は良くなかったようで、パンフレットにはビデオとDVDの発売予定告知はあったが発売される事は無かった。現在では視聴は大変困難であり、もはや不可能に近い。おそらく動画の流出すらも無いと思われる。 2003年5月には同じくゼビウスを3Dアレンジしたような演出を用いたパチンコ機『CRゼビウス』が高尾から発売。 基本3D化された表現が主体ながらオリジナル版のゲーム画面を使用したリーチアクションもリーチ演出として取り込まれている。 2017年公開の『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』にギャラクシアンと共に世界を壊滅するファクターとして登場した。 2017年1月21日、埼玉県川口市のゲームイベント『遊ぶ!ゲーム展-ステージ2』にて「ゼビウスチャンピオンシップ」という本作のスコアアタック大会が開催された。 リアルタイムで触れたであろう40後半~50代のプレイヤーが集まる中、なんと出場者最年少であった19歳のプレイヤー、よくでる氏が優勝を収めるという結果となった。この時遠藤雅伸氏は「若いプレイヤーが勝ってくれたのはすごく嬉しい」とコメントしている。 『ルパン3世part3』の第43話「さらばシンデレラ」冒頭にてルパンが本作をプレイしているシーンがある。 『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』に「スペシャルフラッグ」がアイテムとして登場する。 ゲームセンターでは人気が上昇していたがまだ一般層にはそれ程でも無かった頃に、「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングにてYMOの細野晴臣氏がゼビウス愛を語り、筐体まで買ってしまったとエピソードを話した。このきっかけでファミコンNAMCOT参入でのCMに氏が起用されている。 バンナムが開発していたが、結局お蔵入りとなったRTS『NewSpaceOrder』ではソルバルウが何らかの形で出てくる設定があった模様。 ゼビウスを長期間稼動させていた筐体のブラウン管モニターにはタイトルロゴの焼き付きが発生しやすく「ゼビウス焼け」と言われた。 麻雀ゲームで使われていた麻雀牌焼き付きモニターと同様にゼビウス焼けは中古筐体市場では嫌われる原因になっていた。しかし「他のゲームを入れてもゼビウスロゴがうっすら見えている事こそが当時のゲーセンの雰囲気で味わい深い」と、わざわざゼビウス焼けありの中古筐体を探すマニアがそこそこいた。 2000年代中期にブラウン管モニターの生産終了予定が発表されると、新品に交換されて不要になったゼビウスロゴが焼き付いた実働中古モニターがたまにネットオークションにジャンクとして出品されていたが、焼き付き具合がきついほど競り合いになったりと、マニアの世界は深いものである。 『ナムコミュージアム VOL.2』のゼビウスでは、設定でロゴ焼き付きを再現出来るネタにもなっている。 『エースコンバット04 シャッタードスカイ』の3Dエンジンを流用した、フライトシューティング版ゼビウス…というか『ソルバルウ』の続編的な物が開発されていたが、企画段階でボツを喰らってしまいお蔵入りになっている。痕跡として社内デモ用と思われる1分ほどのトレーラームービーが各動画サイトに公開されている。 一部バンナム作品にもそれらしいフレーズが使われているなど、長らくUGSFシリーズとの関連性の有無が取り沙汰されてきた本作だが、ツイッターのUGSF公式アカウントによれば「UGSFの上ではゼビウスは平行世界に存在しており、幾つかのUGSFタイトルに登場したり設定的に関与している関係」であると明言された。
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ハローキティのおしゃれパーティー サンリオキャラクターずかんDS 【はろーきてぃのおしゃれぱーてぃー さんりおきゃらくたーずかんでぃーえす】 ジャンル バラエティ 対応機種 ニンテンドーDS 発売元 フロム・ソフトウェア 開発元 スリーオクロック 発売日 2007年7月26日 価格 5,040円(税5%込) プレイ人数 1~2人 判定 なし ポイント ハローキティの着せ替えゲーム サンリオキャラクター図鑑作業感たっぷりの着せ替え収集要素ゲームプレイは常時縦持ち良くも悪くもお子様向け ハローキティシリーズリンク 概要 ゲーム開始前の設定 主なモード、及びルール キャラクターずかん おしゃれ ミニゲーム スタンプちょう おともだちつうしん せってい 評価点 問題点 総評 余談 概要 ハローキティを題材にしたニンテンドーDSソフトの一角であり、フロム・ソフトウェアがかつて所持していたブランド、スリーオクロックのデビュー作でもある。 一人プレイの他にも、DSのワイヤレス通信機能による二人プレイも可能。ゲームプレイは常時縦持ちで行う。 操作系統はタッチペン操作と十字キー/ボタン操作の両方に対応しているが、このページではタッチペンを用いた操作を想定するものとする。 ゲーム開始前の設定 ゲームを初めて開始する前にプレイヤーの設定を行う。 「プレイヤーの名前」「性別」「血液型」「誕生日」を入力してゲームスタートとなる。 一度入力した設定は二度と変更できない。また、本作のセーブデータは1つしか作れない。 タイトル画面から「はじめから」と「つづきから」のどちらかを選べるが、はじめからを選んでしまうと以前のデータが全部消えてしまうので取り扱い注意。 設定を行った後に起動するとキティからの挨拶イベントが発生する。 イベント後は一日一回限定で占いができる。 裏返しの5枚のカードから好きなものを選べば結果発表がされる。 結果発表には「サンリオキャラクターの表示」「ラッキーゲーム」「はなことば」が表示される。ラッキーゲームに関しては下記にて。 主なモード、及びルール 占いを終えると以下のモードから好きなものを選んでいく。 キャラクターずかん 歴代のサンリオキャラクターのプロフィールが鑑賞できるデータベースモード。 「あいうえお順」と「作品が誕生した年代」のどちらかからの選択によりキャラの検索ができる。 選択後は該当の作品名が表示されるので、それを決定して鑑賞ができる。 「ハローキティ」や「マイメロディ」などの有名どころに関しては登場キャラ単位での鑑賞ができる。 データベースなので特にゲーム的な要素はなく、ゲーム開始からすべての作品のデータベースが鑑賞可能。 おしゃれ 上画面に表示されてるキティに着せ替えさせたり、着せ替えの素材を購入したりできるモード。 着せ替えできる素材は以下の5種類がある。 「リボン」…キティのリボンのコーディネイト。 「おようふく」…キティの服装のコーディネイト。 「アクセサリー」…キティのアクセサリーや表情などのコーディネイト。 「さっか」…キティの持ち物などのコーディネイト。 「はいけい」…背景のコーディネイト。 素材によっては色彩を変更する事も可能で、同じ素材でも違う外観としてコーディネイトできる。 今までに入手した素材を個別に鑑賞できる機能も搭載されている。 ミニゲームで稼いだポイントを消費し、ショップにて着せ替え素材を購入していく事でコーディネイトの幅が広がる。 一度購入した素材は好きなだけ着せ替えが可能となり、いかなる理由でも消耗される事はない。 ゲーム開始時では限られた素材しか売られていないが、ゲームを進めていく事により新しい素材が入荷していくという流れとなる。 ショップには以下の6種類がある。 「リボン」「おようふく」「アクセサリー」「ざっか」「はいけい」…各自、上記の素材が購入できる。 「ひみつのおみせ」…ここではパスワードを入力する事で通常では手に入らない素材が無料で貰える。パスワードは本作の公式サイトで明かされている。 コーディネイトした着せ替えは「クローゼット」に登録する事で、一発でその登録した着せ替えができる。 登録できる着せ替えは9つまでの保存が可能となる。もちろん、登録した着せ替えを破棄して新しいものを保存する事も可能。 ミニゲーム ミニゲームをプレイし、「おしゃれ」のショップで購入する為のポイントを稼いでいくモード。 ミニゲームには以下の5つのゲームがあり、好きなものを選んでプレイできる。 各ゲームには「かんたん」「ふつう」「むずかしい」の3つの難易度で分けられており、それも好きなものが選択可能。 + ミニゲームの内容 「サンリオクイズ」 サンリオキャラクターに関するクイズが全部で10問出題されるので答えていく。 クイズには制限時間があり、時間以内に答えられないと不正解となってしまう。 「かんたん」は二択、「ふつう」「むずかしい」は四択、の選択回答制となっている。 「きおくりょくゲーム」 上画面に一定時間だけイラストが表示される。イラストがない状態でそのイラストがどうなっていたのかの問題が出題されるので答えていく。 問題には制限時間があり、時間以内に答えられないと不正解となってしまう。 「かんたん」は2問の二択、「ふつう」は5問の二択、「むずかしい」は5問の四択、の問題数及び選択回答制となっている。 「けいさんゲーム」 計算問題が全部で10問出題されるので答えていく。 問題には制限時間があり、時間以内に答えられないと不正解となってしまう。 「かんたん」は足し算の二択、「ふつう」は足し算・引き算の四択、「むずかしい」は足し算・引き算・掛け算の四択、の問題形式及び選択回答制となっている。 「まちがいさがし」 上画面と下画面に同じイラストが表示される。下画面にある間違っている箇所をタッチして当てていく。 制限時間があり、時間以内に答えられないとゲームが終了してしまう。また、関係のない場所を5回タッチしてしまう事でもゲーム終了となる。 「かんたん」は1箇所、「ふつう」は2箇所、「むずかしい」は5箇所、の間違い数がある。 「ジグソーパズル」 下画面に複数に散らばったジグソーピースがあるので、それをスライドさせて上画面と同じイラストを完成させていく。 制限時間があり、時間以内に答えられないとゲームが終了してしまう。 「かんたん」は2 × 2の4ピース、「ふつう」は3 × 3の9ピース、「むずかしい」は縦4 × 横3の12ピース、のジグソーピースが用意されている。 各ミニゲームをクリアすると、以下の計算によるポイントが得られる。 「クリアポイント」 ゲームのクリア状況によって最大で10のポイントが獲得できる。 「難易度倍率」 難易度によって上記のクリアポイントに倍率がかかる。 「かんたん」は倍率なし、「ふつう」は倍率2倍、「むずかしい」は倍率3倍。 「ラッキーゲーム倍率」 ゲーム起動時に発生した占いの結果の1つに「ラッキーゲーム」というものがある。これには「○○○(ミニゲームの種類)・倍率」という表示がされている。 その表示されたミニゲームをプレイすると、上記2つからさらに倍率がかかり、他のミニゲームをクリアするよりも多大なボーナスが入る。 例えばラッキーゲームの表示が「けいさんゲーム・倍率3倍」と表示されていた場合でけいさんゲームをプレイすれば、ポイントの倍率が無条件で3倍となる。 ラッキーゲームの効力は次回の占いを行うまで有効(*1)であり、それまでは該当ミニゲームをどれだけプレイしても必ずラッキーゲーム倍率がかかる様になる。 クリア後に得られるポイント計算の一例は以下の通り。 「けいさんゲームの難易度"むずかしい"をクリア」「クリアポイント10獲得」「ラッキーゲームが"けいさんゲーム・倍率3倍"」の場合は…。クリアポイント「10」 × 難易度倍率「3」 × ラッキーゲーム倍率「3」 = 総獲得ポイント「90」という計算となる。 所持できる最大ポイントは999となっており、それを超えるポイントは絶対に所持できない。 よって、999ポイント付近まで溜めていれば定期的なショップ利用を行うのが好ましい。 なお、ショップで売られている素材の販売価格は安くて10ポイント、高いものは数100ポイントあたりが相場となっている。 スタンプちょう スタンプ帳にスタンプを押していくモード。 カレンダーが表示されるので、一日一回限定でそこにスタンプを押していく。 スタンプの柄は全10種類、色は全5種類が用意されており、好きなものを選んで押す事ができる。 おともだちつうしん 以下の2つのモードが用意されている。共にプレイするにはDS本体と本ソフトが2つづつ必要となる。 ミニゲームたいせん 上記のミニゲーム5つから好きなものを選んで対戦プレイを行うモード。 プレイルールに関しては一人プレイ時と同じなので割愛する。 各ミニゲーム共に多くの正解数を出した方が勝者となる。 おてがみこうかん メッセージとそのタイトルを相手側に送ったり、「おしゃれ」で入手した着せ替えを交換できるモード。 相手側に送る「メッセージとそのタイトル」、及び「着せ替えさせたキティ」を選んで通信開始。 送られたメッセージは保存が可能となり、いつでも自由に読む事ができる。もちろん、保存した送信メッセージを破棄して新しいものを保存する事も可能。 着せ替えさせたキティを送ると相手側にその着せ替え素材をプレゼントできる。なお、送った着せ替え素材はなくならず、ノーリスクで相手にプレゼントできる仕様となる。 せってい いわゆるオプションにあたる。 「BGMと効果音の音量調整(無音にする事も可能)」「ステレオ/モノラル切り替え」「プレイヤー設定(名前や誕生日など)の確認」「スタッフロール確認」の各設定が可能。 評価点 サンリオキャラクターのキャラゲーとしては頑張っている出来。 「ハローキティ」を代表としたサンリオキャラクターが勢揃いしており、サンリオファンならば嬉しい作品となっている。 キティゲーなので本作の主役キャラはもちろんキティだが、他のサンリオキャラクターも多く登場するので「サンリオオールスターズ」としての一面も見せる。 お子様に優しいプレイ環境。 ゲーム画面のレイアウトが極めてわかりやすいデザインで統一されており、「お子様向けの電子手帳」を意識している節が見られる。 「どこをどう操作すればいいのか」が一目で分かるシンプルな外見であり、「低年齢層のお子様にもすぐに入り込める」心配りが随所にされている。 「ミニゲーム」の各ゲームは長くても1分前後で終わる程に手短かつテンポの良い内容となっており、さくさくの次のゲームに挑戦できる。 文字表示はそのほとんどがひらがな・カタカナ表示となっており、漢字表記は極力避けられている。 ちなみに説明書に関してもひたすらにお子様向けの表記になっており、保護者向けの解説までされている丁寧な作りとなっている。 「キャラクターずかん」の豊富な情報網。 2006年までのほぼすべてのサンリオキャラクターの情報が300種類以上詰まっており、1つのデータベースとしてみても価値のあるものとなっている。 「やっぱり有名どころは鑑賞しておきたい」とメジャー作品を拝むのも、「こんなキャラがいたのか…」とマイナー寄りの作品を拝むのもプレイヤー次第である。 「おしゃれ」の着せ替え素材の多彩さ。 その着せ替え素材は総勢で1000種類以上と莫大であり、キティのコーディネイトパターンは相当な多さを誇る。 お子様にとっては多種多様な素材でキティをコーディネイトできる要素はかなり魅力的なのではないだろうか。 問題点 着せ替え素材集めが超作業。 評価点で述べた「着せ替え素材の多さ」は表裏一体で問題点にもなっている。 素材を買うにはミニゲームをプレイしなければならないが、素材の数が半端じゃない多さなので数えられない程のミニゲームをこなさないと集まる気配がまるで見えてこない。 下記のミニゲーム問題の件もあって、「楽しい素材集め」が段々と「作業前提の素材集め」という苦痛に変わってくるのは必至だと思われる。 難易度「むずかしい」のラッキーゲームを繰り返しプレイしてポイントを稼いでも、コンプリートへの道がなかなか見えない程であり、お子様には相当きついだろう。 飽きやすいミニゲーム。 本作の中で唯一まとまったゲーム性を持っているミニゲームだが、その種類がたったの5つしかなく、はっきりいって速攻で飽きが回ってくる恐れが高い。 公式では「楽しいミニゲームがたくさん」とアピールされているのだが、たった5つでたくさんとか誇張表現すぎだろと突っ込みが入ってしまう。 各ミニゲームの難易度に結構な差があり、ラッキーゲームが苦手なミニゲームだと泣きを見るハメになる。以下ミニゲームの難易度印象をば。 「サンリオクイズ」…当然ながら知識がないとただの運回答となる。なお「キャラクターずかん」で回答のヒントが掲載されているので参考にしておきたい。 「きおくりょくゲーム」…おそらく最難関のミニゲームであり、結構な記憶力がないと運回答になりやすい。 「けいさんゲーム」…暗算力があるかないかで難易度に天地の差が出る。前者だとほぼボーナスゲームだが後者では…。 「まちがいさがし」…DSの画像解析度の件もあり微妙に間違いがわかりにくいところがあるが、イラストを覚えてしまえば安定感もある。 「ジグソーパズル」…割と適当にスライドしてもクリア可能であり、これが一番安定した稼ぎが可能だと思われる。 着せ替える事しかできないキティの着せ替え。 着せ替えの自由度は非常に高い反面、その着せ替えを使ったゲーム性が搭載されていない。 DSの他のゲームでは「着せ替えさせてファッションセンスを競う」という明確なゲーム性を持っているものが幾つかあるが、本作にはそういった競争性がない。 よって、着せ替えさせるのは「キティの飾り付けが変化する」か「"おてがみつうしん"で相手にコーディネートを見せる」位しかの要素でしかない。 着せ替え素材の数は本当にファッションゲームとして成立できる位に豊富なので、ミニゲームで作業させるよりもこちらのゲーム性を強化して欲しかった気もする。 その他色々。 評価点で述べた通り、ほとんどがひらがな・カタカナでの文章表記となっているので、お子様はともかく大人からすると読みにくい面もある。 ミニゲームの「きおくさがしゲーム」「まちがいさがし」「ジグソーパズル」ではクオリティの高いイラストが表示されるが、そのイラストをゲーム抜きで鑑賞できる機能がないのが残念。 本作に収録されたサンリオキャラクターはすべて原作基準での登場となっている。 アニメ化がされた事のある作品に関しては、それ独自の紹介は完全にはぶられている。(*2) 総評 はっきりいってサンリオ好きなお子様向けに特化した作品であり、それ以外のものを求めるのはお門違いだと思われる。 余談 スリーオクロックは同年にて後に『ビックリマン大事典』を、翌年には『ロンQ! ハイランド in DS』(*3)をDSにリリースした後に音沙汰がなく、親元であるフロム・ソフトウェアに吸収される事となる。
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塊魂TRIBUTE 【かたまりだましいとりびゅーと】 ジャンル 転がして大きくするゲーム 対応機種 プレイステーション3 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 バンダイナムコゲームスナウプロダクション元気 発売日 2009年7月23日 定価 6,279円 レーティング CERO A(全年齢対象) 廉価版 PlayStation 3 the Best2010年6月3日/2,940円 判定 なし ポイント 歴代作品の復刻ステージ目白押し新規ステージは控えめしかし総ボリュームは随一素敵ソングも過去作アレンジが豊富 塊魂シリーズ 概要 特徴・評価点 賛否両論点 問題点 総評 概要 『塊魂』シリーズの5作目。 ジャンプの特訓をしていた王子を見兼ね、王様が手本としてジャンプをするが、大惑星に頭をぶつけて気絶してしまい、記憶を失ってしまう。 困った王子はメイツと共に王様の代わりとなる王様ロボを作ったが、ロボは暴走して星たちを破壊しつくしてしまった。 王子は星を蘇らせるため、そして王様の記憶を取り戻すために塊を転がすこととなる(*1)。 『初代』『みんな大好き塊魂』『ビューティフル塊魂』に収録されているお題を中心に、シリーズ最多の30以上のお題が収録されている。 PS3の処理能力により、様々なビジュアルで遊べるほか、様々な新要素が追加されている。 特徴・評価点 ステージは「ロボコスモ」と「王様コスモ」の二種類に分類された。 ロボコスモはとにかく塊を大きくする課題を中心に、制限時間内でハイスコアを目指すステージ。評価基準は『ビューティフル塊魂』に近く、塊のサイズ以外に、特定カテゴリのモノを巻き込む事で上限120点の100点満点評価がなされる。 王様コスモは特殊な課題をクリアするステージ。最初のうちはモノトーン調だが塊にモノを巻き込む事でステージ上のモノが本来の色を取り戻していく「ロマンチック演出」が起こる。 『ビューティフル』で不満が多かったDLCは今作には無い。 ゲームモードは4つに増え、新要素が使える本作初登場の「あたらしい塊魂」・新要素が使えない「いつもの塊魂」・制限時間の無い「エターナル」・塊の動くスピードが速くなる代わりに制限時間が短くなる本作初登場の「塊ドライブ」の中から選べる。ただし最初の内はあたらしい塊魂しか選べず、高得点を出したり何度もプレイすることで他のモードが解禁されていく。 塊ドライブは制限時間が短いこともありテンポが良い。自動で転がり続けるレース場のステージとなると元の速さも加わり制御が困難なほどに速くなるが、爽快感も倍増。 新技として、コントローラーを振るかR2ボタンを押す事により高い所にジャンプができる「王子ホッピング」が追加された。 高い所に移動できるほか、狭い所に挟まった時の脱出にも使える。今までではできなかった思わぬショートカットが可能になることも。 ステージ上にアイテムとして配置されているハートを巻き込むことで発動し、周囲の物を一定時間塊に吸い寄せて巻き込める「王様フィーバー」と、ギザギザハートを巻き込むことで発動し、より広範囲の周囲のモノを一気に吸い込める「王様ショック」が追加された。 2種のハートは隙間にあるモノも根こそぎ取れるので爽快。ただ、塊よりも大きいモノは吸い寄せることができない他、巻き込みたくないもの(*2)も吸い寄せてしまうので取るタイミングを考える必要がある。 フルHD画質(1080P)に対応してより画面解像度が大きくなった。もちろんモデリングはおなじみのローポリゴンである。 ゲームを進めていくと、ステージ中のビジュアルを変える事ができるようになり、計4種類から選べる。 絵本のような雰囲気になった「あたらしいタッチ」・あらゆる物が木目調になった「木目調タッチ」・アニメ絵のような「コミック調タッチ」・そして従来の「いつものタッチ」が選べる。 デフォルト設定では「あたらしいタッチ」であり、ゲームを進めるまでは「あたらしいタッチ」固定となっている。 巻き込めるモノは4000種以上。前作より500種ほど増えた。 今作でも王子のイトコ・ハトコ・ルーキーである「メイツ」に新顔が登場。王子も含めて総計58人。もちろん全員プレイヤーキャラに出来る。 前作から引き続き、ネットワークランキング対応。 恒例のエンディングのミニゲームは今作、『みん大』『ビューティフル』の3つが遊べ、こちらもネットワークランキング対応。BGMも原作通りのものが流れる(*3)。 ステージ中の楽曲である「素敵ソング」には、シリーズ歴代最多の豪華21組のアーティストが参加。『TRIBUTE』に因み、塊魂シリーズのトリビュート・アルバムのような体を成している。サウンドトラックもシリーズ初の二枚組になっている。 曲目は総集編らしく、そのほとんどが過去作の素敵ソングのアレンジ。『僕の私の』のマップ曲「カタマリゾート」に歌詞を加えた「カタマリゾート・ソング」と、『みん大』の楽曲「灼熱のサバンナ」を堀越高等学校吹奏楽部が生演奏した「灼熱のサバンナ高等学校」に、『初代』の楽曲「LONELY ROLLING STAR」のアンサーソングである「LONELY ROLLING NO MORE」や『みん大』の楽曲「Everlasting Love」と『初代』の楽曲「you are smart」をマッシュアップ 歌詞を英訳した「Everlasting Love+you」などなど、様々なテイストでカバーされた曲を聴きながら塊を転がすことができる。 OP曲は『みんな大好き』の「塊オンザスウィング」をスキマスイッチの大橋卓弥がカバーした「塊オンザウィングス」で、原曲の明るい雰囲気をそのままにJ-POP風の新鮮なアレンジがされている。 過去作に参加していたキリンジ、松崎しげるが再起用。また、サウンドディレクターの三宅優も「ゆうさま」として、再び歌唱に参加している。 特に松崎しげるは『初代』から『僕私』まで皆勤賞だったため、前作で降板した際に落胆していた多くのファンを喜ばせた(*4)。 氏の熱唱するエンディングテーマ「SHADOW AND LIGHT」は本作の素敵ソングの中でも特に評価が高く、初代の「愛のカタマリー」と双璧を成す名曲と称賛する声も少なくない。最早お約束の「日に焼けた肌」のフレーズもばっちり完備。 曲自体の良さに加え、エンディング恒例のミニゲームの綺麗な画面も相俟って、本編もすごく感動的なストーリーだったのかと錯覚してしまうほど見事なスタッフロールとなっている(*5)。順当にプレイしていれば、曲の盛り上がりに伴って画面がどんどん壮大且つ綺麗になっていくのもポイント。 曲が終わる前にミニゲームをクリアできれば、最後に粋な演出も追加される。是非クリアして、最高潮の感動でフィニッシュを迎えよう(*6)。 賛否両論点 先述の通り、「素敵ソング」は過去作の楽曲のリミックスやカバーバージョンが盛りだくさん。その豪華っぷりへの評価は高いが、一部の楽曲はかなり癖が強く大胆にアレンジされており、賛否両論の意見が見受けられる。 歴代と比べてダウナーなアレンジの楽曲が多い傾向にあり、特に『初代』の「塊オンザロック」のアレンジ「塊オンザロック(5cm Prince Remix)」や『ビューティフル』の「Katamari Dancing」のアレンジ「Katamari Dancing All Night」などはプレイしていて盛り上がらないと言われがち。 これらの楽曲も出来自体は決して悪くなく評価する声も一定数あり、あくまで個人の好みに委ねられる所である。 原作のステージと比べて制限時間が短くなっているステージが多い。目標サイズが大きくなっているステージもいくつかあり、そういったステージは難易度が総合的に上昇しているといえる。 特に塊をシリーズ最大規模まで大きくできる「王様を起こす」ステージは、原作の17分から12分と大幅に削られており、巻き込む物の種類も意識しないといけない120点クリアとなると緻密なルート構築はほぼ必須。その分やり込み甲斐が増したとも言える。 問題点 ステージの偏り 新作のステージはチュートリアルを含めて4つのみ。総集編であるからとはいえ、新規要素を求めるファンには物足りない。 既存ステージでも新システムで新しい体験をすることはできるものの、やはり過去作をプレイしたことのある人にとってそこまで大きいものではない。 過去作ステージは『みん大』のステージが18個で一番多く、逆に『初代』のステージは3つだけ(*7)。 ロボコスモはそれなりに出典のバランスが取れているが、王様コスモは全17ステージのうち『みん大』が13ステージを占める。残りは『ビューティフル』が3つ、新ステージが1つで、『初代』の星座を作るステージは一つも採用されていない。 それだけ『みん大』はシチュエーション豊富で捨てがたいステージが多かった、という事でもあるのだろうが…。 『僕の私の』のステージは未収録。ただし、これは携帯機から据置機への移植の難しさ、および一部ステージの独特な遷移の仕様も影響していると思われる。 『ビューティフル』では可変60fpsだったが、今作は30fps固定となっている。 総評 『塊魂』の総集編であり、そのボリュームはシリーズ随一。 『ビューティフル』で改善された点はそのままに、新要素もゲームバランスを崩さず、かつ空気でもないちょうど良いバランスであり好評。 新ステージの少なさや、過去曲の好みの分かれるアレンジなど、一部シリーズファンから不満が出やすい部分もあるが、シリーズ最大級のボリュームでたっぷり遊べる塊魂なのも間違いなく、これからシリーズを始める人にもお勧めできる。
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魔界村シリーズリンク 機種 タイトル 概要 判定 本編 AC 魔界村 コミカルなグラフィックと裏腹に手応え抜群のシビアなアクション性が大ヒット。 良 FC 魔界村 移植版は高難易度のシリーズ中でもトップクラスの理不尽な難しさに…。 劣化 GBA ファミコンミニ 魔界村 ファミコンミニシリーズ第2弾に、FC版を収録。 AC/MD/PCE/X68k 大魔界村 『魔界村』再び。ナイトアーサー2度目の受難。グラフィック、BGM、ゲーム性の面で大幅な進化を遂げパワーアップした。 良 SFC 超魔界村 家庭用向けにボリュームアップした新たな『魔界村』へようこそ。死にゲーぶりも健在で、ライトゲーマーにはまだまだ厳しい難度。 良 GBA 超魔界村R 『超魔界村』の移植。 WS 魔界村 for WonderSwan 初期3作品の要素を取り込んだ、ワンダースワン向け完全新作。 PSP 極魔界村 『魔界村』が15年の時を経て復活。 なし PSP 極魔界村 改 『極魔界村』のマイナーチェンジ版。不評だった点が概ね改善された。 良 Switch/PS4/One/Win 帰ってきた 魔界村 DL専売。『魔界村』『大魔界村』をモチーフにしたリブート作。シリーズ初の2人協力プレイ等の様々な新要素が実装されている。 外伝 GB レッドアリーマー 魔界村外伝 カプコン初のGBソフト。レッドアリーマーを主人公にしたアクションRPG。 なし FC レッドアリーマーII 上記の続編。前作のゲームシステムの大半を引き継いでいる。 良 GB 魔界村外伝 THE DEMON DARKNESS 『レッドアリーマーII』に追加要素を加えたリメイク。 SFC デモンズブレイゾン 魔界村 紋章編 レッドアリーマーシリーズの最終作。SFC進出に伴ってより強化された「ダーク」さが魅力。アクションゲーム屈指の強敵「人界に潜む闇の魔物」の登場作品でもある。 良 派生作品 SS/PS アーサーとアスタロトの謎魔界村 海外産パズルゲーム『Sid Al s Incredible Toons』のキャラを差し替えたもの。 PS2 マキシモ 3D版『魔界村』と言えるアクションゲーム。キャラクターデザインは松下進。 魔界英雄記マキシモ マシンモンスターの野望 オムニバス PS/SS カプコンジェネレーション第2集 ~魔界と騎士~ 『魔界村』『大魔界村』『超魔界村』を収録。 PS2/PSP カプコン クラシックス コレクション Switch/PS4/One/Win カプコンアーケードスタジアム 『魔界村』『大魔界村』を購入可能。 良 関連作品 機種 タイトル 概要 判定 CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ AC アドベンチャークイズ カプコンワールド レッドアリーマーが1面ボスとして登場。 PCE アドベンチャークイズ カプコンワールド ハテナの大冒険 『アドベンチャークイズ カプコンワールド』を収録。諸事情で4面ボスがアスタロト(『大魔王』名義)に、ラスボスがルシファーに差し替えられている。 GB カプコンクイズ ハテナ?の大冒険 『魔界村』をモチーフとしたマップが存在しており、シールダーとレッドアリーマーがボスで登場。 AC/DC/PS MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES アーサーがスペシャルパートナーとして登場。 AC/DC ガンスパイク アーサーをモチーフとしたキャラ「キング・アーサー」が登場。 AC/NG/PS2/Xb SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS レッドアリーマーがシークレットボスとして登場。 なし PS2 NAMCOxCAPCOM アーサーが参戦。敵としてネビロス、アスタロト、レッドアリーマーも登場。 良 PS3/360 MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds アーサーが参戦。 なし PS3/360/PSV ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3 レッドアリーマーも参戦。 3DS PROJECT X ZONE アーサーがソロユニットとして参戦。敵としてアスタロト、シールダー、レッドアリーマーも登場。 なし PS4/One/Win MARVEL VS. CAPCOM INFINITE アーサーとレッドアリーマーが参戦。 その他 AC ブラックドラゴン レッドアリーマーが敵として登場。 なし FC/MSX2 魔界島 七つの島大冒険 『ひげ丸』のアレンジ移植。『魔界村』と世界観を共有。アーサーがサブキャラとしてゲスト出演。「ヘビ島」の敵にゾンビ、ブルーキラー、同ボスに一角獣、ラスボスはレッドアリーマー。 不安定 SFC ロックマン7 宿命の対決! ステージ選択時に特定のコマンドを入力するとシェードマンステージのBGMが『魔界村』のテーマになる。 良 Switch ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online DL専売。FC版『魔界村』を収録。6面から始まる『大魔王まであと少しバージョン』も同時収録。 良 スーパーファミコン Nintendo Switch Online DL専売。『超魔界村』『デモンズブレイゾン 魔界村 紋章編』を収録。 良 セガ メガドライブ for Nintendo Switch Online DL専売。『大魔界村』を収録。 良 ゲームボーイ Nintendo Switch Online DL専売。『レッドアリーマー 魔界村外伝』を収録。 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL 有料DLCでMiiコスチュームとしてアーサーのかぶと+よろいを配信。スピリッツも登場。 良 モンスターハンターシリーズ 『XX』『ライズ』にてコラボクエストを配信。
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注意 本稿では、『ヘビーバレル』のAC版・FC版双方を扱います。判定は両機種共「ゲームバランスが不安定」に指定されていますが、それぞれの不安定要素のベクトルが異なります。 ヘビーバレル (AC) 概要(AC) 評価点(AC) (ゲームバランス的な意味で)呪われし「怒」の系譜 問題点(AC) 制限時間 ジェットパック兵 巨大クレーン(2面ボス・6面中ボス) 赤ヘリ2機(4面ボス) やたら固いラスボス 総評(AC) 移植(AC) ヘビーバレル (FC) 概要 (FC) 問題点 (FC) ぶっ壊れ性能に変貌してしまった「赤手榴弾」と「火炎放射器」 等速直線運動で数ドット滑る自機 一部アイテムが区別不可能 エンディングが簡素過ぎ 評価点 (FC) 賛否両論点(FC) 総評 (FC) 余談 ヘビーバレル (AC) 【へびーばれる】 ジャンル アクションシューティング 対応機種 アーケード 発売・開発元 データイースト 稼動開始日 1987年 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント 制限時間短すぎジェットパック兵の自機重なりバグ巨大クレーン強すぎアーケードゲーム史上最強の赤ヘリラスボス固すぎ→制限時間が(ry 俺(プレイヤー)たちの怒りは頂点に達した! 概要(AC) データイーストがSNKより『怒』のライセンスを取得し製作した、『怒』の公式改造のようなゲーム。 全7面。2人同時プレイが可能。「ショット」と「手榴弾」という基本ゲームシステムや全体的な展開などはやはり『怒』や『バトルフィールド』などに準じているが、赤兵が落とす「鍵」を消費して武器箱を開けてパワーアップアイテムを得るという変わったシステムが追加された。 評価点(AC) 「ヘビーバレル」による撃ちまくりのカタルシス。 各地の武器箱に隠されたパーツを6つ集めると、ザコだろうがボスだろうが一撃で倒す巨大弾を連射可能な3mはある巨大な銃「超絶的最終・最強兵器 ヘビーバレル」(正式名称)が1分近く撃ち放題になる。 この極端すぎる一定時間のカタルシスは1987年当時までのゲームでは前代未聞ともいえる豪快な要素であり、当時のアーケードゲーマーに絶大なインパクトを残した武器であったともいえる。 この作品より後々…格闘ゲームの「超必殺技」や、例えば怒首領蜂大往生の「ハイパー」など、凄まじい一発逆転の要素が存在するアクションゲームやシューティングゲームなどが数々発売されるが、本作がその先駆者であったと言ってもよい。自由な発想・自由な味付けが持ち味だったデコには先見の明があったのではないだろうか。 変に癖のある日本語ボイス アーケードのデコゲーといえば、『ウルフファング 空牙2001』や『ファイターズヒストリー』といった外国語によるボイス演出をウリにしているが、本作は何と全編デコ社員による日本語ボイスというACのデコゲーにしては珍しい構成。 しかも、各種ボイスもゲーム開始時の「ごー!」、アイテムを取得すると「よぉし!」、自機がやられると「うわぁ!」、ヘビーバレルのパーツを取得する度に「ワン」「ツー」、そしてヘビーバレル完成後の「へウ゛ィィィィィバレェル!!」と妙に味がある。このため本作の主人公はある意味では溝口誠の先祖とも言えるだろう。 ちなみに海外版のボイスはいつものデコゲーと同じく外国語が中心の構成なので、「デコゲーは英語が至高なんじゃ!」と思う熱烈なデコファンは海外版をプレーするべし。 (ゲームバランス的な意味で)呪われし「怒」の系譜 『怒』や『バトルフィールド』同様爽快感はかなりのものなのだが、本作「も」ゲームバランス上の重大な欠陥が目立つ内容であった。 実は『怒』→『バトルフィールド』→『ヘビーバレル』→『怒号層圏』、果ては移植版のファミコン版『怒』(マイクロニクスによるアレンジ移植)『怒II』(こちらもマイクロニクスによる怒号層圏のアレンジ移植)、ファミコン版『ヘビーバレル(デコが移植…本記事下部にて解説)』にまでも共通してしまっている。 『怒』直系の作品は基本的にどれも爽快感があるものの、機種が違おうが時期が違おうが開発会社が違おうが例外なくゲームバランス上の重大な欠陥が必ずいくつもあるという犬神家もかくやの呪われようの悲痛な作品群であったと言わざるを得ないだろう。 以下、本作『ヘビーバレル』の問題点に迫る。 問題点(AC) 制限時間 本作はタイムオーバーになると、伝統の「赤手榴弾」が画面下外からひっきりなしに多量に飛んでくるため事実上ミス確定となる基本システムが存在している。 …のだが、実際はミスして復活しても一度赤手榴弾モードになるとステージクリアしない限り永遠に赤手榴弾モードが解除されず事実上「タイムオーバーになるとゲームオーバー確定」になる。おそらく設定ミスと思われる。 それだけならまだ「厳しい仕様」で済むが、なんとその肝心の制限時間が短すぎる上残り時間が不可視。「怒」の様に警戒しながら進めば、容赦ない強制ゲームオーバーの洗礼が待っている。あまりにも厳しすぎる。 ジェットパック兵 自機のまわりで一定距離を保ち、倒さない限りいつまでもまとわりつくザコ敵。多くの面に登場する。 なのだが、運が悪いと「自機に重なった状態」をいつまでも保つバグ挙動でこちらをゲームオーバー確定に追いやる。 ジェットパック兵には他の敵同様接触判定がある上、本作では敵に触れるとミス。自機が触れた敵も倒れてはくれない。しかもミスした自機はミスした座標でそのまま初期装備で復活する。そして、ミス復活後の自機は数秒間無敵だが攻撃判定を持っていない。 前述の仕様に加えて、自機の初期状態の攻撃手段(通常ショットと小さな手榴弾)攻撃判定は自機のかなり前方から発生する。つまり、「一度完全に自機に重なってしまったジェットパック兵を始末する手段は存在しない=重なられた瞬間ゲームオーバー確定」である。 巨大クレーン(2面ボス・6面中ボス) 狭い足場、あまり速くない自機の移動速度、あまり長くない自機の攻撃のリーチ。無茶な接近を強要する条件下で「極太レーザー」に等しい高速のアーム伸ばし攻撃をほぼノーモーションで繰りだす(一応、一瞬だけ動きを止める)。 しかも攻撃判定がアームの見た目より広い詐欺判定持ちな上、横移動速度が恐ろしく速い上、耐久力も高い。序盤からいきなり極悪なボスである。もちろん、その強さは本作屈指。 なお、このボスは6面で2機同時に再戦することとなるためその難度は未プレイ者も推して知るべし。 赤ヘリ2機(4面ボス) アクションゲームやシューティングゲームの赤ヘリは『プラスアルファ』や『ゲーム天国』のプーペラ、『ツインコブラ』の1P、『メタルスラッグX』3面のPRショーブ(赤)、『ケツイ~絆地獄たち~』のティーゲルシュベルト(Aタイプ自機)、『UNDER DEFEAT』の1P…などなど、敵だろうが味方だろうがとにかくやたら強いと相場が決まっている。しかし、本作の赤ヘリは想像を絶する強さだった。 見た目は青いザコヘリの色違い(青ヘリはのろのろ一方向に飛びながらザコ兵と同じ銃弾をちょこっと連射するだけ)。だが、その強さは別次元に達している。 このボスは高速で画面中をふらふら飛び回りながら、所かまわず「戦車砲を薙ぎ払うように5連射する」という極悪な攻撃手段を持つ。戦車の主砲を連射できるヘリを開発するとは、さすがヘビーバレルを作り上げた組織である。 戦車砲は爆風による攻撃判定も弾そのものの判定も見た目以上に大きく単発でもそこそこ脅威。それを2機左右挟み撃ちで位置取りがフリーダム、しかもそれぞれが至近距離からでも遠距離からでも乱射してくる。つまり戦車砲5連射は基本的には回避不能。 さらに、赤ヘリ戦では足場の横幅が非常に狭いため都合良く大きく避ける事は不可能。前述の戦車砲乱射により細かい避けも不可能。 耐久力もしっかり他のボスに引けをとらない高さという理不尽そのものの強さ。 繰り返すが、赤ヘリの攻撃を避ける事は基本的に不可能。しかもその耐久力の高さから、ミス後の初期装備で残機押しで勝とうにも残機がまず足りない。ヘビーバレルを持ち込めるよう調整して出現と同時に2機とも始末しない限りゲームオーバーが待っている。かの有名な「死ぬがよい」を通り越して、ヘビーバレル無しで戦闘開始すれば「死んだ」としか言いようのないバランス調整放棄ボスである。 やたら固いラスボス 非常に固い。 しかも、足場は画面下4分の1程度の狭い範囲のみ。 赤ヘリ同様ヘビーバレルで出現と同時に始末しないと制限時間切れでゲームオーバーになる可能性大。 総評(AC) 『怒』と差別化されたゲームシステムや妙に愛着のある社員ボイスについては良いものの、シビアな制限時間や厄介な敵の存在から人気を得ることなくマイナーゲーに沈んでいった一作。 移植(AC) 一応、アーケードやファミコンのデコゲーやテクノスジャパン、カルチャーブレーンのゲームを収録したハード『ジェネレーション3』にAC版が収録されているが、海外版での収録の為、国内版に愛着のあるプレイヤーは注意。 ゲーム的には国内版と殆ど変わりないが、タイトル画面でメーカー名が『DATAEAST USA』名義になっているのと、先述の通り音声がネイティブな英語になっている点。 ヘビーバレル (FC) ジャンル アクションシューティング 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売・開発元 データイースト 発売日 1990年3月2日 定価 5,800円(税別) 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント ヘビーバレル涙目赤手榴弾と火炎放射器が間違った性能に滑る自機一部武器アイテムが識別不能 概要 (FC) 業務用のファミコン移植版。 十字キーでプレイヤーの操作、Bで銃を撃ち、Aで手榴弾を投げる。 FCへ移植されるに当たり、鍵無しで入手可能なアイテムは廃止され、全てのアイテムが鍵付きの武器箱から入手する方式に変更された。 問題点 (FC) ぶっ壊れ性能に変貌してしまった「赤手榴弾」と「火炎放射器」 本作がウリにしていたのは、業務用同様パーツを6つ集めるとザコだろうがボスだろうが一撃で撃破する巨大銃「超絶的最終・最強兵器 ヘビーバレル」(正式名称)を1分ほど撃ち放題になる…という当時までのゲームでは前代未聞のカタルシス。 なのだが、各ステージのそこら中でいくらでも入手できる「赤手榴弾(初期弾数40発)」と「火炎放射器(初期弾数90発)」にまでヘビーバレル並の攻撃力があるという致命的な調整ミス。 ヘビーバレルの存在感もぶち壊しなうえ、そもそも全てのボスが「出現と同時に赤手榴弾2発と火炎放射器の炎を重ねておく」事で攻撃を繰り出す様を拝むことなく撃破できてしまい、あまりにも低難度が過ぎる。 等速直線運動で数ドット滑る自機 ゲームバランス面とは少し違う話であるが、移動が地味にすごく変。十字キーの入力を止めてから8ドットほど強制的に等速直線運動で滑るように勝手に歩行する。これもプログラムミスなのだろうか。 ちなみに、同じくデコの業務用『コブラコマンド』もほぼ同じ重大な移動仕様ミスが存在している。(ファミコン版では直っている) 一部アイテムが区別不可能 手榴弾と赤手榴弾のアイテムのグラフィック、ショットガンと火炎放射器のアイテムのグラフィックがなぜか完全に同一である。色も同じ。おそらく設定ミス。 配置アイテムは固定なので、どうしても欲しくないアイテムがある場合は配置を覚えるしかない。 エンディングが簡素過ぎ エンディングは真っ暗な画面にお褒めのメッセージ(英語)が表示され、それが流れてスタッフロール、最後に「THE END」。味気ない。 評価点 (FC) ファミコン後期に発売されたゲームらしく、グラフィック・音楽共にクオリティが高い。 賛否両論点(FC) ゲーム性の変更 業務用ではループレバーを採用したゲーム性であったが、ファミコンに移植されるに当たってよくある『戦場の狼』タイプのゲーム変化を遂げている。 この点は先に発売された『ゲバラ』でも同様でもあり、ファミコンではループレバー操作の再現が難しい事から妥当な点ではあるが、業務用の操作がオミットさせられた事は残念に思うプレイヤーも少なくは無い。 総評 (FC) 業務用の雰囲気は頑張って表現できてはいる。 しかし業務用とは真逆の「ゲームが極端なヌルゲーになる」方向と、「操作が不快になる」方向で問題が浮かびあがっている。 余談 本作は後発のデータイースト作品にも色々と影響を与えている部分が多い。 ヘビーバレルのシステムは『シークレットエージェント』のゴールデンガンに転用され、パワーアップアイテムの一部は『ミッドナイトレジスタンス』で採用されている。 概要の方で『怒』の公式改造のような作品と記述されているが、実際に『怒』基板を解析し、更にとんでもない事にプログラムソースの一部を盗用してSNKから文字通り 怒 られるという情けないエピソードがある。 後にデータイーストは懲りずに某作品で同じ事をやらかして訴訟沙汰になってしまうのだが、それはまた別のお話。 本作のFC版で、主人公を「チップ」と「デール」にすげ替えた海賊版があり、彼らが火炎放射器で消毒しまくる様は非常にシュールである(もっとも、FCの性能上あまり彼らには見えないが)。
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仮面ライダーアギト 【かめんらいだーあぎと】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 プレイステーション 発売元 バンダイ 開発元 KAZe [カゼネット] 発売日 2001年11月29日 定価 4800円 廉価版 BANDAI THE BEST2003年2月20日/2,800円(税別) 判定 なし ポイント キャラゲーとして少し進化しかしまだまだ荒削り 仮面ライダー対戦格闘シリーズリンク 概要 登場キャラ 評価点 問題点 総評 余談 目覚めろ、その魂! 概要 同名の特撮番組を原作としたゲームソフト。 制作は『仮面ライダー』『同・V3』『同・クウガ』に続きKAZeが担当。同社が開発した最後のライダーゲーでもある。 登場キャラ 仮面ライダー アギト(グランドからストーム・フレイム・バーニングのどれか1つにチェンジ可能)、アギトシャイニングフォーム、G3(ダブルタイプ)、G3-オリジナル、G4、ギルス、エクシードギルス アンノウン(ロード怪人) ジャガー(褐色・赤・クイーン)、トータス(銀)、スネーク(男)、クロウ(1体目)、スコーピオン、ハイドロゾア 詳細名はジャガー(褐色)はパンテラス・ルテウス、ジャガー(赤)はパンテラス・ルベオー、ジャガー(クイーン)はパンテラス・マギストラ、トータス(銀)はテストゥード・オケアヌス、スネーク(男)はアングィス・マスクルス、クロウ(1体目)はコルウス・クロッキオ、スコーピオンはレイウルス・アクティア、ハイドロゾアはヒドロゾア・イグニオ G4はタッグバトルモードではプレイヤーは使用できないが敵としては登場する。 敵専用キャラ G3(ソードタイプ)、G3(ガンタイプ)、G3-X、ジャガー(青)、トータス(金) 詳細名はジャガー(青)はパンテラス・キュアネウス、トータス(金)はテストゥード・テレストリス 2Pと協力して100連戦するタッグバトルモードでは使用可能。必殺技のモーションが少し異なっている。 G3関係はGトレーラーのG3-オリジナルをカスタマイズすることで全タイプ使用可能だが通常のG3(ソードタイプ)、G3(ガンタイプ)、G3-XはNPC専用。 通常のG3-Xもタッグバトルモードで使用可能。ただしカスタマイズできるG3-オリジナルは使用できない。 ソードタイプとガンタイプの通常版はタッグバトルモードでも使えないがG3モードで使用できる。 評価点 前作『クウガ』ではできなかった、バトル中でのフォームチェンジが可能。 但しアギトのみ。またチェンジするフォームは戦闘前に予め選択する。 ストーリーモードで優勢になると、番組の挿入歌が流れる。この演出は以降のライダー格ゲーにおいて定着した。 小ネタが豊富。 VSモードでアギトのハンディキャップを最大に設定すると、ストーム・フレイムフォームの外見がトリニティフォームに変わる。ただし性能は変わらず。 ストーリーモードでは、ラスボスであるクイーンジャガーロード(パンテラス・マギストラ)が死に際に原作同様のアクションを行う。 登場怪人の中で、ハイドロゾア(ヒドロゾア・イグニオ)は原作で喋った唯一の台詞を「勝ち台詞」として喋ってくれる。「人が人を殺してはならない」 カードゲットモードでは、アギトの津上とG3の氷川が掛け合い風のボイスで解説をしてくれる。 G3のストーリーモードでは、ダメージを与えた時・受けた時で、それぞれ小沢警部の合いの手が入る。 …のだが、1種類ずつしかないのでクドくもある。 ハイスピードの駆け引きと爽快なコンボ ×ボタンで全キャラが高速移動が可能、派生や必殺技もらくらく操作で発動し、特に空中攻撃のラッシュはコンボゲーと呼べるほど。 OPのクオリティは高い。前作『クウガ』から確実に進化している。 カードゲットモードは、『仮面ライダー』『クウガ』同様入手済みのカードを何度も入手してしまう仕様だが、種類によってカードの色が違うので、少しは判別に役立つ。 問題点 本作より、ライダー格ゲーでは同キャラ対戦ができなくなる。 色違いの怪人を、タッグバトルモード専用キャラではなく2Pカラーとして出すという手もあっただろうに…。 劇場版限定キャラであるG4はG3-Xのモーションを流用しており、ボイスを一切発しない。原作で使用したミサイル「ギガント」もまったく出てこない。 ただしG4が勝利ポーズで頭を抱えて苦しむ動作をしたり(G4装着によるシステムの副作用)、登場時に空中から落下して登場する(劇場版ではヘリから落下して登場している)。など劇場版を思わせるネタが無いわけではない。 ソフト制作時期を考えると仕方がないことだが、アナザーアギトとG3マイルドは未登場。V-1も未登場。 ストーリーモードはアギト・G3・ギルスと3種類のルートが用意されているのだが、どれも最終面の展開は同じ。 通常のG3の他に、プレイヤーがカードゲットポイントでカスタマイズできる「G3-オリジナル」というキャラもいるのだが、改造できるのは3種類の武器だけなので面白みに乏しい。 なおフルチューンすると「G3-X オリジナル」に変化する。これはプレイヤーが操作できるのだが、通常のG3-Xは敵専用キャラとなっている。 総評 G3のカスタマイズやメインライダーごとのストーリーを用意するなど、意欲的な要素を盛り込んだソフトではあるのだが、どれも洗練不足という感じが拭えないものとなっている。 とはいえ、良くも悪くも話題にならなかった前作よりは明らかに良い意味での特色を持ったソフトである事と、翌年デジフロイドに交代してからのゲームが大味なソフト続きであった事などから、『カブト』が発売されるまでは「遊べるライダーゲー」と呼ばれていた。 余談 クイーンジャガーロード(パンテラス・マギストラ)は、カポエラのような逆立ちしての回し蹴りを使えるのだが、褌の下に何も履いていない事がわかる。 単に太ももの内側と同じ色が続いているだけだが。
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本稿ではオリジナルのFC版及び、リメイク作品であるWSC版を併せて解説する。 ファイナルファンタジー 概要 特徴・評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 移植 その後の展開 ファイナルファンタジー (WSC版) 概要(WSC) 特徴(WSC) 評価点(WSC) 問題点(WSC) 総評(WSC) 余談(WSC) ファイナルファンタジー 【ふぁいなるふぁんたじー】 ジャンル RPG 高解像度で見る 裏を見る 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売・開発元 スクウェア 発売日 1987年12月18日 定価 5,900円(税別) プレイ人数 1人 セーブデータ 1個(バッテリーバックアップ) レーティング CERO A(全年齢対象)(*1) 配信 バーチャルコンソール【Wii】2009年5月26日/476Wiiポイント【WiiU】2013年11月13日/476円【3DS】2013年12月18日/476円(各税別) 判定 良作 ポイント 記念すべきシリーズ1作目この頃からビジュアル面を強く意識した作り ファイナルファンタジーシリーズ そして……探求の旅は始まった 概要 今や国内を代表するRPGの一つとなった『ファイナルファンタジー』シリーズの記念すべき第1作。 プレイヤーはクリスタルに導かれし光の4戦士となり、世界に平和を取り戻すべく旅に出る。 特徴・評価点 ジョブシステム、白、黒、赤魔道士のグラフィック、クリスタル、メインテーマやファンファーレといった音楽、飛空船(後の飛空艇)、SF要素等々、1作目にして後のシリーズに引き継がれるゲーム性の基礎、デザイン等の多くがこの作品の時点で確立されている。 この時期のRPGはコンピューター上で如何にテーブルトークRPGを再現するか模索しており、色々と実験的な試みがされている。 パーティー編成 最初に、4人の主人公それぞれに6つの職業(戦士・モンク・シーフ・赤魔術士・白魔術士・黒魔術士)を選ぶことになる。 編成は完全に自由。同じ職業を複数入れても良い。その組み合わせは126通りにも及ぶ。 物語の途中でクラスチェンジイベントが発生、それぞれ上級職に変わる。クラスチェンジを行うことでキャラクターのグラフィックが大幅に変化する。その際の、頭身の上がったキャラクター達は多くのプレイヤーに(良くも悪くも)強烈な印象を与えた。 以降のシリーズ作品にも上級職のネーミングが残ったものは存在するが、頭身の上がったデザイン自体は二度と使われていない。本作そのもののリメイクですら、大半の上級職はまるきり違う外見に変更されている。 編成はゲーム中に変更することは一切できないため、この時の編成次第で冒険の難易度が大幅に変わる。クラス毎の使い勝手の差が激しいため相当苦戦を強いられる編成もあるが、それ故に熱くなるプレイヤーも多かった。詳細は「クラス格差」の項に譲る。 パラメータの成長にはランダム要素が大きく絡んでおり、同じ職業のキャラでも微妙に違った個性が分かれてくる。 戦士と白・黒・赤魔術士のデザインは、微妙にリファインされつつ以降のシリーズ中でも常連となる。上級職の中では忍者のみが唯一、以降の作品中にもデザイン継承されている。 システム面 魔法は自然には覚えず、魔法屋で魔法を購入して習得する。クラスによって習得可能な魔法に制限がある。 『Wizardry』と同様の「魔法レベル別使用回数制」であり「Lv1の魔法を○回」「Lv2の魔法を○回」というように各Lv毎に完全に独立した使用回数が割り当てられている。 魔法は各レベルに白黒それぞれ四種ずつ存在するが、1レベルにつき三種までしか習得できない(赤魔術士のみ白黒合わせて三種まで)。一度習得した後の変更は不可能。プレイヤーは各魔法使いにどの魔法を習得させるか選ぶ必要があり、独特のカスタマイズ性を醸し出している。 バッテリーバックアップ方式を導入。 回復拠点である宿屋はゲームを進める上で必ず利用することになるが、その宿屋がセーブポイントを兼ねている。 また、フィールド上の任意の場所でもセーブが可能。ただし、その際は消耗品である寝袋・テント・コテージのいずれかを使う必要がある。 高度なプログラミング技術。 ナーシャ・ジベリ氏のプログラムによる表現力は当時のファミコンソフトとは一線を画している。船に乗ると歩行時の2倍、飛空船では4倍の速度で移動可能になり、4方向へのなめらかな高速スクロールはプレイヤーを唸らせた。 飛空船4倍速の高速スクロールに加え、浮かび上がる演出と影まで表示される(*2)。当時のRPGの演出としては群を抜いて優れている。 他にもフィールドから街などの画面切り替えにマップを割るワイプを使ったりしている。 高度かは不明だが、街の住民等のNPCを押すと、早足で居る位置から離れる。 隠しミニゲームである「15パズル」は、容量の空きにこっそり仕込んだものだという裏話がある。 後述するように細かいバグや設定ミスはあるが、ゲームの進行やバランスに多大な影響を及ぼすようなバグは確認されていない。 グラフィック面 初代の頃からビジュアル面、演出面を強く意識している。 敵味方が左右に分かれて対峙し、ちびキャラ風に描かれたキャラクターがちょこまかとアニメーションしながら攻撃などのアクションを見せるというビジュアルメインの演出は、ユーザーに驚きを与えた。味方がアニメーションをする戦闘画面を採用したゲームは本作が初となる。 今日ではこの形式はサイドビューと呼ばれるようになり、様々なRPGに影響を与えている。 キービジュアルおよびモンスターデザインを、天野喜孝氏が担当。『ドラクエ』シリーズのコミカルで親しみ易い絵柄と対照的に、絵画的なタッチで幻想的な雰囲気の作風が持ち味である氏のイラストにより、硬派なファンタジーRPGの雰囲気を作り出している。 なお、天野氏は『FF6』までキャラクター及びモンスターイラストを担当し続けた。『FF7』以降は多忙のため前述の仕事は降板したものの、ナンバリング最新作でもメインタイトルやイメージイラストは必ず担当するなど、FFシリーズを語る上で欠かせない人物となっている。 ただしドッターの渋谷員子氏によると、厳密には一部のモンスターは天野氏でなく社内スタッフがデザインから描き起こしているらしい。 ドラクエは『II』から戦闘画面の背景が黒一色になったが、こちらはファミコン用全作で(画面上部のみではあるが)事前に踏んでいた地形に合わせた背景パターンを並べている。 サウンド面 のちのシリーズでも恒例となる植松伸夫氏の手による、『ドラクエ』シリーズとはまた違った方向性の雰囲気とメロディセンスによる楽曲群は、数は少ないながらも世界観や雰囲気の違いを明確に印象付けている。 冒頭のアバンタイトルを終えたのち、城を出て橋を渡った瞬間に表示される1枚絵とともに流れるシリーズテーマ「ファイナルファンタジー」は特に印象深く、のちのシリーズにも引き継がれている。 以上のように、全ての要素に硬派かつマニアックな要素が取り入れられており、当時発売されたRPGの多くがドラクエのスタイルの模倣に留まっていた中で、本作は『ドラクエ』と異なる作風を強固に打ち出し、意欲的な試みに満ちた野心作として鮮烈な印象を残している。 賛否両論点 「逃げる」を多用することを前提としたバランス調整 本作は魔法使用回数の少なさや、シーフの売りが「敵から逃げやすいこと」であることからも分かるとおり、ある程度まで積極的に敵から逃げ回ることが推奨されるバランスとなっている。この調整そのものには賛否あるが、独特のゲームバランスを成立させてはいる。 特にダンジョン探索時は、目的を果たすまでに非常に多くのモンスターと遭遇することになる。ジョブの選択やレベルにもよるが、全てと戦っていたらMPやアイテムはまず持たない。 ただし、逃走判定は各々の行動時に行われるので無傷で進めるわけではないし、雑魚戦でも絶対に逃げられない戦闘も発生するので、常に逃げ続けるのが正解というわけではない。時には積極的に戦った方が被害を減らせる場合もある。 一方で「絶対に逃げられない敵(厳密には敵ではなくエンカウントパターン)」が雑魚モンスターとして頻出することについても、やはり賛否の分かれる部分ではある。どのモンスターが逃走を封じているのかといったヒントも作中にはなく、逃走不可であること自体も明確には示されず(逃走失敗のメッセージは1通りしかない)判別が困難なため、「基本的には逃げやすい」というゲームバランスに気づかないプレイヤーも出た。 本作は「雑魚敵の数が多く、特技や状態異常を駆使してきて非常に強い」と通常戦闘では苦労する一方、「ボスのHPは低くその時点での最強武器でヘイストを掛けて突撃すれば数ターンで終わる」というゲームバランスである。 ダンジョンの構造自体は適度な難易度であり、初期のドラクエのように「ダンジョンに無限ループ箇所があって一旦引っ掛かると目的地にまでたどり着けない」ということはあまりない。暗闇や隠し通路といったものも一切存在しておらず、小部屋にはちゃんと扉が存在しているため、初期のDQのように壁か部屋かわかりづらい、ということは起こらない。 ランダムエンカウントは実質的に歩数制でかつ完全固定(マップによってエンカウント頻度が変化することはある)なので、少なくとも1~2歩歩いたら次のエンカウントが発生して…ということはほとんど起こらない。エンカウント率自体はそこそこの高さではあるものの当時としてはかなり快適な部類である。 ただ固定エンカウントのマスが存在しており、該当するマスに足を踏み入れると歩数に関係なくエンカウントしてしまう。多くの場合はそのダンジョンのボス的な配置か、宝箱を守るように配置されている。 さらに固定エンカウントであることはゲーム内で一切示されず、分かりづらい。なおかつ、罠のように多数の固定エンカウントが敷き詰められた通路まで存在する。 後半は戦闘中に使うと魔法の効果を発動する装備品が登場するため、どんな編成であってもある程度ならゴリ押しがきくようになる。 全体火力魔法や一撃必殺、状態異常から果ては回復魔法を発動できる武具まで存在し、これらを活用することによって戦力を温存可能となる。これらの装備を持ちさえすれば誰でも無制限に魔法が使えてしまうので、充実するほど本職魔法使いの肩身は狭くなっていく。 効果発動の際に装備しておく必要は無い。持ってさえいれば装備できないキャラクターでも魔法を引き出せる。 ただし装備品は所持数制限が重く、武器・防具とも一人あたりそれぞれ四個ずつまでしか持てない。ことに防具は鎧・兜・小手・盾でフル装備するとそれだけで枠が埋まってしまう関係上、魔法効果の装備のための枠を割くのが悩ましいといった課題が出てくる。 どの装備品に魔法が込められているのかは、ネーミングから推測する以外にヒントらしいヒントが一切ない。このため、実際に使ってみないと分からないのが、ネックといえばネックではある。 「いやしのかぶと」等、ある程度予想がつく物もあれば「ガントレット」や「レイズサーベル」といった初見ではまず気付かないような装備品も多い。一応、「ガントレット」から魔法が発動できるというのは『Wizardry』のパロディと思われるが、一般的な武具名でもあるため、これを手掛かりに気付いたなどという人はほぼいないだろう。 また、「魔法効果の装備がある」こと自体もほぼノーヒント。本作は「装備品が戦闘中にアイテムとして使える」仕様のため、カンの良い人は気付く可能性があるが、本当に気付かない人はそんなことには全く気付かないままゲームを終えてしまう可能性も高い。 魔法使いには装備の枠を割かずに多数の魔法を所持できること、移動中にも魔法が使えること、アイテムでは再現できない魔法もあることなどが活路として残る。MP制限と購入費用の壁は高いが…。 独特なセーブシステム 宿屋に泊まると強制的にセーブされ、セーブせずに宿泊する事はできない。宿泊の際にセーブする事は通知され、そこで宿泊をキャンセルする事はできる。 当時のFCではセーブ機能自体が珍しいものであり、セーブの意味を知らない人でもノーセーブで進めてしまう事のないように設計されている。『II』以降やリメイク版では任意セーブになった。 フィールド上で寝袋・テント・コテージを使った際に任意セーブができる。回復だけしてセーブしない事も可能。 問題点 システム面 セーブ可能なデータは1個のみ。 せっかくパーティー編成や育成・探索の自由度が高いにもかかわらず、データが一つきりしか残せないため他のパターンを模索しづらい。 加えて初期のバッテリーバックアップ機能ということでデータが消えやすいため、1個しかデータ保持できないのはそのことに関しても難点である。 ちなみに本作と発売予定時期が同じだったライバルソフト『ドラゴンクエストIII』のセーブ個数は3つである。 電源投入の時点でメッセージ表示速度がデフォルトで最も遅い設定になっている上に、ゲーム中の変更は不可。コンティニューするたびに変更する必要がある。 戦闘中のメッセージ速度に影響するが、ボタンを押しても送ることが出来ない。速度変更に気付かないと非常にテンポの悪いゲームに思えてしまう。 街での会話などのウインドウ開閉も遅い。2作目からはある程度改善。シリーズが進むにつれて瞬時に開く様になる。 戦闘のコマンドが紛らわしい。 「もちもの」といえば普通はポーションや毒消しなどの所持アイテムを想像するだろうが、本作の「もちもの」コマンドは装備品を指す。 その上、選択肢としては武具が表示されるにもかかわらず、戦闘中の持ち替えを想定したコマンドでもない(*3)。武具に込められた魔法効果を引き出すためのものである。 ポーション・毒消しは「くすり」コマンドから使う。ただし、このコマンドではそれら以外のアイテムを使えないため、中盤以降はほぼ無意味となる。 一部の設定ミス・バグ プレイヤーに不利なもの 対象の攻撃力や命中率を高める「ストライ」「セーバー」が効果無し。 敵の回避率を下げる「シェイプ」系の魔法が設定ミスで「敵の回避率を上げる」というマイナス効果に反転している。 耐性を打ち消す「デスペル」は、モンスターが使った場合のみ機能する。味方がモンスターに対して唱えても何の効果もない。 モンク(スーパーモンク)はレベルが上がるたびに、防具の有無に関わらず防御力が無装備相当になる。詳細を述べると、モンク(及びスーパーモンク)は防具を装備していない状態だと、レベルの値がそのまま防御力になる。防具を1つでも装備している場合は防具の防御力のみによって決まる仕様。それ故に、やりこみの域の高レベル帯を除けば、大抵の場合は防具装備時の本来の値より低くなってしまう。もっとも、防具メニューを開くことで再計算されて元に戻るため、これに関しては回避可能ではある。 「知性」のパラメータが無意味。ただし、本来はどういう効果があったのかは説明書を読んでも不明であるため、これに関してはバグではなく本当に無意味なパラメータとして設定していたのかもしれないが。 コテージを使用してセーブし、電源を切ると再開時にMPが回復していない。魔法使用回数が回復した状態でフィールド上でのセーブをしたければ、コテージでMP回復後にもう1回寝袋などを使ってセーブする必要がある。 武器の属性と種族特効が機能していない。 プレイヤーに有利なもの モンスターに弱点属性がある場合、物理攻撃による追加効果の属性に上書きされる。例えば炎に弱いグール等の麻痺効果は、炎耐性のアイスシールド等で防げる。ほとんどのケースでは上記のように精神属性が炎属性などに上書きされるので、より早い段階から多くの防具で防げるのでプレイヤー有利と言える。 武器のクリティカル率が、本来の値ではなく武器の通し番号に依存する。ごく初期の武器を除くと本来の設定値より大幅に高くなり、(おそらく本来の意図よりも)高いダメージを出しやすい反面、高クリティカル率が売りであるはずの武器の価値が失われている。 「バファイ」等の耐性を付加する魔法は敵側が使っても機能しない。前述の「デスペル(耐性消去)」は逆に敵側が味方に対して使った場合のみ機能することを踏まえると、つまりモンスター側の耐性は戦闘中に変化しないようだ。 その他、特定の階段の昇降を繰り返すことでフリーズの可能性があるバグが存在するが、通常プレイではまず行わない操作であるため、そこまで心配はいらない。 買い物のテンポが悪い。 店ではアイテムを1つずつしか購入できず、おまけに一つ購入するたび複数回の選択が求められる。このため特定の商品を大量購入しようとすると、時間も手間もかかってストレスがたまる。 大量購入したい商品といったらポーションくらいのものではあるが、本作はこのポーションを買えるだけ買い込むことが大前提に近いゲームバランス。頻繁に数十個単位での補充が必要となり、購入処理に煩わされる。 武器は武器屋でしか売れず、防具は防具屋でしか売れない。さらにポーション等の消費アイテムは売却自体が不可能である。 そのジョブで装備できない武具でも買えてしまうので、購入の時点では誰がどれを装備できるのか、全くわからない。 魔法を購入する際、魔法を覚える人を選ぶ⇒魔法を選ぶ⇒習得できない場合、「その魔法は覚えられないようだ」と断られる…という手順になっているのも不便。 装備品の管理がやや不自由。 本作では所持品が「アイテム」「武器」「防具」の三分類に分かれ、それぞれ完全に独立した管理が求められる。 「アイテム」は後発シリーズで一般的にみられる、パーティー共有資産扱いの一括管理。ここにはイベントアイテムと消耗品のみが入る。次作以降と違い、武器や防具はアイテム欄に入らない。 消費アイテムは、それぞれ99個まで所持可能。ただし本作中の消耗品は「ポーション」「毒消し」「金の針」「寝袋」「テント」「コテージ」の6種のみ。 ちなみにアイテム分類枠からは、ポーションと毒消しのみが戦闘中にも使用できる。 「武器」と「防具」は個人管理。どちらも各人それぞれ四個まで持てる。ただ問題は装備するかどうかを問わず、この四枠内でやりくりしなければならないということ。 武器については各人一つしか装備できないので、さほど不自由することもない。一人あたり三つまで予備を持ち歩ける。なお、装備していなければ素手で殴る。 問題は防具で、明らかに枠が不足している。頭・体・腕・盾で四種類まで装備できるが、裏を返すと四種揃えたら、それだけで所持欄がすべて埋まってしまう。フル装備状態のキャラは新たな装備を手に入れた時、いちいち別の仲間に預けた上で交換するか、あるいは一つを捨てるか売るかしなければならない。 ちなみに武器・防具とも、装備できないものでも持ち歩くことはできる。装備は更に装備欄の中で個別に行う。武器を四つ持っているけど装備はせずに素手のままとか、防具を四つ持っているけど身につけずに裸、なんて状態も維持可能。この仕様には利点もいくつかあるのだが、分かりにくいという意味からは、ささやかながら難点の一つともなっている。 パーティ全員の武器または防具を一画面で一括表示しつつ、装備や交換をスムーズに行えるインターフェイス自体は優れている。 また、装備画面では、何を装備してもいくつ数値が上がったかは一切わからず、いちいち戻ってステータスを確認しなければならないので面倒。 状態異常への対抗手段が少ない。 序盤から毒を受ける機会が多いにもかかわらず、75ギルもする「毒消し」を使わないと解除できない。宿屋では回復しない。 毒消しの魔法「ポイゾナ」ならMPがある限り何度でも使えるが、なんと4000ギルもする。MP自体も限られる中、元を取れるのはいつになるのか…。 しかも魔法レベル4のため毒が厄介な時期ではあまり使えない。もっとも同ランクの白魔法は他3つが「フィアー」「バコルド」「ボキャル」といずれも使い勝手が微妙なものばかりなのでレベル4のMPは全部これに充てても気にならないが。 また、比較的序盤から麻痺を使うモンスターが大量に出現する。こちらは戦闘後に自然回復するが、戦闘中は一定確率で復帰するまでは一切の行動が不可能になる。 いずれも耐性を付ければ高確率で防げるが、耐性を持った装備は終盤にしか登場しない。それまではレベルを上げて隠しパラメータである魔法防御力を高める以外に、防ぐ手段が存在しない。 さらに中盤以降には打撃の追加効果で『即死』させる「マインドフレイア」という雑魚敵が出現する。それが発動するとメッセージにダメージ表示がなく「いのちをうばわれた……」と出て死亡する。初見では何が起こったか理解できず大抵の人はわけもわからない絶望感に襲われた。 この即死攻撃は防具の即死耐性が通じない。しかも「マインドブラスト(全体を麻痺)」まで使うので、こちらを動けなくしてから即死の可能性がある打撃をジワジワ繰り出してくるという超凶悪コンボとなる。おまけにそのモンスターはサイズが一番小さいクラスで大量に現れる(最大9体)。 ただし先に登場する色違いの「ピスコディーモン」と違い普通に逃亡できるので逃走により戦闘は回避可能。また内部レベルが低めであり、こちらがLv30付近になると自分から逃げるようになる。 上記に比べると、多少脅威では劣るが同時期に即死呪文「デス」をバシバシ使いまくる雑魚敵も出現する。こちらは出現数が少なめなのが救い。 1では戦闘不能の回復手段はレイズ系魔法だけで、しかも戦闘中には使えないため、余計に即死攻撃が恐ろしい。 戦闘で、複数のキャラで同じ敵を攻撃した場合、早い番のキャラで倒してしまうと、他のキャラの攻撃は他の敵に振り替えられず、無駄攻撃で「こうかがなかった」になってしまう。 いわゆるオートターゲットが存在しない。もっともこれ自体は当時のRPGでは珍しいものではない。 回復しない状態異常にかかると戦闘後に隊列順が変わる。 治療した上でいちいちまた戻すのが面倒。しかも押し出し式でなく、先頭がかかるとなぜか4人目と入れ替わる。最後尾のキャラが最前列になってしまうため、戻し忘れて再び戦闘に入るとエラい目に遭うことに。 いくつかの宝箱は中身を共有していて、特定の場所の宝箱を開けると別の宝箱の中身がカラになる。 中身は同じためどこの場所を開けようとプレイヤーに損はないのだが、この仕様について全く説明がない。 中には扉が封印されていて、カギ入手後でないと開けられない部屋もあるのだが、いざ開けてみると、宝箱の中身は安いギルだったり店でも買えるアイテムだったりすることがある。それらはわざわざ封印した部屋に置くには見合わない。 宝箱は開封しても見た目が変わらないので、ダンジョンを複数回に分けて探索する場合は記憶やメモが必要。 上述の中身を共有している宝箱はかなり紛らわしい。 ある程度進むと武器も防具も買う必要が無くなる。 ダンジョンの宝箱で武器も防具もラストまで順々に賄えてしまう。探索の褒美としては良いかもしれないが、買い物が中盤以降は殆ど魔法とポーションだけとなる。 戦闘時のBGMは1曲のみ。 さらにはザコからラスボスまで一貫して同じBGMであるため、ボス戦やラスボス戦でも緊迫感や盛り上がりに欠けてしまう。FC版『ドラクエ』の『I』と『II』でもラスボス戦には専用曲が存在し、本作発売時点でも既にRPGでは「ラスボス=ラスボス専用曲が流れる」演出はお約束となっていたため、初見ではラスボスを倒した後にEDが唐突に始まる印象さえあった。 一応MSX2版でも裏技のサウンドテストでラスボス曲らしき未使用曲を聴く事はできる(実際に使用されているわけではないため推測でしかないが)。なお、リメイク版ではさすがに戦闘時のBGMは追加されている。 ゲームバランス面 『FF』シリーズで比較しても、比較的難易度は高め。 『D D』や『Wizardry』を意識してか魔法は1レベルにつき9回までしか使えず、さらにダンジョン内で使用できるMP回復アイテムが存在しない。 また、これら2作のように戦闘を積極的に回避する手段も存在せず、ダンジョン探索では大量のランダムエンカウントを避けられない。ゆえに、「白魔術士がいても結局大量のポーションが必要になる」「黒魔術士のMPがすぐに枯渇しお荷物になる」といった問題が発生する。 一部の敵が強力。 絶対に逃げられなかったり、麻痺付与の物理攻撃で延々と殴ってきたり、強力な全体攻撃魔法を連発してあっという間に全滅に追い込んだり、全体へ麻痺の特殊攻撃→即死効果が付与された物理攻撃の凶悪コンボを行ってきたり…。 おまけに上記に当て嵌まる雑魚敵に限って、小型で複数体出るケースが多い。大量出現時に先手を取られると悲惨な事になる事もしばしば。 終盤は魔法アイテムや強力な武具でゴリ押しが効く、というよりも、ゴリ押ししなければやってられない難度となってくる。 他社製品からの流用問題 かなり多数(というよりほぼ全て)のモンスターの能力設定とデザイン、アイテム、システムの根幹部分がテーブルトークRPGの有名作『ダンジョンズ ドラゴンズ(D D)』『アドバンスト・ダンジョンズ ドラゴンズ(AD D)』(*4)からの模倣となっている。 しかし、発売当初は全てオリジナルと発言するなど、著作権などの扱いが緩かった時代の作品ならではの現象ではある。 大半のモンスターは「D D」の名称がそのまま用いられている。当時の日本では馴染みの薄いものも多く、能力や弱点をイメージしづらかった。 特に有名なのはビホルダーで、その特徴的なデザインと能力から他の作品でも引用が激しかったうえに、漫画『BASTARD!』の「鈴木土下座ェ門事件(*5)」で有名になったためか特に問題視された。そしてFC版『I&II』以降は、本作でもビホルダーのみ名前とグラフィックが変更されている。 ただし「ビホルダー」とは「見つめる者」と言う意味の一般名詞でしかないので、名前だけの使用なら問題はなく、続編でも全く姿形の違う「ビホルダー」が登場している(*6)。 なお近年のリメイク作でさえビホルダー以外はそのまま。ビホルダーだけが問題なわけではないのだが…。 一方で海外移植版での英語表記に関しては、ビホルダー以外の危険そうな名前もこっそり変更されていたりする。見た目は変わっていないのだが、名前が違えば言い訳としては立つのだろう。 「体防具扱いの腕輪」「ドラゴン全般に特効するウィルム(翼竜)キラー」「使うとレイズではなくクラウダが発動するレイズサーベル」などもこれらの元ネタを再現したものである。非常に紛らわしい。 こういった要因により、大きな声では言えないが、一部には、本作のことを「D Dを再現したコンピュータRPGとしての傑作」として、『Wizardry』に並ぶか次ぐなどと評価する声もある。 クラス格差 クラスの能力格差がかなり激しいうえ、別クラスには転職できないため、初期編成が攻略難易度に直結する。前述のようにセーブデータは1つだけなので、複数のデータで特性を試しながら使い分けることもできない。 とはいえ「シーフ×4」や「黒魔術士×4」といった極端すぎる編成でもなければ普通にクリアは可能であるし、最強武器「マサムネ」が全クラス装備可能であったりといった救済措置も存在する。普通に進めるならば「戦士、(前衛)、白魔、魔術士系」または「戦士、(前衛×2)、赤魔or白魔」あたりが無難な編成か。 FC版の場合、ゲーム開始時のデフォルト設定は「戦士、シーフ、モンク、赤魔術士」となっている。それなりにバランスのとれた編成だが、序盤は赤魔術士を2番手に配置したほうが安定感が増す。 一方でWSC等のリメイク版では「戦士、シーフ、白魔術士、黒魔術士」となっている。使い勝手の悪いシーフと黒魔術士の二人が揃ってしまっているため、このまま始めてしまうとかなり苦労する。最低でもどちらか一人をもう一人の戦士か、赤魔術士と入れ替えたほうがいい。 なお、「テレポ」か「ダテレポ」を使えるジョブを入れておかないとラストダンジョンから帰れなくなってしまうので、全員戦士系といったパーティの場合は大変な事になる。 + 各クラスの使い勝手・簡単な評価など 戦士→ナイト HPの伸びがよく、装備が充実しているため攻守に渡り最後まで活躍が見込める。ナイトにクラスチェンジすると低Lvの白魔法も使えるようになる。 最序盤だけは全員がどんぐりの背比べ状態だが、戦士はそこから真っ先に頭一つ抜けて実力を発揮してくれる。攻撃力だけは終盤以降(リメイク等では中盤より)モンクのチートぶり(後述)に追い抜かれるが、それでも十分に一線級。そして防御面は最後まで優秀で、安心感がある。 序盤は装備品購入のための費用がかさむのが欠点。鉄鎧とブロードソードを揃えるまでは鉄板か? それ以降では宝箱から入手出来る装備で二人分ほどはカバー可能。もっとも、装備すら出来ない他のジョブからすれば贅沢な悩みと言える。 クラスチェンジで装備はさらに充実する。低Lvの白魔法も習得可能になるので「ブリンク」で回避率を上げてさらなる鉄壁化も可能。回復魔法も移動中であればポーションの節約になる。 そもそも防具の都合上、最低でも1人はナイトがいないと最終的にPTメンバーで主要な耐性を揃えることができず、難易度が大きく変わる。 耐久面が最も安定しているため、魔法アイテムを最も活用できるのも結局は本職となる。 ただし戦士は普通に殴っているだけでも強い。他ジョブの仲間がいて欠点を補えるなら、そちらに持たせておいた方がいい。 力や体力は無論のこと幸運の成長率も高く、遅くともLv18になるころには後述の「シーフ並の逃走率」を確保できる。 隠しパラメータである魔法防御力の成長度もモンクに次いで高い。クラスチェンジで鈍ることもなく、ゲーム全般通して状態異常に強いのも頼もしい。 シーフ→忍者 前衛内では恐らく最弱。というのも装備面での貧弱さゆえに戦闘能力は(魔法抜きですら)赤魔を大きく下回る。もちろん魔法も使えない。素早さも高いように見えて、実は他のジョブと変わらない。 特に序盤で活躍出来る要となる「ミスリルソード」は装備不可。赤魔は装備可能であり、一気に水をあけられてしまう。クラスチェンジすると装備可能となるが、この頃になるともっと強い武器が手に入るのでほとんど意味がない。 「アイテムを盗む」「罠を見破る」「宝箱や扉を開錠する」などのシーフらしい特技は一切持っていない。 数少ない強みは「運が良くて逃げやすい」こと…なのだが、実は「幸運が16以上、かつ隊列の二番目まで」であればどのジョブでも高確率で(というか100%確実に)逃げられる。要は他のジョブの幸運が16以上になればこの長所は意味があまりなくなってしまう。 一応シーフはLv2で必ず16になる強みはあるが、防具の貧弱さから三番目以下に下げられてしまうことも多いので、前情報無しの通常プレイではあまり活かせないことが多い。また、逃げられないように設定されている敵からはたとえシーフがいても逃げられない。 忍者にクラスチェンジ後は装備可能品が増加し、低Lvの黒魔法も使えるようになる。攻撃回数を増やす「ヘイスト」が有用なのはもちろん、中位止まりとはいえ任意の属性の全体攻撃魔法を使えるので、味方との連携で殲滅を狙えるのは強み。 しかしクラスチェンジの前後くらいから魔法アイテムが充実しだし、結果的にジョブ間の格差が緩和されるため、この時期になってからテコ入れされても手遅れ感が強い。そして初期ほど辛くはなくなるだけで、やっぱり相対的な評価は低めのまま。 忍者になって装備可能となる武具の中には、「登場時点で装備できていたなら強かっただろうが、今更?」と言いたくなるものも多い。その筆頭例が前述の「ミスリルソード」。 肉弾戦ではナイトに劣り、魔法では赤魔道士に劣る。最終的には両者を足して2で割ったような性能に落ち着く。 モンク→スーパーモンク 序盤は武器も防具もパッとしない。HPも中盤までは決して高いわけではない。ただし「レベルアップに応じて素手時の攻撃力、及び防具を全て外した時の防御力が上昇する」という仕様があるので、終盤では(リメイク等では中盤からは)拳一つで戦士を凌駕するダメージを叩き出すようになる。 極まったモンクはラスボスすら一撃の下に葬り去れる。ただしそこまで達する頃には、モンク抜きでも余裕でゲームを終わらせられるというのが残念なところ。 武器はヌンチャク2種と杖系を装備可能なのだが、これらを装備してしまうと絶対的な破壊力を発揮できずに弱いジョブになってしまう。しかし序盤は素手も弱いので、貧弱なこれらの武器に頼るほかない。素手の特性は説明書には書かれていないために、プレイヤーが気付けなければ地雷ジョブになる事も。 また防御力を高めるために「防具を全て外す」ということは、防具由来の属性耐性を得られなくなることも意味する。 本作では状態異常を回避するのにも属性耐性がかかわり、また終盤ほど防具による耐性の恩恵が大きくなるため、これを活用できないのは痛い。身に着けられる防具は最後まで最弱クラスだが、それでも装備しておくことが推奨されている。 ただし耐性を諦めるなら防具も着なくてよくなるので、開き直って装備はせずに、身に着けられない魔法効果の防具をかき集めるということも可能。またこの場合、仲間の防具スロットの調整役としても働ける。ただし素手の攻撃力と違い、素肌防御は群を抜いて高いわけではないので物理面でもやや危険だが。 最終的には「高HP、単体高威力、高被弾」というピーキーな性能と化す。敵の数の多いFF1ではこの消耗の大きさも難点ではある。 結論として『序盤は弱め、中盤は戦士とトントン、後半で爆発!』といったところ。防御面で不安、終盤はバランスブレイカーすれすれだがそこまで行くと何をやっても余裕…となる点を考えると、「大器晩成」「ロマンを追及する」「貧弱な子がジワジワ強くなる姿を愛でる」やり込みクラスと言える。 なお、モンクのみクラスチェンジのメリットが一切無く、それどころか魔法防御力の成長度が下がるという不可解な仕様がある。 設定ミスなのか意図的な仕様なのかどうかは不明だが、WSC版・PS版でもそのままで、GBA版でようやくクラスチェンジ後の方が魔法防御がより成長するように変更された。 白魔術士→白魔道士 回復の専門家という触れ込みなのだが、肝心の回復魔法があまりあてにならないのがネック。 魔法抜きだと基礎能力は貧弱で、戦力として期待できない。 魔術士系全般に言えることだが、Lvを上げても魔法の使用回数は各Lv毎に9回が限度。おまけに回復魔法の回復量も異様に少ない。白魔がいても結局、大量のポーションを準備しておく必要がある。 とはいえ蘇生魔法「レイズ」をクラスチェンジ前に使えるといった白魔術士のみの強みもあるので、黒魔術士と比べたらはるかにマシとは言える。 厄介なアンデッドを一掃できる「ディア」系統の魔法も、こと序盤から中盤においてかなり活躍する。ただしどういうモンスターが「アンデッド」なのか、作中に一切説明はないのが問題ではある。 回復魔法中では最上級の「ケアルガ」のみ、一発でHPを完全回復でき、おまけに状態異常も治療するため実用レベル。ただし高レベルゆえ使用回数の伸びが悪く、購入可能になるのも遅めで使える機会が限られる。 同じく魔術士系全般に言える事だが、魔法の価格が中盤・後半とどんどんインフレしていき、装備品のコストパフォーマンスも悪いので、実際には戦士よりもはるかに金食い虫である。 黒魔術士→黒魔道士 乏しい魔法使用回数制の被害を最も大きくこうむっている苦難のジョブ。序盤はほんの数回で打ち止めとなる魔法が貴重な命綱、中盤以降もMPの伸びより戦闘回数が増える負担増の方が激しく、魔法の使いどころが難しい。 後半は魔法効果の発動できるアイテムがばら撒かれ、誰でも中級クラスの全体攻撃魔法が使い放題となる。このため黒魔の取り柄は上級魔法くらいとなるが、ゲームが進行するほど敵の魔法回避が高くなり、魔法の効き目が鈍くなるため活用しにくい。 HPが絶望的に低く、最後列へ配置していても、事故的に飛んできた軽い被弾で簡単に沈む。ボスどころか、ザコに殴られ即死することも珍しくない。中盤以降は全体攻撃に晒されることも増えるため、HP・防御力に欠ける黒魔はなおのこと死にやすくなる。 中盤以降は魔法の価格が暴騰し始め、パーティーの財政事情まで圧迫するのも問題点である。 後半戦では大量の雑魚掃除に「フレアー」を撃つ、「ヘイスト」を前衛にかけて支援するくらいしか活躍の場がない。ただし「ヘイスト」は忍者と赤魔も使える。そして彼らと違い魔法使用回数が無くなると途端にお荷物と化す。 「知性」のパラメータが非常に高いのが特徴だが、実は本作の知性は何の効果も無い。攻撃魔法の威力は完全に使用した魔法と相手の耐性に依存しており、同じ魔法なら他のジョブがアイテム使用で発動させた場合も効果は全く変わらない。 一応、序盤から中盤におけるピンポイントの切り札としてならば黒魔術士にも活路はある。序盤の攻撃魔法はそこそこ頼りになるし、全体攻撃魔法が早いうちから扱えるのも便利。中盤以降に期待されるのは、ほとんど「ヘイスト」役となってしまうが。 また、強力な魔法アイテムを装備欄を圧迫することなく持てるのは黒魔術士のみである。 赤魔術士→赤魔道士 「白魔法と黒魔法を両方使えるが、中には使えない魔法もある」という触れ込みなのだが…。実は魔法ばかりでなく、物理面もかなりのハイスペックという優遇クラス。 特にクラスチェンジ前においては、戦士に次ぐ防御力を誇る堂々の前衛クラスである。攻撃力もシーフやモンクより高い。 さすがに中盤以降は専門クラスに追いつかれ、やがて抜かれる。 魔法を使わなくても普段は打撃でそこそこ戦える。こと前半は物理面でもシーフやモンクより強く、戦士に準ずる優秀な戦力となる。その上で必要に応じ魔法も使えるのだから超強力。 黒魔術士と同様、かなり早めの時点から、全体攻撃魔法で敵を一掃可能となる点も魅力の一つ。使用回数こそやや劣るが、いざというとき用の切り札や、金稼ぎの効率を高めるための手段としてならさほど問題ない。 また白魔道士や黒魔道士より魔法使用回数が少ないと言っても、そもそも彼らでさえ前述した通り使用回数は9回で頭打ちなので、さほど気にならない。 一方でレベル8の魔法は一切覚えられない(何故か使用回数はレベルに伴い増加する)。レベル7の魔法も「ブリザガ」「バマジク」を除いては覚えられないため、魔法欄に空欄が出来てしまう。 しかしながら、全体攻撃魔法・テレポ系・蘇生魔法のレイズと、クリアするために最低限必要な魔法はすべて揃っているため、一人いれば攻略上はぐっと楽になる。 弱点は魔法も武器も防具も揃えなくてはならないためトップクラスの金食い虫であることと、HPが黒魔の次に低いこと。後半に入ってからは装備可能な防具が他の魔法使いと大差なくなることも重なり、耐久面に不安が出てくる。 とはいえ、中盤までは戦士のお下がり装備がそのまま流用出来る事も多く、一人居ればPTの戦力が一回り上がるお手軽感は非常に便利。ジョブ間の戦力差が際立つ難所は前半に集中しているため、この時期を支えてくれる赤魔は極めて頼もしい。 総評 前年発売された『ドラゴンクエスト』に端を発するRPGブームの中で制作された作品ではあるが、『ドラクエ』の模倣に終始せず様々な実験的な試みが盛り込まれているため、趣きは大きく異なる。「RPGブームを作ったドラクエの後を追う形で発売された」という意味ではドラクエフォロワーと言えるが、実際のところは様々な要素を『ダンジョンズ ドラゴンズ』シリーズから取り入れているため、言ってみれば「D Dフォロワー」に近い。 シリーズ初作ゆえにいろいろと粗も目立つが、多作品の模倣には賛否はあれど様々な意欲的かつ大胆な新機軸を取り入れた結果、単なる亜流作品に留まらない独自のカラーを第1作目にして確立し、後のシリーズの礎を作り上げたことは特筆すべき点であろう。 余談 先述の「マヒした」→「いのちをうばわれた……」の超凶悪コンボは、全体マヒ技の名前が「ブラスター」になっただけで次作でも引き継がれる。 ただ「そのモンスターはだいぶ終盤にならないと出ない」「出現数も少なくなり最大で6体(タフさでは増しているのであまり意味はないかも知れないが)」「魔法防御をとことん鍛えまくることで対処可能」と、その脅威はだいぶ軽減されている。 また同名の「マインドブラスト」は『III』で復活するが、それの使い手はボス1体のみで、死の追加効果も持っていないのでそれほど脅威ではない。また一応こちらも多少運に左右されるが使用可能。一方で「ブラスター」は『IV』で再度復活した際、そのものに即死効果が加わり「マヒまたは即死(*7)」となった。何故か「打撃追加効果での死」の要素が混じった形になった。 本作の白魔法「デスペル」は本来の意味は「デ スペル」であって「デス ペル」ではないのだが当時のRPGの代表格『ドラゴンクエストシリーズ』では、下位の名前に何かを付加するのが恒例だったことで説明書のない中古購入者などは黒魔法「デス」の強化版という誤解した人もいた。 『II』でも存在するため同様のケースで同様の誤解を生じさせたことがあった。 文字数の有効範囲が広がった『IV』で「ディスペル」と誤解のない名前になった。 『III』では似た位置付けの魔法は黒魔法として「イレース」がある。 当時としては画期的な要素を多く取り込んだ意欲作ではあったが、発売前はあまり評判になっていなかった。 ドラクエとはまた異なる幻想的かつリアルなファンタジー世界がパソコンマニア層のRPGファンをひきつけたことで徐々に知名度と売り上げを伸ばしていったという。 週刊少年ジャンプの当時のゲームコーナー「ファミコン神拳」におけるレビューではかなりの低評価であったが、発売後にその際の記述がおかしいとして問題視された。 ちなみにコーナー担当の1人が堀井雄二であったため、ライバル的存在への攻撃と目された。ファミコン神拳によるこきおろしは続編でも展開されるが、ファミコン神拳の後継企画である『芸魔団』では新作情報(『V』『VI』)を取り上げたり開発陣へインタビューしたりと、ファイナルファンタジーシリーズへの歩み寄りを見せている。 後に「日本初のネガキャン」と揶揄される程の酷さで、ジャンプ以外でもコーナー担当者達はファイナルファンタジーをこき下ろす批評をおこなっている。 特にキム皇に関しては、他紙ファミリーコンピュータマガジンですら『II』までこき下ろしで、しかも、このゲームカタログに書かれている様な問題点を掲げずに「嫌い」という一点でのレビューはかなりの不評であった。 『ドラクエIII』の発売延期に救われたタイトルとしても有名。 あちらの当初の発売予定とほぼ同時期に重なっていたため、『ドラクエ』側が延期しなかったなら『FF』は本当に幻想のまま隠れた名作として終わっていたかもしれない。実際にはあちらが延期してくれたおかげで、RPGというジャンルへ興味を示した一部のマニアを余分に呼び込む結果となった。 クリスマス直前という絶好の商機を、同ジャンル最大のライバル抜き、かつ話題性だけは急騰中という好条件で迎えられたことも大きい。結果として『FF』は日本が世界に誇るRPGシリーズとなった。 この頃のスクウェアは経営が非常に苦しく倒産寸前の状態で、「本作がヒットしなかったら会社を畳む」という話が出ていたほどだったという。まさに『ファイナルファンタジー』というタイトルにふさわしく土壇場でスクウェアを救ったソフトと言えよう。 ただし、製作者の坂口氏は「会社が当時苦しかったのは事実だが、Fで始まる単語ならなんでもよかった」と命名に直接関連はないとして否定するコメントを出している。 命名を「最後の夢を託すー」としたにしては、音楽以外が外注多めである。 「デスマシーン」というレアモンスターが存在する。 エンカウントは終盤のダンジョンの短い一本道のみ、しかも電源を入れてから100回以上戦闘しないと遭遇すら出来ないが、その強さはそのダンジョンのボス以上で、運悪く先制攻撃を仕掛けられたら一瞬で壊滅状態になることも。 『魔界塔士Sa・Ga』及び『Sa・Ga2 秘宝伝説』では全く同名で容姿も類似したボスキャラが登場している。 船で上陸できるのは本来なら港に限られるが、船とカヌーを所持していてかつ川と海が繋がっている箇所ならば、海上の船から川のカヌーに直接乗り移って移動できる。つまり河口が港の代わりになる。 バグのようにも見えるがストーリー進行が破綻する箇所はなく、そもそも説明書の乗り物紹介にも河口からカヌーに乗って移動している写真が使われているのでれっきとした仕様である模様。後の移植版でも再現されている。 『Sa・Ga』2作も後述の版権問題となった上記の「ビホルダー」が「ビホールダー」と呼称が若干違うだけで登場しているため影響を受けている。 本作では「ビホルダー」が「イビルアイ」で、「デスビホルダー」が「デスアイ」だが『Sa・Ga』では「イビルアイ」は「イーブルアイ」と呼称が微妙に違う形で既存だったため「ビホールダー」が「デスアイ」となった。 『III』以降の後年作品ではいずれも「飛空艇」で呼称が統一されているが、実は本作と次作の時点では「飛空船」であった。 ただ本作の攻略書籍では一部「飛空艇」表記が使われているものもある。 また上記飛空船入手に必要なアイテム「浮遊石」に関しても、前年公開されたスタジオジブリのアニメ映画『天空の城ラピュタ』でヒロインのシータが持っていた「飛行石」と似たようなニュアンスとして被っていることもあり、これに関してもごっちゃにした名称を誤認されがち。 実際『ラピュタ』でも、似たような空飛ぶプロペラ船が登場する(もっともこれは『ラピュタ』に限らず宮崎アニメ全般に言えること)。 移植 2000年代に入ってから多くの機種に移植されるようになったが、同時代の他機種移植はMSX2版(1989年12月22日発売)だけである。 しかもスクウェア自身の手による移植ではなく、他社(マイクロキャビン)によるものであった。 なお、オリジナル版(厳密には下にも書く通り『I・II』版)はWii/WiiU/3DSのバーチャルコンソールで、PSリメイク版はPS3/PSPのゲームアーカイブスで配信されてもいる。 MSX2版 1989年12月22日発売。サウンドはFM音源対応で強化されたが、スクロールが劣化していたりROMカセットでなかったりのため、ゲームとしてやり辛いモノに。 ゲームを起動するとウィンドウのベースカラー(最初のメッセージの背景色)が何故か水色。同時発色数がファミコンより多めなのでBGキャラクタパターンがアレンジされ綺麗になっている。 一方でスクロールはガクガク(*8)であり、戦闘ごとに長いディスクアクセスのある仕様(ファンファーレを鳴らすのにもアクセスあり)で快適とは言いがたいものだった。 セーブ用に空きディスクを1枚使う。これについてはディスクの所持数が許す限りバックアップ用や別パーティー用にセーブデータを増やせる利点になったが、1枚に複数セーブは出来ない。 モンクの性質が全く異なる。素手の攻撃力が成長しない代わりに武器装備時でも攻撃回数が倍増する。装備制限は同様なので、序盤と最終盤に特化した癖の強いジョブに。 FC版『ファイナルファンタジーI・II』 1994年2月27日発売。ニューファミコンに合わせて発売された、FC版I・IIを1本のソフトに収めたカップリング作品。簡易的な攻略本も付属。 同時期にSFCリメイク版『ドラゴンクエストI・II』が発売されていたこともあり、本作もそのタイトルからリメイクと勘違いされることもあったが、実際はバンドルにした復刻版である。 タイトル画面で両タイトルを選択する方式で、内容はオリジナルであるFC版から基本的に変わらないものの、Iは諸事情(版権問題)によりビホルダーとデスビホルダーのグラフィックのみが差し替えられた。ゲーム中のモンスター名は変わっていないが、ソフト付属の攻略本では名前も変わっている。 余談だが『II』のほうでもオープニングの脱字が修正されている。バグは修正されていないが、付属の攻略本で注意を促している。 バーチャルコンソール版はこちらの移植が準拠となっている。 既存作のカップリング版ながらテレビでのCMも行われた。ただしゲーム画面は一切出てこないものだった。また、これは全てのファミコンソフトで最後のCMとなった。 WSC版 2000年12月9日発売。『FF』初のリメイクである。グラフィックは完全に描き直され、より遊びやすい仕様に変更されている。WSCのキラータイトルとなった。 詳しくは本項内で後述。 PS版 2002年10月31日発売。前述のように一部の仕様はFC版に逆戻りしている。 WSC版をベースにグラフィックやBGMを強化。オープニングムービーやモンスター図鑑、ギャラリーモードも追加された。 メモファイルによるクイックセーブ&ロードに対応。移動中ならどこでもセーブでき、電源を落とさない限り何度でもロードできるので難易度は低下。 レベルアップが早く魔法の使用回数が大幅に増えたイージーモードも搭載。 ケータイアプリ(imode・EZアプリ)版 2004年3月1日発売。同じくWSC版がベースだが、グラフィックやBGMは一部FC版のものを流用している。 GBA版『ファイナルファンタジーI・II アドバンス』 2004年7月29日発売。テキストやゲームシステムに大きく手が加えられ、オリジナルとはかなり異なる内容になっている。以降のリメイクは基本的にこちらに準拠している。 詳しくは個別項目を参照。 PSP版 2007年4月19日発売。上記GBA版がベース+追加要素。 詳しくは個別項目を参照。 iPhone / iPod touch版 上記PSP版とほぼ同一の内容。 Android版 システムやゲームバランスはPSP版がベースだが、追加ダンジョンなどがオミットされている。 3DS版 2015年1月21日発売。3DSの立体視表示に合わせてグラフィックが若干作り直されている程度で、基本的にはPSP版とほぼ同様。 『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』(パッケージ版)の早期購入特典として無料で先行配信された後、単体で1,100円(税10%込)で販売されている。 ピクセルリマスター版(Steam/iOS/Android) 2021年7月29日発売。 詳しくは個別項目を参照。 その他 本作が発売されてから年月がかかり、コミック版が発売されたり、ゲームブック版が発売されたりした。 コミック ゲームのストーリーをベースに予め用意されたオリジナルキャラクター「パフィ・トルテ」という女性戦士を主人公としたコミック版。作者は海明寺裕。原作では非戦闘NPCのマトーヤが最初から仲間にいる上、セーラやビッケ、さらにはバハムートまでもがパーティーメンバーに加入するなどのオリジナル要素が満載。 ゲームブック 双葉社刊『ファミコン冒険ブック ファイナルファンタジー 勇者に光あれ!』と剄文社刊『アドベンチャーヒーローブックス ファイナルファンタジー クリスタル継承伝説』の2冊が出ている。 双葉社版 冒険の舞台は本作の大陸が湖、海が陸地になっている水陸が入れ替わった別世界。主人公はトーイ(戦士)、ロム(シーフ)、マレク(モンク)、ギア(赤魔術士)の4人。エンディングで役目を終えたクリスタルの光が消え、倒すべき闇が別の世界へ逃げ去った事、本作のOPで流れる光の戦士の言い伝えの一説が語られるなど本作への繋がりを想起させるストーリーとなっている。 剄文社版 本作の約200年前、オンラクの海底神殿で目覚めた水のカオスクラーケンを倒すため、謎の少女ティアに導かれ水のクリスタルを捜す旅に出た少年アレフが主人公。エンディングでクラーケンを深手を負わせ一時の平和を取り戻すが、完全に倒す事は出来ず、後世に水のクリスタルを受け継いでいくという本作へ続く内容になっている。 その後の展開 2021年6月に『NINJA GAIDEN』や『仁王』で知られるTeam NINJAとスクウェア・エニックスが共同開発するアクションRPG『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』が発表された。 同作には「光の戦士」や「カオス」と言ったワードやタイトルの「ORIGIN (起源)」等、シリーズ第1作である本作を連想させる要素がある。対応機種はPS5/XSX/PS4/One/Winで、2022年の発売が予定されている。 ファイナルファンタジー (WSC版) 【ふぁいなるふぁんたじー】 対応機種 ワンダースワンカラー 発売 スクウェア 開発元 KAN NAVI 発売日 2000年12月9日 定価 4,800円(税別) プレイ人数 1人 セーブデータ 8個(バッテリーバックアップ) 備考 WSC同梱版 2000年12月9日/9,999円(税別) 判定 良作 ポイント FF初のリメイク作品ワンダースワンのキラータイトル 概要(WSC) 『ファイナルファンタジー』のワンダースワンカラーによるリメイク。 当時、『FF』シリーズは既に『ドラクエシリーズ』と並ぶ大作シリーズであったが、ドラクエシリーズでは原点となる『I・II』がSFCでリメイクされていたために触れやすかったのに対し、『FF』シリーズで『I』を遊ぶにはFC版のオリジナル、またはカップリング移植の『I・II』をプレイするしかなかった。 これはスクウェアの「作品をリメイクするぐらいならば、そのリソースを使って新作を作った方がよい」という方針(*9)により、リメイクそのものに消極的だったためであるが、2000年に入るとFC(及びニューファミコン)は完全に旧式のハードとなってしまい、プレイするハードルが高くなっていた。 そんな中、新たに発売された携帯機のワンダースワンカラーにて『ファイナルファンタジー』『II』『III』のリメイクが発表され、『I』から順に発売される事となった。 それまでの移植とは異なり、シリーズで初めて大々的なリメイクを行ったものであり、グラフィックをはじめ、ゲームバランスやインターフェースがSFCシリーズ(『IV』~『V』付近)に近い物へと改良されている。 特徴(WSC) グラフィックを刷新 グラフィック全般を刷新。各ジョブのグラフィックはオリジナル版ではなく、現行のシリーズにおけるイメージに沿った物へと描きかえられている。 たとえばFC版の「シーフ」は水色の髪をした厳つい雰囲気の男で、後に『II』のガイへと流用されているが、WSC版ではバンダナを巻いた身軽そうな若者風で、『V』のシーフ(バッツ)に近い姿になっている。 上級職になった際も頭身が上がるのではなく、服装や外見が大きく変わるようになった。ゴリマッチョなFC版のグラを懐かしむプレイヤーもいるとか…。 モンスターのグラフィックも描きなおされており、概ねは原作の構図と同じだが、中ボスのアストスが雑魚敵のダークエルフの色違いではなく、巨大なボスとして描かれている等の違いがある。 特にエレメントカオス等の巨大ボスは面影を残しつつも、より詳細に迫力のあるドット絵に描きなおされている。 BGMの追加 イベントシーンのBGMや教会BGMなど新規BGMが追加。ボス戦BGMは全てFC版戦闘BGMのアレンジで4曲追加されている。 後のPS版以降のリメイク作品ではBGMにイントロが加わるといった大きくアレンジが施されたが、本作のBGMは譜面的にはFC版に近い物となっている。 インターフェースの改善 素早く移動する「ダッシュ」と、ターゲットが死んだり逃げた際に別の敵を攻撃する「オートターゲット」を実装。 オリジナルでは効果がなかった、戦闘中の「レイズ」「アレイズ」「ストナ」「きんのはり」を有効にする事も可能。 上の機能は、使用の可否を任意に切り替えることが可能。オリジナルの仕様に近づけたければ切ることも出来る。 ショップの内部の追加、および仕様の改善。特にアイテムのまとめ買いが出来るようになったのでポーションや毒消しを揃えやすくなった。 また、購入処理のテンポの悪さも解消された。 セーブデータの増加。8つのファイルを自由に選んでセーブが可能。 セーブの手段自体はFC版と同様。宿に泊まるか、フィールド上で宿泊アイテムを使用することにより記録できる。 演出の強化 一部のテキストの変更。 基本的にテキストはFC版に忠実ではあるが、ボス戦前等の重要イベントはテキストが変更されていることが多い。…と、いうのも、FC版はメッセージウィンドウがスクロールしないため、どうしてもセリフを1ウィンドウ内で収める必要があり、駆け足気味でストーリーの背景がつかみにくかった(*10)。これにより、一部のボスが喋るようになったり、より詳細な背景が描かれるようになった。 イベントの強化 コーネリア王に橋を作ってもらうなどのシーン等の追加イベントに加え、ムービー風のイベントシーンが追加された。 リュートを使用すると先頭のキャラが奏でるなど、キャラクターのアニメーションも行われるようになった。 エフェクトの強化 各武器の太刀筋や魔法のエフェクトにも専用のものが用意され、全体的に見栄えが良くなった。 初心者へのフォローの追加 FC版では開始時にイベントを無視していきなり最初のボスであるガーランドに挑む事が出来たが、WSC版ではコーネリアの街に入った時点で入り口に兵士が配置されてコーネリア王の下へ連れていかれるイベントが追加された。 加えてコーネリア王からガーランド討伐を依頼されるまではカオス神殿の扉が通れなくなり、ストーリーが全くわからないまま進むという事が無くなった。 追加された宿の内部マップにはシリーズお馴染みの「初心者の館」に相当する施設があり、システムやモンスターの詳しい解説を聞く事が出来る。 アイテムや装備品等を使用した際の効果がヘルプメッセージで表示されるようになったため、攻略情報なしでも魔法アイテムの存在がわかるようになった。 バランスの調整 装備品が「武器防具をそれぞれ一人4つずつ」という個人管理ではなくなり、共通でかつ無限に所持できるようになった。魔法アイテムを保持しやすくなり、難易度の低下に一役買っている。 覚えた魔法を忘れることが可能になったため、不要な魔法を消して別の魔法を買い直すことができるようになった。 FC版ではバグにより動作していなかった魔法が一部修正され、正常に動作するようになった。 これにより空気魔法だった「ストライ」で攻撃力の底上げを図れるようになり、一気に主力魔法に転じる事になった。 自身の命中率と攻撃力を底上げする「セーバー」も効果が発揮できるようになり、使うとセーバーが発動する「きょじんのこて」もアイテム管理の仕様変更により保持しやすく、「ナイト」等の主力をお手軽に底上げする事が可能。本来の使用者である黒魔道士ではやっぱり使わない魔法だが… また、FC版では効果が全く無かった「シェイプ」は正常に敵単体の回避率を下げるようになった。一方でバグにより、敵全体の回避率を上げる「シェイラ」には修正が入っておらず、全てのバグが取りきれたわけではない。もっともストライやセーバーと違い、そもそも本作には回避率の高いモンスターがほとんどおらずシェイプ・シェイラ共に使い道が薄いものであったため、重大視されることはなかった(*11)。 一部のモンスターの行動パターンの変更。大量に出現して絶えず全体魔法の「ファイラ」を使う難敵だった「ラクシャーサ」の使用魔法が単体攻撃の「ファイア」に弱体化する等、一部のモンスターの行動パターンが緩和されている。 一部のボスのHPが増加。 FC版に比べ、HPが倍増しているためにボスの手ごわさが増した。それでもスーパーモンクの一撃で沈む点はあまり変わっていないが。 クリティカル率や属性にまつわる一部のバグや設定ミスがきちんと修正されている。 「シャープソード」は能力が低い代わりにクリティカル率が高いという設定だったため、これで初めて光を見た。後の移植版では、(おそらく意図的に)FC版と同様の設定に戻されてしまいガッカリ武器に舞い戻っていたが、ピクセルリマスター版では再び正しく設定されている。 ただし、この修正により、ほとんどの武器のクリティカル率はFC版と比べて低下し、しかも後半の武器ほど低下幅は大きくなってしまっている。この修正で強化されたのはほぼ「レイピア」と「ヌンチャク」だけと言っていい。クリティカルヒットは防御力無視の追加ダメージなので、敵の防御力が高くなる後半ほど重要度は高くなるのだが、この修正のせいで目に見えて中盤以降の武器火力は低下してしまっている。終盤の武器で言えばエクスカリバーは約8分の1、マサムネでも約4分の1の発生率に…。 逃走判定の計算式の仕様変更。 「隊列の1番目か2番目のキャラの幸運が16以上あれば(逃げられる敵構成であれば)100%確実に逃走可能」であったFC版と異なり、確実に逃走可能な手段はなくなってしまったものの、17以上の幸運の数値や3番目&4番目のキャラの幸運にもちゃんと意味が出てきた他、FC版で完全なる死にステータスであった知性が逃走率に関係するように。これにより、黒魔の無意味に高かった知性にも(他ステータスに比べると有用性の低さは否めないものの)一応意味が出てきた。 その他の変更点 ビホルダーとデスビホルダーの完全差し替え 版権的に問題があった2体だが、本作では「イビルアイ」「デスアイ」に改称され、グラフィックも含めて完全に差し替えられた。 15パズルのクリアタイムが記録され、更新するたびに多額の賞金を得られるようになった。 毒を受けた際などに順番が強制変更されるような事は無くなり、煩雑さが改善されている。 評価点(WSC) オリジナルを尊重しつつも非常に快適。 様々な改善によってプレイしやすくなったものの、必要以上に易しくはなっておらずにFC版譲りの骨太なバランスを楽しむ事が出来る。 バグや設定ミスの大半が修正され、それでいて基本的な仕様や設定面は概ねそのまま維持されている。おそらくはこのWSC版が、FC版の本来目指していたバランスに最も近いFF1だろう。 問題点(WSC) 一部のバランスの悪化 一部の敵はFC版よりも強化されており、特に最難関のダンジョンである「氷の洞窟」に登場する「ダークウィザード」の行動パターンが「1ターン目にデス」から「1ターン目にファイガ」に変更されており、凶悪さが増した。FC版ならば一人に対する即死魔法で済んでいたのが、食らったら即全滅級の全体魔法に変更されており、ただでさえ難しい「氷の洞窟」の難易度が跳ね上がった。 もっとも、既にFC版の時点でダークウィザードは2ターン目にファイガと同じく強力な全体攻撃魔法であるサンガーを使ってくる非常に危険な敵であったため、正直なところそこまで大きく変わりはないのだが。 ランダムエンカウントの確率が全体的に引き上げられた。これは以降のリメイク版にも引き継がれている。 FC版の歩数エンカウントが廃止され、完全なランダムエンカウントになった。しかもそのエンカウント率がFC版と比較して顕著に高く、エンカウントしない最低保障歩数も一切存在していないため、数歩歩くだけで次のエンカウントが発生するなんて事態が起こるようになってしまっている。 更に原作では敵パーティのエンカウントパターンもマップによって固定であったため、上級テクニックではあるが危険な敵を意図的に回避して攻略することも可能な仕様だったのだが、こちらも修正されて完全にランダムになっている。 前述したボスのHP倍増により味方側にも耐久力が求められ、結果としてジョブ格差がさらに広がってしまった。特に選択肢の限られる序盤において顕著である。 逃走判定において「幸運」パラメータの比重が減り、「敵から逃げやすい」というシーフ本来の特性がほとんど実感できなくなった。 ただし、比重が減ったとはいえ逃走判定には今までと変わらず幸運も関係している他、幸運が16以上に達すれば別にシーフでなくともよかった幸運にちゃんと意味も出てきていると、一概に悪い事ばかりではないのだが。 回復アイテム「ポーション」のメニュー画面での使用時の回復量がFC版の固定30から16~32に変更されており、期待値にして2割ほど減少してしまっている。長期戦になるダンジョン攻略ではかなり響く。 魔法アイテムが持ち放題になったことで、白魔道士と黒魔道士の立場がより悪くなってしまっている。 上記のエンカウント率上昇やボスのHP上昇、クリティカルバグ修正に伴う火力の低下により、システムに慣れたプレイヤーからすると全体的な難易度はFC版よりやや高い。 良くも悪くも忠実な点 魔法の使用回数の最大は9のままであったり、シーフの弱さも据え置き(それどころか、前述のように変更点の多くが結果としてシーフに対して不利に働いている)であったり。追加シナリオや周回プレイ等のおまけ要素も、特に追加はされていない。 内容面がFC版ほぼ据え置きのままで、なまじ操作性が快適になったため、WSC時代のゲームとしてはボリューム不足が感じられる。初見であっても、よほど苦しい編成にしない限り、30時間前後くらいでクリアできる。 本作に慣れたプレイヤーなら、レベルを最大まで育てるようなプレイをしても十数時間で攻略しきれる。 個性的なメッセージの削除 アイテムや魔法を使用する際の「どくだなんてかっこわるいですよ!」「げげっしんでしまった!」といった妙なテンションのナレーションが悉くシリアスなものに差し替えられてしまった。 店のメッセージもウィンドウの仕様が変わった事により変更された。オリジナルと同じく軽いメッセージではあるが、簡素なものとなっている。 おもしろいメッセージだったために差し替えられた事を惜しむユーザーが多数いた。一応、噴水や井戸等を調べた時のメッセージなどは変更されていないため、名残はある。 総評(WSC) 待ち望まれていた原点のリメイクであり、クオリティも高く、また久々の2Dドット絵のFFシリーズでもあった事もあいまってこぞって売れた。 結果的にワンダースワンカラーの最高売り上げを記録し、見事にハードのキラータイトルとなった。 余談(WSC) 本作の成功から、ワンダースワンカラーには過去の作品のカラーリメイクが数多く発売されるようになった。 スクウェアの作品で言えば『半熟ヒーロー』『魔界塔士Sa・Ga』等、他社作で言えば『聖闘士星矢 黄金伝説編 Perfect Edition』等、多岐にわたる。 PS版や携帯電話(フィーチャーフォン)版は本作がベースであり、以後の『FFI』のリメイクの基礎となった作品でもある。 ただし、後にゲームボーイアドバンスで発売された『ファイナルファンタジーI・II アドバンス』は演出やグラフィックこそこれが基準となっているものの、システムが一新されており、メッセージの大規模な改変が行われているためかなり別物となっている。以降GBA版を境に、後の『I』のリメイクは新システムおよび新テキストに準拠しているため、元祖に近いリメイクは実質的にWSC・PS・携帯電話版までとなる。 本作と『II』は無事にワンダースワンカラーにてリメイクが発売されたが、WSCの不振から『III』だけは発売されずに終わり、後にDSで内容が大幅にアレンジされ3Dグラフィック化したリメイクが発売された。 この未発売に終わった『III』は本作と同様にFC版の色を強く残したリメイクであり、3D化とともに主人公たちも個性化されたDSリメイク版とは明らかに異なる。戦闘画面のスクリーンショット等も公開されていた。 ちなみに、WSCには『IV』も移植という形で発売されている。
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クイズ タッチけんさく 虫図鑑DS ~虫をさがそう・しらべよう~ 【くいずあんどたっちけんさく むしずかんでぃーえす むしをさがそう しらべよう】 ジャンル 検索型虫図鑑&虫クイズ 対応機種 ニンテンドーDS メディア 512MbitDSカード 発売元 スパイク 発売日 2007年7月12日 価格 3,990円(税5%込) プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント 800超の虫情報を収録したデータベースソフト害虫の苦手な人要注意余計なアンロックの押し付け 概要 主なルール・モード 評価点 問題点 総評 概要 昆虫館「群馬県立ぐんま昆虫の森」の園長である矢島稔氏による監修による、総計886種類もの虫(非昆虫も含む)の情報を収録したデータベースソフト。 メインはデータベース鑑賞だが、おまけとして約3,000問のクイズと4種類のミニゲームもプレイできる。 オートセーブ方式。 主なルール・モード 虫ずかん 886種類の虫情報を写真付きで鑑賞できる、本作におけるメインモード。 以下の10種類の分類から鑑賞したい虫を選べる。なお、「外国の虫」に関しては特定条件を満たさないと鑑賞できない。 「トンボ系」「バッタ・カマキリ系」「セミ・カメムシ系」「カブトムシ・クワガタムシ系」「アブ・ハエ系」「チョウ・ガ系」「ハチ・アリ系」「クモ・ムカデ系」「その他系」「外国の虫」 虫によっては鳴き声を聴く事もできる。 虫情報以外にも以下の項目が用意されている。 「飼いかた」…虫の飼い方が示されている情報。 「豆ちしき」…虫に関するトリビアが示されている情報。この項目は特定条件を満たさないと鑑賞できない。 「用語辞典」…一般的にはあまり聞き慣れないと思われる、虫に関する専門用語が示されている情報。 「全部見る」…上記の虫情報を一括ですべて鑑賞できる。 虫けんさく 検索により鑑賞したい虫情報を鑑賞できるモード。 検索方法は「いろいろけんさく」「なまえけんさく」「なかまけんさく」の3通り。 虫クイズ 虫に関するクイズがプレイできるモード。 ゲーム開始時は「かんたん虫クイズ」と「しゅるい別クイズ」から選択できる。特定条件を満たせばさらに特別なクイズが選択可能となる。 「かんたん」「しゅるい」における問題は各10問構成。解答方式は四択選択や文字入力など様々である。 クイズが終了すると結果によって成績ランクが表示される。 出題された問題を誤解答すると正解が表示される他、クイズ終了後に出題された問題を復習できる。 ミニゲーム 4種類の虫を使ったミニゲームがプレイできるモード。 ミニゲームの内容は以下の通り。 「だんご虫ころがし」…タッチペンでダンゴムシを転がして穴に入れていくゴルフ風ゲーム。 「てんとう虫みつけた」…上画面に表示されたテントウムシと同じものを、下画面から探していくゲーム。 「ほたるの虫さがし」…ホタルの光を頼りに、画面内に隠れている虫が何かを当てていくゲーム。 「虫くいなまえかき」…虫食いクイズが出題されるので、虫食いの箇所を解答していくゲーム。 プロフィール プレイヤーのプロフィールを登録できる。 評価点 虫情報の数はなかなか豊富。 流石に世界中の虫すべてとまではいかないが、800超の虫情報が収録されているのは素晴らしい。 定番の虫はもちろんの事、知名度の低いマイナーな虫までもが余すところなく網羅している。 一部の虫は鳴き声が聴けたり、虫に関するトリビアなどが鑑賞できる項目もなかなか嬉しい。 DSの画像解像度では写真の映りが若干ぼやけている面があるものの、その収録写真数は非常に多い。 かなり遠慮のない範囲で多彩な虫が収録されている。 すなわち、毛虫、ゴキブリ、ムカデといった実害虫、もしくは不快害虫もちゃんと写真付きで収録範囲に入っている。 カブトムシなどの人気昆虫に関しても幼虫の写真込みで紹介されており、そういうの生理的に受け付けない人には相当きつい思いをするかもしれない。 問題点 全体的に難易度の高い虫クイズ。 主にお子様を対象にしていると思われる本作だが、そのクイズ内容は異様にマニアックな問題が中心となっている。 "かんたん虫クイズ"ですらとても「かんたん」とは思えない難易度である。これはレビューサイトでも指摘されている。 とはいえ、問題はいくらでも復習可能なので、記憶していけば各クイズのパーフェクト正解も決して不可能ではないだろう。 本当におまけレベルのミニゲーム。 たった4種類のミニゲームしかなく、そのどれもがお世辞にもボリューミーとは言えない。 地味に熱中できるミニゲームもない事はないが、所詮は子供向けのシンプルなものであり短時間プレイで飽きてしまう。 "だんご虫ころがし"のダンゴムシの絵面が異様にリアルで、上記同様虫耐性のない人にはプレイするのも嫌になるかもしれない。これまたレビューサイトで突っ込まれている。 "虫くいなまえかき"はミニゲームというよりは完全にクイズ寄りのゲームであり、ミニゲーム扱いになっているのが不可解である。 入れる必要がまるでないアンロック解禁仕様。 隠し要素の押し付けにより、ゲーム開始時はすべての情報が鑑賞できない。 そもそも本作は「虫情報を収録したデータベースソフト」であり、通常ならばすべての項目が始めから観覧できて当たり前なはずである。にも拘らず、一部項目は特定条件を満たさなければならない馬鹿げたアンロックがかかっている。しかも、解禁するまでにかなりの手間がかかるとオチまで付く。 同社の『伊東家の裏ワザDS』といい、明らかにプレイ時間を水増しさせてボリューミーに見せかけようとする的外れな措置にしか見えない。 総評 明らかな意図が見え隠れする余計なアンロック要素などの問題はあるが、虫情報のデータベースソフトとしての質は高い部類に入るであろう作品。数々の虫図鑑本情報がDS一台で鑑賞できる事を考えるとその利便性は高いだろう。 ただ、気持ち悪い不快害虫といった類も当然の如く網羅しているので、「人気のある昆虫だけをピックアップ」という臭いものに蓋をした収録網ではない点は注意されたし。
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ガールズ パンツァー ドリームタンクマッチ 【がーるずあんどぱんつぁー どりーむたんくまっち】 ガールズ パンツァー ドリームタンクマッチDX 【がーるずあんどぱんつぁー どりーむたんくまっちでらっくす】 ジャンル 戦車アクション 対応機種 無印 PlayStation 4DX Nintendo Switch 発売元 バンダイナムコエンターテインメント 開発元 ナツメアタリ 発売日 無印 2018年2月22日DX 2019年2月21日 定価 7,600円(税抜) プレイ人数 1〜10人 セーブデータ 1個 レーティング CERO A(全年齢対象)(*1) 判定 良作 ポイント 戦車道、極めました!あらゆるシステム面が大きく進化原作視聴済みのファン向き ガールズ パンツァーシリーズ戦車道、極めます! / ドリームタンクマッチ 概要 ゲームモード システム 評価点 問題点 総評 概要 アニメ『ガールズ パンツァー』のゲーム化作品のひとつで、家庭用機向けとしては『戦車道、極めます!』に続く第2弾となる。 OVA『最終章』の展開を控えたタイミングで発売され、基本的に2015年公開の『劇場版』までの内容をもとにしているが、BC自由学園が登場するなど一部『最終章』の内容も反映している。 無印版が2018年にPS4で発売されたのち、追加要素を収録した『DX』が翌年にSwitchで発売。無印版では有料DLCという形で追加要素が配信された。 ゲームモード 感想戦モード 『劇場版』の後日談として、感想戦を行うという設定で同作を再現したミッションをプレイしていくモード。 各ミッションにつき1話が割り当てられており、ミッションの無い回も含めて全21話構成。各話では、フルボイスのプロローグが流れたのち試合に入る。 ミッションには「相手の殲滅」「特定時間の防衛」などいくつかの種類があり、クリアすると次の話数に進めるようになる。一部を除き、ミッションはその試合を戦った双方の視点から選んでプレイできるが、一つでもクリアすれば次に進める。 ミッションをクリアすると、試合内容に応じてポイントが手に入り、累計獲得ポイントによりプレイヤーレベルが上がっていく。これは他のモードでも同様。 争奪戦モード プレゼントを懸けた雑誌企画の勝ち抜き戦を行うという設定で、5回連続して試合をプレイするモード。最終戦に勝利した際の一枚絵が最終目標となる。 一度でも負けてしまうとゲームオーバー。 作中の各校ごとに全9エピソードがあり、クリア状況はそれぞれに記録される。 戦車道祭 トーナメント戦形式で試合を勝ち進み、優勝を目指すモード。無印版では有料DLC。 開始前に「操作者」(プレイヤーキャラ)と「仲間」およびそれぞれの戦車を選んで戦う。はじめはこのペアでの戦いとなるが、試合に勝つと相手方から仲間と戦車を1つずつ引き抜くことができ、進めるごとに対決人数が増えていく。 一度でも負けてしまうとゲームオーバー。 エクストラマッチ 「感想戦モード」のようなミッションを集めたモード。基本的にストーリーはないが、一部に簡易な掛け合いが挟まれるものもある。 フリーマッチ ステージや敵・味方のキャラクター・戦車、ルール等を自由に設定して試合ができるモード。 オンラインマッチ(『DX』では通信プレイ) その名の通りオンラインの協力・対戦プレイができるモード。特定のシチュエーションによる試合を楽しめるものや自らルールを設定できるものなど、複数のマッチングタイプが用意されている。 オンライン対戦での勝率により、プレイヤーレベルとは別に「クラス」が上がっていく。 『DX』ではローカル通信による対戦も可能となっているが、オンライン対戦とは異なり同時プレイは最大8人まで。 戦車倉庫 手持ちの戦車の乗員や見た目などを変更できる。また、カスタマイズした戦車を各マップでテストドライブすることが可能。 各種設定 BGM・SE・ボイス音量やカメラ操作の設定などができる。 システム 試合は、最大で5対5の戦車同士の戦いである。必ず赤・青の2チームどちらかに分かれての参加となり、3チーム以上になることはない。 どのルールでも、砲撃を相手戦車に当ててHPを0にし、撃破することが主目的となる。撃破された戦車は行動不能となり、プレイヤーが撃破された場合は通信プレイ時を除いてその時点でゲームオーバーとなる。 ルールには、相手の戦車を全て撃破すれば勝利となる「殲滅戦」と、1台のフラッグ車を撃破すれば勝利となる「フラッグ戦」がある。 戦車のステータスは、各車両のデフォルト値のほかに「乗員」が持つ効果によって決まる。 乗員は3〜6人(戦車ごと異なる)を選択でき、うち1人は試合中に3Dモデルで登場する「車長」となる。作中で関係を持つ他の乗員と同乗させると「コンビネーション」が発生し、ステータスの上昇値が上がる。 また、ステータスには影響を与えないが、偽装工作や戦車の機能強化などの効果が得られる「支援カード」を乗員とは別に設定でき、試合中に任意のタイミングでカードスキルを使用できる。 コンビネーションが発生する組み合わせは原作での同じチームや姉妹、親友等の分かりやすいものから、ドラマCDやイラストストーリー等の公式媒体での絡みから採用されたりと、膨大な数にのぼる。 このほかプレイに直接関係ない要素として戦車のカラーとデカール(装飾)も選択できる。乗員・支援カード・デカールは、いずれも感想戦モードやエクストラマッチのミッションクリアで追加されていくほか、一部DLCとして入手できる。 試合では後方視点と主観視点を切り替えながら移動と照準合わせを行い、砲撃を当てていく。砲撃後の再装填(リロード)は自動で行われるが、指定のタイミングで砲撃ボタンを押すことで大幅に早くリロードすることもできる(クイックリロード)。 試合開始時点では敵の場所は分からないため、マップを回って敵を探す。敵を発見するとその場所がマップに表示され、照準のロックオンが可能となるが、一定時間視界から離れると再度発見するまでマップからは消える。 砲撃によるダメージは命中した場所によって異なり、戦車ごとに設定されている弱点(装甲の薄い箇所)に当てるとダメージ量が上がるが、逆に装甲の厚い箇所に当てた場合や、戦車に対して水平方向に角度がある状態で攻撃した場合は大きく下がる。また、履帯に攻撃すると修復までの間相手を足止めできる。 こちらが履帯に攻撃を受けた場合、一応自動で復旧はするが非常に遅いため、基本はボタン連打で早く修復させることになる。 味方戦車に対しては偵察、防衛、砲撃といった作戦指示を出すことができ、少人数ながらチーム戦として戦略を練りながら戦うことになる。 移動や砲撃を繰り返すごとに「アクティブゲージ」が溜まっていき、満タンになると「車長スキル」と「パンツァーハイ」を使用可能になる(使用した後はまた0から溜まる)。 車長スキルは車長ごと異なる戦闘支援効果をもつ。パンツァーハイでは一定時間自機が無敵になるほか、敵車輌の弱点表示に加え、クイックリロードが自動化される。 ガルパンらしい戦車の挙動の再現として、一定以上の速度を保っている状態だとドリフトすることが可能。 また、ドリフト中は攻撃力が上がるようにもなっていて、ドリフト中の攻撃で倒すと「ドリフト撃破」になり、貰えるポイントも大きくなる。ロックオンした相手をドリフト射撃で倒していくのが基本的な動きの一つになる。 さらに、一部の戦車は劇中でCV33やクルセイダーが行った180度ターン(ナポリターン)も行える。 一般的な戦車ゲームだと、停止した戦車が動き出してから最高速に到達するまでは時間が掛かってしまうが、本作では停止した状態からロケットスタートすることが可能。一瞬で最高速に到達して走り出すことができるほか、急な坂で止まっても登り抜くことができる。 その為、本作の戦車は重戦車も含めて非常にスピーディーに動かせる。「戦車のゲーム」ではなく「戦車道のゲーム」なのだ。 一部の戦車にしかない特徴的な機能も再現している。 M3リーやルノーB1など主砲に加え副砲も持つ戦車は、副砲を撃つことができる。 ポルシェティーガーは、『劇場版』から度々使用しているEPSによる超高速ダッシュを使用可能。一度のリスポーンに付き1回のみ使える、切り札のような存在。 BT-42とT28は履帯を切り離すことができる。加速性能や耐久性が落ちる代わりに最高速度が上昇し、切り離した瞬間に履帯損傷が回復するという特徴がある。ただしBT-42は操作が難しくなるうえ、こちらも一度のリスポーンに付き1回しか使えない。 評価点 あらゆる箇所で再現度が高い 戦車の操作性はもちろんのこと、命中箇所によるダメージ量の差異や装備の破壊まできちんと実装されており、作中の試合にあったような演出をゲームでも楽しめる。 攻略本にしか記載されていないが、各戦車のステータスには非常に多岐に渡る項目のマスクデータが設定されており、作り込みの一端をうかがわせる。 原作に登場する非現実的なシチュエーションや作戦も支援カードで再現できるなど、原作リスペクトの要素は非常に充実している。どのモードも、会話は全てフルボイスになっているのも高評価。 搭乗しているキャラクターは戦車の動きに合わせて慣性が働く様子まで表現。砲撃を受けるとすぐに体を引っ込める。かわいい。 車長の種類も豊富に作られており、劇場版の大学選抜戦に参加したキャラクターのうち、大洗の各チームの車長以外のキャラクターおよびプラウダのニーナとアリーナ以外は全員を車長に設定することが可能。追加要素を加えるとBC自由学園の3名やお銀、そしてまさかの蝶野亜美も車長にできる。 また各種行動や被弾の際には編成したキャラ達のボイスが逐一入る。原作と同じ組み合わせだと車長のボイスに掛け合いをする形で乗員がさらに喋り、劇中のように非常に賑やかになる。 マップもかなりこだわって作られている。さすがに現実から一部を省略してはいるが、アニメに登場しない部分まで実際の街並みを再現した「大洗市街」の作り込みはなかなかのもの。テストドライブで隅々まで走ってみたくなることだろう。 カジュアルな戦車ゲームとしても成立している 味方がCOMの場合を含め、作戦マップによる具体的な行動指示や移動目標の設定、メッセージによるコミュニケーションなどが可能。きちんとチームとして戦うことができる。 前作では接近砲撃が大正義であることや照準操作の煩雑さなどお世辞にも快適とは言えないプレイ環境が問題視されていたが、本作ではこうした問題点は一掃されたと言ってよい。 オンライン対戦では勝敗が決まるまでは何度撃破されても再出撃が可能(ただし殲滅戦はコストが無くなるまで、フラッグ戦ではフラッグ車になった人が撃破されると即座に敗北)な点が、対戦の気軽さを後押ししている。 各戦車や車長の性能に多少の格差こそあれど、個々の戦車に得意不得意が分かれることもあって味方との連携や相手チームとの読み合いと言った戦略性が高いゲーム性になっており、今なお熱中している人々を生み出している。 既存作品の新しい解釈を知れる感想戦モード テレビアニメや『劇場版』は主人公の在籍する県立大洗女子学園を主軸に描いていたが、感想戦モードでは相手側からの後日談やうんちくなどを聞ける。『ガルパン』ファンなら聞いておきたい。 追加要素では、現役の戦車である陸上自衛隊の10式戦車も使用可能になる。 現代の戦車だけあって作中の戦車との性能は比べ物にならず、あらゆる点でチートの一言。重戦車より攻撃力も防御力も高い一方で軽戦車よりも速く走り、自動装填装置が搭載されているためクイックリロードも発生しない。特にPVでも話題になった砲塔の旋回速度は驚愕の一言。 なお、戦車道のレギュレーション違反(*2)であるためオンライン対戦では使用できないのでご安心を。 問題点 ストーリー成分がやや不足 しっかりと背景のストーリーまで作られているのは感想戦モードだけで、他は取ってつけたような前振りしかない。 その感想戦モードも大半は『劇場版』の振り返りなので、『ガルパン』の完全オリジナルストーリーを求める人には物足りなく感じられるかもしれない。 また前作と違い、アニメでのあらすじの概説が非常に簡素であるため、原作を全く知らない人がプレイすると世界観に混乱する可能性がある。 難易度の高いミッション 「山道」というステージでのミッションの難易度が特に高く、苦手な人はここで詰まってしまう可能性もある。 このステージはチェックポイントを通過しながら制限時間内に目標地点到達を目指すという専用ルールとなっている。進むにつれ道が細く険しくなって非常に通行しづらいだけでなく、バランスを崩すとあっさり崖から滑落してしまう。落ちてしまうとその時点でゲームオーバーのため、かなりシビア。 感想戦モードでは「高地頂上からの撤退戦」で登場。原作でカール自走砲からの砲撃から撤退するカチューシャの視点を描いたミッションであり、予告はあるがカールの砲撃が定期的に発生。途中からは敵車輌の追撃も発生する。 エクストラマッチでは大量の敵戦車をかわしていくミッションと、敵車両こそいないが極端にコントロールが難しいローズヒップのクルセイダーによる走破を目指すミッションの2種類が存在。感想戦モードと違い制限時間も厳しいものとなっており、エクストラにふさわしい難易度となっている。 後にアップデートで修正されたが、ミッション開始前の会話がスキップできないためリトライが非常に億劫な仕様ともなっていた。 収集要素が作業的 どのモードも、一通りのプレイを終えてしまえば難易度変化や別モードなどはない。各モードのボリューム自体は一定の水準に達しているが、デカールや乗員といった収集要素の数がミッション数より大幅に多いため、コンプリートを目指す場合は同じシチュエーションを何度もこなさなければならない。 無印版の扱い リリースから1年しか経過していないにもかかわらずSwitchで完全版が発売され、無印版で追加要素を反映するには3,500円の有料DLCが必要になるという顛末はPS4ユーザーから非難の声が大きかった。 「戦車道祭」は「争奪戦モード」の発展型で、他の追加要素はキャラクターモデル等の追加がほとんどのため、DLCの有無で全体のボリュームに大きな差が生じるわけではない。ただ、キャラの個性が重視される作品であるゆえ、プレイヤーキャラが20以上も未実装となると無印版ユーザーから反発が起こるのは当然である。 総評 前作から数年の時を経て、キャラゲー部分でもゲーム部分でも大きく進化。戦略性のある戦車ゲームとしてもそれなりに楽しめる作品となっており、マルチタイトル化に至るなど高く評価された。 発売から6年以上経過した2024年4月現在でも、夜間であればほぼ毎日10人でのオンライン対戦が成立しているのもその証だろう。 先発のPS4版は販売条件の面でやや不遇ではあるが、『劇場版』と『最終章』の幕間の出来事を扱った本作はファンにも十分お勧めできる。
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本項ではファミリーコンピュータ用ソフト『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』と、ゲームボーイ移植版の『ダウンタウン熱血行進曲 どこでも運動会』について記述する。判定は前者が「良作」後者は「劣化ゲー」。 ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会 【だうんたうんねっけつこうしんきょく それゆけだいうんどうかい】 ジャンル アクションゲーム 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 2MbitROMカートリッジ 発売・開発元 テクノスジャパン 発売日 1990年10月12日 定価 6,200円(税抜) プレイ人数 1~4人 配信 バーチャルコンソール【Wii】2007年12月4日/500Wiiポイント【WiiU】2013年4月27日【3DS】2013年6月12日/上記共に500円 判定 良作 ポイント エキサイティングな乱闘運動会エキサイトしすぎてゲームの外でリアルな乱闘が始まることも… くにおくんシリーズ 概要 参加高校 競技とルール 共通ルール 評価点 問題点 ゲームバランスの悪さ 対戦以外の問題点 総評 その後の展開 余談 ダウンタウン熱血行進曲 どこでも大運動会 概要(どこでも) オリジナル版との変更点(どこでも) 評価点(どこでも) 賛否両論点(どこでも) 問題点(どこでも) 総評(どこでも) その後の展開(どこでも) 余談(どこでも) 概要 くにおくんシリーズの一つであり、ダウンタウンシリーズの2作目。おなじみ熱血高校のくにおくん達が、高校ごとに4つのチームを組み4つの特殊な競技を戦う。 ストーリーは『ダウンタウン熱血物語』からしばらく経った後の話。 新しく冷峰学園の生徒会長となった「とうどう」が、「やまだ」の起こした不祥事のお詫びとして親睦を深めるための大運動会を開催するが、 それは「くにお」達に赤っ恥をかかせる為に仕組まれたものだった、というもの。 参加高校 熱血高校 主人公「くにお」が所属する高校。チームカラーは白。メンバーは他にすがた・ななせ・もりもと・たかみね・いちじょう。 この高校で一人プレイをクリアした場合のみ、エンディングを見ることができる。 くにお以外は全員が初登場の後輩メンバー(すがた・ななせは2年、他3人は1年)で、サッカーの大会前では運動会を見据えていたはずのドッジボール部員は左記の大会後サッカー部マネージャーのみさこに約束の○○○○をブッチされたことでヘソを曲げてボイコットしたのか未登場。 くにおのワンマンチームと言われがちだが、足が速く必殺技「爆弾パンチ」が強力な「すがた」、体力以外の基本ステータスが低めとはいえ地味ながら使える必殺技「ダブルチョップ」を持つ「ななせ」、必殺技はないものの地力が強く格闘戦に強い「たかみね(*1)」、素早さと武器殴りが強い(*2)以外は低能力で特に体力が最低の「いちじょう」など、強みを的確に活かして運用すればそこそこ戦えるようになっている。 本作でデビューした「すがた」は後に『ダウンタウン熱血べーすぼーる物語』で主役を務めることとなる(他のメンバーも全員登場)。それ以外のシリーズでも何度か登場しており、本作初出の熱血高校メンバーでは最も出世したキャラと言える。 ちなみに「もりもと」は、ステータス面では武器投げ以外に何の取りえもないが、とある裏技を使うことで武器投げが異様に強くなる。俗に「武器投げ覚醒(*3)」と呼ばれ、覚醒もりもとが武器を投げるだけで、キャプテンクラスのキャラだろうが吹き飛ばすほどの強キャラになる(*4)。 花園高校 くにおのライバル「りき」が率いる高校。チームカラーは青。メンバーは他にさおとめ・わしお・よしの・まえだ・しみず。 熱血高校と同じくドッジボール部員は未登場。 総じて体力と防御が高く(*5)格闘戦に強い。そしてなぜか、まえだ以外は水中移動が有利(立ち泳ぎが速く、水中の息継ぎ間隔が長い)。 しかし足の速いメンバーが少ないため、玉割り競争と勝ち抜き格闘には強いが序盤2種目が辛い。貴重な俊足要員の「よしの」と副キャプテンで同程度のスピードを持つ「さおとめ」をいかに活用するかが重要となるが、両名は花園の中ではかなり打たれ弱いのが難点。 「まえだ」が地味にクセのあるキャラである。格闘面は副キャプテンの「さおとめ」以上に強いが鈍足・カナヅチ・必殺技なしでプレイヤー側としては使いづらいのだが、CPU側の場合勝ち抜き格闘時にジャンプキックで頻繁にハメてくる。このため「CPUに使われるとウザイキャラ」として地位を築いた(*6)。 冷峰学園 ダブルドラゴン兄弟の兄「りゅういち」が率いる学園。チームカラーは赤。メンバーは他にりゅうじ・こばやし・はやさか・おとなし・もちづき。 はやさか・おとなしといった新メンバーが加入した一方で「きのした」「たいら」「おにづか」は未登場。彼らの登場は後発のシリーズまでお預けとなった(*7) 今大会の主催校。前作でラスボスを務めた「やまだ」も元はここの生徒であった。 ちなみに最初はやまだがリーダーとして出る予定だったが変えられたらしく、内部データにその痕跡が残っている(*8)。 後述するが、とにかくこの学園の強さが問題。実質キャプテンが3人もいる上、全種目に得意とするキャラがおり、それを知っていなくても勝ち抜き格闘でほぼ全員が挽回可能な能力がある。いわゆる初心者向けチーム。 各校連合 名前通り、前述の3つの高校以外の複数の高校の代表が集まりチームを組んでいる。チームカラーは黄緑。「ごうだ(宝陵高校所属)」がキャプテンを務めており、他のメンバーはごだい(谷花高校所属)・にしむら・さわぐち(共に白鷹工業高校所属)・はやみ(隼商業高校所属)・くまだ(虎島実業第四高校所属)。 同じく別の高校(影村学園)に所属していた「かみじょう」「やまもと」は未登場。後発の作品でも未登場にされやすい二人組ではあるが…。 前作と同様の固有必殺技を持ち共にキャプテン並の能力を持つ「ごうだ」「ごだい」の二人が強力だが、残りのメンバーは体力こそ全選手でトップだが鈍足&カナヅチ&守備力最低の「にしむら」、俊足だがそれ以外の能力が劣悪で揉み合いに弱い「さわぐち」など癖の強い選手が多い。しかしそれぞれの得意競技ははっきりしており、各校の大将クラスが揃っているだけあって、慣れると冷峰に次いで使いやすい。 CPUが使った場合の意外な特徴として、「ごうだ」は走る競技では大人しく、滅多に攻撃を仕掛けてこない(*9)。 競技とルール クロスカントリー 夢見町を一周する長距離走。もちろん普通のクロスカントリーではない。相手を殴ったり物をぶつけて妨害してもいいのは当たり前で、冷峰学園校舎前をスタートし民家に侵入→庭から塀を上り屋根の上を駆け巡る→ビルをよじ登って屋上から公園へ飛び下り、下水道を泳いで校舎前へ戻るという破茶目茶なもの。 当然道中には大量の武器アイテムが配置されており、無防備な登り動作を挟んだり進行ルートが狭くなる場所もあるため、対人戦ではレースそっちのけで勝ち抜き格闘化することもザラ。 そもそもスタートする前から動けるので、3回フライング(失格)するまでの間にスタートライン前でスタンバイしている他のプレイヤーに肘打ちやジャンプキックをかますといった攻防が繰り広げられる。(*10) コースはエリア毎に区切られていて、各エリア通過時に順位に応じて点が入り、最後のエリアを1位で通過したものが勝利となり高得点。1つのエリアを全員が通過したところで次のエリアが始まるため、リタイアでもしない限り途中で趨勢が決まってしまうことはない。 この競技と後述の「しょうがいべや」に関しては操作方法が『熱血硬派くにおくん』のように、向いている方向に応じてABボタンのアクションが変わるようになっている。 しょうがいべや 基本のルールはクロスカントリーと同じだが、この競技では1エリアが狭くスクロールしない。また競技名どおり、各エリアには障害となる仕掛けが設置されている。 奥から迫り出してくる壁やベルトコンベアなど、『ダブルドラゴン』を彷彿とさせる仕掛けも用意されている。 クロスカントリー以上に進行ルートが固定化されており、道中での妨害はさらに熾烈になりがちなため、足は速いが打たれ弱いキャラは途中脱落の危険性が高い。特にハシゴの前での攻防は日常茶飯事。 またジャンプ力の重要度もクロスカントリーよりも高い。そのため初心者には人選が難しい。 たまわりきょうそう この競技のみ2チーム対2チームで行う。2本のポールの上にあるくす玉を殴って割った組の勝ち。前述の競技と同様、もちろん相手を殴って妨害してもいい。玉割りにしろ妨害にしろ攻撃力のステータスが重要になる。 もちろん、味方と言えど当たり判定はある。勝ち組に入れれば平等に勝ち点が貰えるので仲良く協力するのもよし、あるいは自分以外の全てのチームを失格させて競技中ポイントを荒稼ぎする事も可能。時には裏切る事も選択肢の一つ。 この競技のみ、終了時に持っているアイテムが持ち越されない。 かちぬきかくとう 冷峰学園の壁面に設置された特設ステージで行うバトルロイヤル。3人が力尽きるかリングアウトするまで戦うガチンコ勝負。選手によってはここで必殺技が使える。 アクションは『ダウンタウン熱血物語』に近い。他の競技と違ってタイムアップにならない限り1位以外が総脱落するため体力の消耗が激しく、最終競技に相応しい死力を尽くした総力戦となる。 リングアウトした場合は即座に失格となり、その時点で残っていた体力の半分が残る。 共通ルール どの競技においても床には「木刀」「メリケンサック」「タイヤ」「爆弾」など様々な特徴を持つ武器が落ちている。これを使って殴ってもいいし、投げてぶつけてもいい。倒れた選手を拾って武器にすることも可能。 特殊な武器として、飲むと体力が一定量増える(*11)「びたみんどりんく」や、振ると(1回のみ)能力が上昇することがある「まじっくすてっき」が存在。これらの武器は常に激しい争奪戦となる。 どりんく、すてっき、メリケン、まいぼうるは当たりハズレがあるが見分けがつかず、使用することで効果がわかる(*12) クロスカントリーおよびしょうがいべやでは、足を止めることにはなるがアイテムを拾うだけで得点がもらえる。また、かちぬきかくとうでは特定の武器を持たないと使えない必殺技もある。 特にクロスカントリーでは後半の水泳エリアにて「武器を持っているかどうか」で機動力が大きく変化するため、有利に進めたいのならどこかで武器を拾っておく必要がある。 各々の競技には順位ごとの得点が設定されており、この合計を競うことになる。体力切れでの中途リタイアは減点。 順位のみならず競技中の行動によっても得点が加減されるため、中間発表を見ると意外な差が付いていることも。 競技に参加して選手の体力が減った場合、その体力は持ち越しになる。「びたみんどりんく」で体力が上限を超えて回復した場合も同様。 競技に参加しなければ体力が一試合に付き32回復する。 競技で体力切れになった場合、競技後に体力16で復活する。 マルチプレイ時のみ、競技のいくつかを省いたり順番を変更できる。 1人プレイ時では競技省略や順番変更ができず、各競技終了時点で2位以下の場合ゲームオーバーになる。 そのため優勝発表でプレイヤーのチームキャプテンがぶっ飛ばされて負けるパターンは格闘で逆転された場合に限られるのでちょっとしたレアケース。 評価点 なんといっても、マルチプレイ時の盛り上がり。これに尽きる。 ゲームに熱中しすぎてリアルファイト等の場外乱闘に発展するなんてことも。←ここまでがテンプレ 別売りのマルチタップを使えば4人までの同時プレイが可能。友達と一緒に、ワイワイしながらこのゲームを楽しんだ人も多いことだろう。 操作も比較的単純で、とっつきやすい。何回かプレイすれば簡単に慣れる。 チーム間の格差及び稼ぎ行為の存在など、対戦バランスはお世辞にも良いとは言えないが、それをローカルルールで補う事が多い。また、ローカルルールを設定することで、独自の面白さを追求していた。 各競技はそれぞれ0~9回の回数を設定できる。故に不人気競技を飛ばしてもよし、やりたい競技だけを多数やってもよし、総力戦にしてもよし、と自由度と柔軟性が高い。 一方で、本気で勝とうとすると戦略的にも奥深く、様々な細かいテクニックが存在する。それらを踏まえた上で状況を考えた取捨選択、格闘時のコンボなど、考える要素は数多い。 例えばごだいの必殺技「棒術スペシャル」による無双(後述)にしても「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」「龍尾嵐風脚」といった技には通用せず逆に吹っ飛ばされてしまうなどまんざらいいことずくめではない。 更に「棒術スペシャル」は動きながら繰り出すと滑りやすいというクセの強さもあり、うまく誘い出せば落下による自滅も狙える。「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」も上手く誘い出せば勢い余っての自滅を狙える。特にCPUのすがたがそれを積極的に見せてくれる。 これらをそうならないように使いこなせるようになるのもやり込み要素となっている。 競技の合間にある中間発表では、順位に応じて各高校のチアリーダー達が様々なリアクションを見せてくれる。 熱血高校のチアリーダー「ももぞの」は、以降のシリーズでもレギュラーとなった。『熱血!ビーチバレーだよくにおくん』ではくにおに次ぐ準主役級キャラになる。 BGMの出来は総じて良い。 ゲーム性ばかりでなくこれも上記の対戦プレイでの盛り上がりにもしっかり貢献している。 ゲームオーバー(おわり)のBGMは、大抵はすぐ飛ばしてしまうが実は意外と長曲でよく聴いてみると非常に心に染み入るような哀愁漂う良曲である。 問題点 ゲームバランスの悪さ 強弱の調整が大味で甘く、ガチ対戦ではローカルルールで制限する必要がある。 まず根本的な問題として点数のカウントシステムの仕様が甘い点が挙げられる。 チェックポイント通過時や1試合ごとの順位はいいのだが、落ちている武器を拾うと加算されるのが致命的。 このためクロスカントリー・しょうがいべやでは他の選手が既に通過するなどで自分1人になった後、「武器を拾う→捨てる」を繰り返すだけで大量の点数を稼げてしまう。点数も1回で5点=40回拾い直すだけで競技1位と同じ点数であり、武器2つを交互に行えば1分で300点以上も余裕という異常な数値。 当然ながら一人プレイではもはや難易度もへったくれもなく、対人戦では禁止しなければゲームが成立しない。 難易度の低いハメ技がそこかしこに存在し、ハメられる側はダウンする度に減点されていく。 ダウンから起き上がる際に無敵がなく、さらに移動しながら起き上がることもできないため、拾い投げやダウンを奪う必殺技のハメループが容易にできてしまう。特に壁際付近で延々と投げ続けるハメはあまりにも有名。どのキャラでもできる上、武器や複数のダウンキャラを絡める等の条件を重ねれば僅かな隙もない完封が成立。加えてハメ側は拾得ボーナスで加点、ハメられ側はダウンペナルティで減点。こちらもやはり禁止しなければ対人戦が成立しない。 「クロスカントリー」の後半、水中部分は3画面分もある上、武器を持っていないと攻撃アクションを行うことができないため、武器を持つ側が圧倒的に有利。息継ぎをしながら武器を持たない側を殴ることで一方的にハメられる。 「かちぬきかくとう」は特にハメ技・シチュエーションが多い。 「マッハキック」「マッハチョップ」など、ほとんどのマッハ系の必殺技(パンチや武器振りを高速連打する)は攻撃判定の持続が長めで、起き上がりに重ねられると回避できない。狙って被せれば敵が何をしても潰せる上に、当たればダウンを取れる。なお特定武器限定も含めればこれを持っているキャラは多数。木刀がないと使えないのが欠点だが、ごだいの「ぼうじゅつスペシャル」などは広範囲攻撃判定&長い時間出っぱなし&連射可能で隙なし&遅いが移動可能という異常な性能で、かなり適当なタイミングで起き上がりに重ねてもハメられる。上手くハマれば対戦相手3人をまとめてハメ殺せることも。上述の通り「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」「龍尾嵐風脚」「人間魚雷アタック」とカチ合えば打ち負けて吹っ飛ばされるとはいえ裏を返せばそれさえ避ければ無敵同然でしかも点数までモリモリ稼げるオマケがついてくる。 なお、各選手のステータスとして「起き上がり速度」があるのだが、プレイヤー操作ならダウン中のボタン連打で復帰時間を短縮できる。が、起き上がり速度が最速に設定されているキャラ(*13)は、逆に起き上がりタイミングが常に一定となってしまい、かえってハメから逃げられない欠点を負っている。逆に復帰が遅いキャラは起き上がるタイミングを任意にズラせる長所を持っていると言える。とはいえ有効なのは必殺技ハメに対してで、逆に壁際投げハメには弱い。 上記のようなハメは使用禁止が常識だが、それでもまだ問題は残る。 「冷峰学園チーム」が突出して強すぎる 能力値の面では、他チームでは1名だけ居る全能力値が最高クラスのキャラが冷峰チームのみ「りゅういち」「りゅうじ」「こばやし」と3名も居る。ではこの3名以外でバランスを取っているかというとそんなことはなく、チーム内最弱クラスのキャラ「おとなし」ですら他チームなら中堅級。戦えるキャラの層も他のチームより厚いため、ダメージの回復でも有利に働く。短期決戦でも連戦でも有利。 競技別では、「クロスカントリー」や「しょうがいべや」でまず勝てる最速+層の厚さがある。特に「もちづき」はゲーム中で並ぶものが居ない俊足のため、普通にやれば先行逃げ切りで1位を取れる。もちづきが疲弊したとしても、キャプテン級のりゅういち・りゅうじ・こばやしで回すことができるため競技と相性の悪いキャラで持ちこたえるというシチュエーションが起こりにくい。 他チームなら副将クラスの強さを持つ「はやさか」の影が薄い、と言えばその異常性が分かりやすいだろう。 「かちぬきかくとう」ではりゅういち・りゅうじ・こばやしの基本性能がくにおやりきに劣らない最強級な上、弱点も殆どなく(*14)相手の技にほぼ一方的に打ち勝てて囲まれた状態を含めた反撃が難しく簡単にハメれる強力な技に恵まれている。 彼らで手加減や縛り無しで全力で勝ちに行こうものなら、負けたら恥ずかしいと言ってもよいレベルで強すぎる。本気で勝ちに来た彼らに勝つには、自滅を誘うか少ないチャンスを延々狙いリングアウトさせるなどかなり辛い戦いを強いられる。 そこまででなくても、技を適当に振って暴れているだけでも返される心配が殆どない始末である。 ほかの3名も中堅クラス以上の強さを持っており、上述のキャプテンクラス3名を禁止する縛りを設けたとしても、不利に振れにくい。 以上より初心者以外は冷峰チーム使用禁止というのがこのゲームをやりこんだ人たちの暗黙の了解であり、大方の常識。初心者でないプレイヤーが冷峰を使用した場合に、残り3人が結託して冷峰潰しにかかる光景も見られる。むしろそうでもしないと勝負にならない可能性があるほど、冷峰チームの強さは群を抜いている。 反面、熱血高校は「くにお」一人のワンマンチームだというのに、くにおのアドバンテージが今一つ地味で特に対戦プレイではそこまで絶対的な優位にならず、他が弱いハンデの方が大きい。 地力が強く立ち上がりが最も早い強みはあるが、必殺技が「マッハキック」のみというのは地味でいささか心許ない。 無敵を誇った「すくりゅう」は忘れたか? 足の速さは「よしの(花園)」「ごうだ・はやみ(連合)」などの俊足キャラと並びトップクラスだが、最速の「もちづき(冷峰)」には大きく劣るため、積極的に格闘戦を仕掛けないとトップを取るのは難しい(必然的に殴り合いに持ち込ませたい意図とも考えられるが)。 くにお本人には関係ないが、走る競技はくにお以外の代替の選手が心許ない。 そこそこ足の速い選手は他に「すがた」「いちじょう」がいるとはいえ、「いちじょう」は打たれ弱く体力も最低で、その上武器殴り以外の攻撃力が非常に低いため、もみ合いになるとまず負けるので途中脱落の危険が常に付き纏う。「すがた」は強力な技を持つ熱血高校の数少ない格闘要員のため、走る競技では温存したくなる。また技の強力なイメージに反して地力はあまり強くないため格闘で使えなくなるリスクを冒してまで出すほどでもない。 結局、くにお自身が走るのが一番効率がよく、後の格闘に温存したい気持ちを抑えて起用することになる。くにお以外のキャラを使うとしても、大抵は「くにお」と「すがた」の二人でローテーションを組む羽目になりがち。他メンバーは玉割り競走で「たかみね」が起用される程度。 バグ技の使用を気にしないなら武器投げ覚醒を使った「もりもと」で無双するという手もなくはない。 必殺技の強弱が激しく、中でも「人間魚雷アタック」が強すぎる。 各競技中落ちているアイテム「かくとうのゆびわ」を所持している時のみ使用できる技で、条件さえ満たせば「かちぬきかくとう」で「わしお」「はやさか」以外のキャラで使える。 上記二人の場合は必殺技の「まっはたたき」(武器を持つと高速連打する)が優先されてしまうため、プレイヤー側では使えない。 技自体は「地を這う回転体当たり攻撃」だが、技中の判定が強くたいていの攻撃に打ち勝つことができ、高速移動しながら突撃できるため軸を上下にずらさないと回避しにくい。加えて画面上部にある金網を利用し往復を繰り返すと、反転する際のジャンプ中、再びこの技に入るまでの一瞬しか隙がない(具体的にはA+Bでジャンプし再度Aを入力するまでの間のみ)。そして下手に触れたらふっとばされる。 「かくとうのゆびわ」が無かったとしても、ごだいが木刀などを持つと無双できたりなど、武器とキャラによっては極悪。しかもアイテムは持ち越し可なので、あえてクロスカントリーなどを1回捨ててアイテム回収に当てる手も有る。 先述の「こばやし」の「まっはちょっぷ」も非常に強力。マッハ系の技の中でも特に連射力・リーチの長さに優れ、隙がとても少ない。ハメられると脱出は極めて困難。 「くまだ」の「人間魚雷」もステージ下部で発動すればリングアウト確定という壊れ技。 逆に、「にしむら」の「ためパンチ(*15)」、「おとなし」の「のーてんちょっぷ」などは、当てることすら難しい。 他にも「しみず」「はやみ」の「ハリケンクラッシュ」は木刀でないと発動しない上、低威力で当てても怯む程度しかなく、同じ木刀の専用必殺技を持つごだいとは雲泥の差であり実用性はない。そもそも2人とも地力が低すぎる。 上述したキャラクターの強弱に加え、体力以外の能力はゲーム中で一切提示されていないため、シリーズファンでないと誰がどの競技に強いのかがわからない。 「もちづき」や「こばやし」といった過去作からの続投組はともかく、「すがた」や「さおとめ」など本作初出のキャラはシリーズファンでも予想がつかない。 説明書である程度の必殺技はわかるのでパンチ系の必殺技所持のキャラは玉割りに向いているだろうというのは予想が付く。 何度もプレイすることがこのゲームの醍醐味でもあるので、マルチプレイでプレイヤー同士情報共有をして各キャラの持ち味を理解していくというのも当時の楽しみの一つではあった。 走る早さは勿論、格闘や武器攻撃力、ダウン復帰速度、キャラ固有の必殺技(アイテム含む)まで差異が激しいだけに、各自使用して研究しなければ分からない要素が多い。体力ですら防御力の差で例外がある。 解析が進んだ現在はともかく、特定の条件下でステータスに変化が起きてしまうバグもあいまって戸惑うプレイヤーも多かった。 なお当時発行された攻略本にはキャラの特徴や技は記載されていたが、詳細なステータスの数値までは網羅されていない。 3人以上で対戦時のプレイ環境の悪さ 最大4人プレイが売りなのだが4人戦に必須となるファミコン用マルチタップは流通量が少なく、入手が困難であったため3人対戦までしか実現しなかったプレイヤーは多い。 3人目のプレイヤーからは市販のパッドを使用することになるのだが、純正コントローラーより操作のレスポンスが悪い。 特にレース種目ではジャンプ操作が難しい。誤って武器を投げてしまい奪われたり水中に落としてしまうことも多々ある。 市販のパッドも寸法が統一されておらず、ハード的な面でも操作性は変わってきてしまう。 対戦以外の問題点 COMの思考が固定しており、選手によってはしょうがいべやの一部のエリアにおいて、悪い方向にタイミングが合ってたりして障害に引っ掛かり続けることがある。自キャラがすでにいない場合は延々とタイムアップまで待たされてしまうことがあり、制限時間を長く設定していると地獄。 「かちぬきかくとう」において、プレイヤーではできない事をCOMがする事がある。 先述でも触れたが「わしお」と「はやさか」は必殺技「まっはたたき」が優先発動するせいで、「かくとうのゆびわ」による「人間魚雷アタック」を出せなかったり「びたみんどりんく」を飲めなかったりする。しかしCOMは「まっはたたき」をすることなくそれらを普通に行ってくる。 木刀技を持つ「ごだい」「しみず」「はやみ」は普通に木刀で叩くことができないが、COMは普通に使い分けてくる。 「くにお」や「ごうだ」はBボタンで必殺技が出るので通常のジャンプキックを出せないが、COMは平然と出してくる。 特にその不公平が如実に現れるのは「しゃがみ状態でAボタン(その状態はジャンプの着地時にしかならないので必然的にプレイヤーが出すにはジャンプが必要)」が発動条件となる必殺技「りゅういち」の「爆魔龍神脚」、「りゅうじ」の「天殺龍神拳」、「すがた」の「爆弾パンチ」で、 立ち状態からいきなり出してくる など、使用条件を無視してくる。特に「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」はいきなり繰り出されて、その勢いで場外に叩き出されてしまうこともしばしば。 加えて「すがた」は「爆弾パンチ」しか技がないのでガンガン連発してくる。そのまま勢い余って落っこちまくるのもお約束ではあるが… 他に「りゅういち」「りゅうじ」の「龍尾嵐風脚」もCOMは立ち状態からいきなり繰り出してくる。これはプレイヤーが使う条件も「ジャンプ中にAorB」と簡単なのであまり大差ないが、やはり立った状態からいきなり繰り出される方がスキがないので不公平。 バグもそれなりにある。 水上でタイヤを使って殴っても当たり判定が無い。 アイテムは画面内に4つまでしか存在できないのだが、「びたみんどりんく」を飲んで消費してもアイテム存在判定が消えない。クロスカントリー・しょうがいべやでは1回の競技中に飲んだ数だけアイテムが存在できる数が減ってしまう。その回が終われば次からはまた元に戻る。 体力0になったキャラが倒れた瞬間に持ち上げられると、失格判定になると同時にキャラが復活してしまう。1回だけなら順位がおかしくなる程度ですむが、勝ち抜き格闘で2回以上やると順位決定時にフリーズする。 前述の投げハメループをしていると、キャラの体力は徐々に減っていくが、何故か画面に表示されている体力は減らない。このため、いつ体力が0になるかがわかりにくく、バグが発生しやすい。 全ての競技が終わると個人賞の発表があるのだが、その前の時点で最終順位が決定されてしまっているため個人賞の点数自体は加算されるものの順位に反映されない。 他にも高校紹介の欄で述べた武器投げ覚醒、キャラや武器のすり抜けやハマり、など…。 これらのバグは視覚的な面白さがあるため、ある意味では評価点かも知れない。 一部のキャラステータスの設定が競技仕様と噛み合っておらず、そのため不都合が生じることがある。 熱血の「いちじょう」はあまりにもパンチ力が低すぎるため、「玉割り競争」で万が一生き残ってしまうと、玉が無傷の場合、101回パンチしないと割ることができない。 点数は大きく稼げる(1発5点なので、全部いちじょう一人で割ると505点も入る勘定)のだが、はっきりいってあまりにも長い時間単純作業をしなければならないため、特にマルチプレイ時は苦痛になりがち。「いちじょう」は格闘能力が低くひとりだけ生き残るのは至難ではあるが、武器殴りだけは強い(*16)のと「玉割り競争」はチーム戦であるため、状況次第では生存することもあり得てしまうレベル。 このため、ローカルルールで「いちじょうはたまわりに出すのを禁止」「もしいちじょうを出した場合は一人で生き残るのを禁止」にしているプレイヤーも多い。 総評 単純な操作とルールで熱く盛り上がれる本作は、ファミコン時代のパーティーゲームの代表として今でも広く親しまれ、シリーズ最高傑作に挙げる人も多い。 制限時間を弄ったり身内ルールを決めることでさらに多彩な遊び方ができる。 今までは熱血高校側でのプレイが常識だったが、今作で『熱血物語』での敵キャラを使えるようになったことでシリーズのキャラクター性も大幅に増した。 また盛り上がれるゲームとして人気を得たことから後のシリーズ作品でさらなる活躍の場を与えられたキャラも多く、シリーズそのものの隆盛にも大きく貢献している。 その後の展開 この作品から、手を変え品を変えくにお達に勝負を挑むとうどうと、それを迎え撃つくにお達の対決はダウンタウンシリーズの基幹テーマとなった。 とうどうの挑戦はGB版『熱血高校ドッジボール部 強敵!闘球戦士の巻』や後述の『熱血新記録』など、数え上げればキリがない。 このゲームでの出世頭は熱血高校の後輩「すがた」だが、「ごだい」も強さと独特の顔と技、性格のおかげでシリーズ屈指の人気キャラとなった。人気投票では2位と準主役級の扱いである。 同チームのキャプテン、「ごうだ」を差し置いて『ホッケー部』や『すとりーとばすけっと』にも登場している。もちろん看板技「棒術スペシャル」がしっかり採用されている。 ごだい自身は『熱血物語』の時点で登場しており、必殺の棒術スペシャルもその頃から使っていたがCPUは本作でプレイヤーが使うようなハメ殺しできるほどの大乱射をしなかったので本作でプレイヤーが関与したことで、それが際立ったと言える。 続編として『びっくり熱血新記録! はるかなる金メダル』が発売されたが、競技は2つが個人競技で3つが2人対戦競技となった上に連打がゲームの要となったため、対戦ツールとしての出来は悪かった。 後にPCEとGBおよび携帯アプリに移植された。なお携帯アプリ版のタイトルは『ダウンタウン熱血行進曲DX』となっている。 『行進曲DX』では歴代のくにおくんシリーズに登場したキャラクター達がそれぞれ格闘チーム(『格闘伝説』)、サッカーチーム(サッカーリーグ)、バスケットチーム(熱血すとりーとバスケット)、女の子チーム(FC版における各チームの応援ガール。このチームのみ、4人)、たっぐチーム(とうどう・やまだの敵役コンビ)として追加された。 チームメンバーはそれぞれ格闘(やまいし、じんない、あんざわ、みどう、いしづき、らいどう)、サッカー(おにたけ、さじ、げんえい、うがじん、かいずき、かるろす)、バスケット(ジョニー、マイケル、ピエール、アッシュ、ミック、わいいき)、女の子(ももぞの、しまだ、あいはら、きりしま)となっている。 PCE版には武器の種類が増えている等の追加要素がある。 GB版については後述の通り。 また、有志にPCゲームとしてリメイクもされている。本作以外のキャラも追加されチームアレンジも可能になっているが、ステージ構成が変化していたりAIの質が向上しているなど、バランスが大きく変化している。 各バーチャルコンソールで配信されている。 オムニバスとしては3DSにて『くにおくん熱血コンプリート ファミコン編』、およびPS4、Switch、XboxOneにて『くにおくんザ・ワールド』にて収録されている。 『くにおくんザ・ワールド』では「クオリティアップ版」として、武器拾得時の加点廃止やバグの修正および、最終スコアが表示されるといった改善点があるが、武器投げ覚醒まで修正されてしまったため、ゲームバランスが大幅に変化し、賛否を呼ぶ部分もある。 ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Onlineのラインナップに、本作が2019年8月21日に追加された。 版権がミリオンに移った後、DSで『くにおくんの超熱血!大運動会』のタイトルで3Dリメイクされた。 2015年にアークシステムワークスよりPS3でリメイク作品『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会 ~オールスタースペシャル~』が発売された。オリジナルキャラを作成して本作のストーリーを掘り下げた「シングルモード」をプレイできるほか、通信プレイにも対応、加えてシリーズの枠組みを超えて「スポーツシリーズ」や「熱血硬派シリーズ(*17)」に登場するキャラが多数参加、『熱血べーすぼーる物語』を抑えて史上最多のキャラが登場する作品となった。 更に「かちぬきかくとう」に特化した『ダウンタウン乱闘行進曲 かちぬきかくとうSP』もPS4で配信された。こちらもシリーズの枠組みを超えた作品になっており、なんと『時代劇』で登場した「にざえもん」こと「まつど」、GBの『熱血硬派くにおくん 番外乱闘編』のラスボスだった「宗方裕二」が黒幕として再登場すると言うマニアックなキャスティングになっている。 その後、Steamにも参戦し、アーケード版の製作が決定するなど、『ダウンタウン熱血物語』と並んで関連作品が多い作品となった。 ゲーム以外では14年後の2004年に平和からパチンコ機「CR熱血硬派くにおくん」として登場する(残念ながら既にこの頃にはテクノスジャパンは倒産していた)。 2013年の『熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲』発売後から放送された実写ドラマ版は熱血硬派シリーズベースの世界観となっているが、ダウンタウンシリーズ要素も僅かに取り入れられており、運動会のエピソードも前後編で二話分描かれた。 こちらでは学園対抗ではなく、商店街再興を賭けた(という建前の)開催となっている。ちなみに主催者であり黒幕の名前は「東郷」。「とうどう(藤堂)」を意識したのだろうか。 余談 徳間コミュニケーションズ発行の攻略本では障害部屋のタイムオーバーは-30点となっているが実際には1点も引かれない。 これでは4番手通過もタイムオーバーも意味がないので本来はマイナスのつもりだったのが設定ミスでこうなったと思われる。 ダウンタウン熱血行進曲 どこでも大運動会 【だうんたうんねっけつこうしんきょく どこでもだいうんどうかい】 ジャンル アクションゲーム 対応機種 ゲームボーイ 発売・開発元 テクノスジャパン 発売日 1992年7月24日 定価 3,800円(税抜) プレイ人数 1~4人 判定 劣化ゲー ポイント FC版を引き継いだ発展形ながらゲームボーイとの相性の悪さが隠せず一部仕様変更やBGMの違和感もあり白熱度はダウン くにおくんシリーズ 概要(どこでも) 1990年にテクノスジャパンから発売された上記作品『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』のゲームボーイへの移植版で1992年7月に発売された。 全体的なゲーム性は上記作品から受け継がれているが、一部競技の変更などアレンジが加えられている。 またゲームバランスも大幅に変わっている。 もちろん通信ケーブルに加え4人用アダプタを用いれば最大4人での対戦が可能。 本項目では上記作品からの変更点のみに焦点を絞るものとする。 オリジナル版との変更点(どこでも) 1人用プレイに於ける「全種目必須」の縛りがなくなった。 同時に「競技終了時で首位をキープしていないと打ち切りゲームオーバー」が廃止。 ただしエンディングを見たいなら全種目行わなければならない。 オリジナル版では1人プレイ時は各競技の回数に下限があり、「クロスカントリー」「しょうがいべや」は最低2回、「たまわりきょうそう」「かちぬきかくとう」は最低3回プレイする必要があったが、いずれも1回から設定できるようになった。 BGMに7番が追加。 オリジナル版からはすべて続投しているが1番と4番の中身が入れ替わっている。 全般的にマイナス点が廃止。 競技中ではダウンによって個人点が引かれることはあっても0点で下げ止まり。 失格終了などで競技点が減点されることはあるが総合点では0点で下げ止まり。 オリジナル版にいた「もりさわ」「こうづき」「やまだ」が登場しなくなりメニュー画面は全て「はせべ」が担当している。 1人プレイでの優勝時、熱血高校だけでなく全校にエンディングが用意された。なお、「ねっけつチーム」のエンディング内容はオリジナル版とは違う新しいものに変更されており、スタッフロールもカットされている。 ただし全種目をプレイしなければ対象外。また、後述の隠しチームでは無効。 熱血でエンディングを見た場合、次のプレイで「ねっけつチーム」が「てくのすチーム」になる。 グラは違うものの中身は同じ。選手名はテクノスのスタッフになっている。「たけうち」…「くにお」と同じ。「かしわばら」…「すがた」と同じ。「さかもと」…「ななせ」と同じ。「よしはら」…「たかみね」と同じ。「さくま」…「もりもと」と同じ。「わだ」…「いちじょう」と同じ。 連合でエンディングを見た場合、次のプレイで「ねっけつチーム」が「ゆめみチーム」になる。 「ゆめみ」は『熱血物語』の舞台になった冷峰学園付近の「ゆめみちょう(夢見町)」のことと思われる。 こちらは「連合」のステータスに「冷峰」の必殺技を持つという特徴を持っている。「じじい」…「ごうだ」のステータスで「りゅういち」の技を使う。「ポール」…「ごだい」のステータスで「りゅうじ」の技を使う。「さんぺい」…「にしむら」のステータスで「はやさか」の技を使う。「なすお」…「さわぐち」のステータスで技はない(ベースとなる「もちづき」自身に元々技がない)。「かりや」…「くまだ」のステータスで「こばやし」の技を使う「ひらめ」…「はやみ」のステータスで「おとなし」の技を使う 一部技のバランスが変わっている。 「りゅういち」の「爆魔龍神脚」、「りゅうじ」の「天殺龍神拳」、「すがた」の「爆弾パンチ」が壁にぶつかると反転するようになった。 「ごうだ」の「頭突き」がスリップしなくなった。 「ごだい」の「棒術スペシャル」も同様だが、動きながら出せなくなったことと木刀の向きが縦寄りになったためオリジナル版ほど攻撃範囲は広くなくマッハ系の技に負けるようになった。 「さおとめ」の「オーラパンチ」、「にしむら」の「ためパンチ」は溜めながら振り向けなくなった。 「おとなし」の「脳天チョップ」がダウンを奪えるようになった。 「人間魚雷アタック」が一定の距離で止まるようになった。 プレイヤーを中心にスクロールするため「クロスカントリー」のスクロールからはみ出した場合のコースアウト(減点)がなくなった。 アイテムを投げた場合の挙動が異なる。 壁にぶつけての跳ね返りが大きくなった。 実際に壁がある場所でしか跳ね返りは発生しなくなった。 オリジナル版ではクロスカントリーのコースの継ぎ目(壁になっていない場所)でもアイテムを投げると跳ね返りが発生したが、ちゃんとした壁などでなければ発生しなくなった。そのため、上記のクロスカントリーに於ける同様のケースの場合、アイテムが画面外に飛んでいってしまい実質的に消滅する。 爆弾はぶつけると必ず即爆発するようになった。 体力がバー並びの表示ではなく数値に変更。 これはゲームボーイというハードである以上、オリジナル版のようなバー表示では無理があるためと思われる。 どの競技でも終了時に持っているアイテムが持ち越されなくなった。 ジャンプ動作はFC版より緩慢になり、特に横方向へのジャンプ距離が短く滞空時間が長くなったため、ジャンプキックやジャンプ突きの性能が大幅に変化した。 特に攻撃範囲が狭くなったことで後ろから追ってのジャンプ攻撃の有効性が大幅ダウン。 「まえだ」がFC版で使うようなジャンプキックハメは動きが緩慢すぎて不可能に。 個人賞の表彰でキャラがアクションをするようになった。 また最終競技が終了し、個人賞の発表前にもそれまでの得点が表示される。 個人賞の得点が反映されないオリジナル版のバグは解消。 「しょうがいべや」がオリジナル版では1画面固定だったが2画面ほどの長部屋にリニューアル。 ほとんどはオリジナル版からの雰囲気が持ち越されているが、一部全く新しい部屋がある。 特徴的だったベルトコンベアや最後の停電で真っ暗になる部屋がなくなった。 「たまわりきょうそう」が廃止され「かくとうパンくい」と「ばくだんおにごっこ」が追加され、全5種目になった。 かくとうパンくい 4人で1つのフランスパンを奪い合って、最後に食べきって飲み込んだ者、食べきれなかった場合は多く噛んだ(咀嚼した)者が勝者となる。 パンの他に木刀が1本用意されている。CPUは「ごだい」であっても木刀には一切興味を示さない。 パンを口に頬張っている者はAボタン連打で噛み、パンチはできずキックでしか攻撃ができない。 頬張っている状態で攻撃を喰らいダウンすると、そのパンを勢いよく吐き出してしまうので、またそれに向かって殺到することになる。普通なら地面に落ちたものや他人が口に入れたパンなど食べるどころかさわりたくもないのだが… ステージは(恐らく)夢見町の商店街だが、その背景中央には そのパンを提供したであろうパン屋があり、店主が驚きの表情で店から顔を出す中高校生達が1個のパンを巡って乱闘を繰り広げる というシュールな構図に。 ばくだんおにごっこ 最初にルーレットで爆弾の初期所持者が決まり、一定時間持っているか時間切れ時に持っていた者が負け。 長く持っているとBGMがテンポアップし、やがて爆弾自身がピカピカと点滅し爆発の危機を煽ってくる。 爆弾はダウンしている状態の相手にAまたはBで押し付ける。 誰かに押し付けると爆発までの時間がゼロリセットされる。時間切れの場合はその時点で爆発。 ステージは上段と下段に分かれており下段中央部が粘着ゾーンになっており、この中では移動速度の低下に加えジャンプしてもほとんど飛べない(繰り返せば3回程度で普通のジャンプができる)など動きが鈍くなる。 粘着ゾーンの上段では「しょうがいべや」にあるものと同じ壁から手が飛び出す罠があり、前を通過する選手を下段の粘着ゾーンに押し落とそうとしてくる。 この競技では体力は無制限なのでいくら殴られようが蹴られようが体力が尽きての失格はない。その代わり爆弾が爆発して負けた者はステータスや開始前の体力にかかわらず体力が16まで減少し、爆発の巻き添えを喰らった者は開始前の半分まで減少する。 評価点(どこでも) 基本的には「運動会の名を借りたバトルロイヤル」に変わりはなく、操作性がシンプルで直感的にでき、白熱した闘いに盛り上がる仕様。 その乱闘はゲーム外まで飛び出すほどになりかねないのもお約束。 1人プレイでの打ち切りを廃止。 これにより、負けていても後や最終競技で逆転する楽しみ方ができた。 最終競技での逆転というドラマチックな展開も生み出すことができ快感さえ感じられる。 くにおくんらしい良さが出ている新しい演出も盛りだくさん。 個人賞でキャラがアクションしたり、エンディングも主人公の熱血高校だけでなく全チーム用意されるなど、好きなチームでのプレイがより尊重されている。 演出には関係ないが個人賞の得点が反映されない設定ミスも改善されている。 ただ優勝発表で優勝チームのキャプテンが他の3チームのキャプテンをぶっ飛ばす展開はなくなっている。 隠しチームの存在。 特に冷峰と同じ技を使いながら、ステータスで微差のある「ゆめみ」はただでさえ飛びぬけた性能を持つダブルドラゴン兄弟の技が共演できるので、その技同士でカチ合ったりするなど、それまでにない楽しみ方ができる。 ただ、それに置き換わるのが熱血高校固定だったり、隠しチームにエンディングがないのはもったいない部分。 得点のマイナスがなくなった。 オリジナル版での「ごだい」の棒術やマッハ系の連打ハメで一方的にグングン離されたることが少なくなり競りやすくなった。 その反面競技中の個人点635点打ち止めも廃止されたが、こちらは上述の投げまくって得点を稼ぐ裏技を禁止する前提なら問題ない。 賛否両論点(どこでも) 必殺技の強弱バランス変化。 特に弱体化著しいのが「ごだい」の「棒術スペシャル」。 上記の通りオリジナル版では攻撃範囲の大きさから「くにお」「こばやし」等手強いマッハ系を完封できる強さがあったのだが、攻撃範囲が狭まったことで打ち負けるようになった。更に命中時には大きく吹っ飛ばしてしまう上、回転しながら移動できなくなったのでハメ技完封ができなくなった。 アイテムの持越しができなくなって予め木刀を用意できなくなったため運よく格闘開始時に出ていることを祈るしかない。 オリジナル版では上記の通りハメができて得点モリモリの美味しい技だったとはいえ元々それに対抗できる技もあり完全無欠ではなかったことや予め木刀を用意する手間がかかること、また予め用意する場合でも持つ前に潰される可能性があるなどの対抗策も取れたため、この弱体化はやりすぎな感が否めない。 とはいえ「ごうだ」の「頭突きスペシャル」が滑らなくなり、攻撃範囲が広がったなどグンとパワーアップしているので彼への依存度が高まったもののチーム全体のバランスではそこまで顕著なパワーダウンではなかったりもする。「くまだ」の「人間魚雷」も後述の理由から扱いやすくなっている。 「りゅういち」の「爆魔龍神脚」、「りゅうじ」の「天殺龍神拳」、「すがた」の「爆弾パンチ」はバッチリなタイミングを狙わなくても、大まかに連打していれば連続で出しやすくなった反面、人間やアイテムに触れるとそちらを持つことを優先するようになったのでやむくもに連打すると、それらで歯止めがかかるようになった。 そのため、これらはオリジナル版から一長一短だが、それだけにこの仕様を好むと好まざるに分かれやすい。 「さおとめ」の「オーラパンチ」、「にしむら」の「ためパンチ」は溜めている間や発動時に振り向けなくなったことで扱いが難しくなった。特に後者は直接当てなければならないため人間との対戦での使い勝手は絶望的に。 わかりやすくしたというより単に旧来のバー並びの表示がゲームボーイでは画面占有幅の圧迫が大きいため、やむなくこうするしかなかったというシステム都合でしかないが、くにおくんらしくない体力の数値表示。 とはいえ、それまでハッキリわからないからこそ、あと1メモリのドキドキ要素なども醍醐味の1つだったので、それが失われている一面。 ただし技の威力などが実感でき手ごたえを感じやすくなったという利点もある。 BGMナンバーの変更。 好みもあるだろうが元々オリジナル版のBGMのデフォルト配置は非常に雰囲気にあっていたので、それが違和感のある配置になった。 特に「クロスカントリー」によく似合っていた「クシコス・ポスト」のアレンジ(オリジナル版の1番、本作では4番)を入れ替えたのはその意図が不明である。 一方でゲームスピードが遅くなったことから「クロスカントリー」の走る速度やスクロール速度とオリジナルの4番のテンポが意外と合うため、GB版から入ったプレイヤーからはそこまで大きな違和感を感じない。 問題点(どこでも) ゲームボーイに不向きなゲーム性。 ドッジボールのようにコートに分かれているならまだしも本作は元々入り乱れての乱闘であるためモノクロではキャラの判別がしにくい。 オリジナル版では色などで判別できても入り乱れて見失うこともあったぐらいなので、それをより助長している。 後ろから蹴っていたつもりがいつの間にか自分が後ろに回られて蹴られていたなんてことはザラ。 新種目の2つも完全に乱戦ありきなものであるため、この難点が表面化しやすいためより不向きなものを取り入れている。 「クロスカントリー」は開始時に風の有無が選択できるが本作は「あり」にしても風が吹かず全く意味のない設定となった。 また、一部マップにて投げたアイテムが壁に引っかかって取れなくなるバグがある。 「しょうがいべや」が広くなったのは単純に見れば進化したと思えるが、元々オリジナル版では狭いからこそ走る競技とはいえ多彩なギミックと合わせて入り乱れやすい展開を作り出し、足の速さの依存度が「クロスカントリー」よりも低い(足が多少遅くても渡り合える)という一味違った面白さがあったのに、広くなったことでただの速い者勝ちになりやすくなった。 「たまわりきょうそう」が廃止され新種目「かくとうパンくい」になったことで単調さが増している。 棒を登って玉を殴って割る代わりにパンを奪い合い食べるというゲーム性だが、登って割るなりお互いに殴り合うなりいろいろやり方があったがアイテム(パン)を持った選手をダウンさせてアイテムを叩き落すことを繰り返すだけという結局お互いに殴る蹴るの単調な展開になりやすくなった。 実際パンを食べたと同時に立ちキックしか使えなくなることから戦闘力が低下するので、大勢いる時は食べるより先にまず相手を潰しに行く方がいいぐらい。 また、コンビありきだった「たまわりきょうそう」と違ってパートナーチームと協力する要素がなくなっているため、仲良く協力するか裏切るかの駆け引き要素も無くなった。 「ばくだんおにごっこ」を複数回プレイする場合にルールの不備がある。 前述のとおり「体力無制限で格闘戦のダメージが蓄積しない」「爆弾が爆発して負ける、または爆発に巻き込まれると開始前の体力に関係なく一定量減少」のため、複数回プレイする場合は直前で負けた(体力が16まで減少した)選手が続投しても競技中に格闘戦でリタイアする心配はない。 よって攻撃力も考慮する必要がなくほとんどのステータスも関係ないので弱い選手一人で回し続けることができ、同じ選手が絶えず続投することで選手の選出やローテーションについてはノーリスク(次の競技の順番だけ考慮しておけばよい)となるので、戦略も何もあったものではない。 「ゆめみ」チームの「なすお」だけ扱いが悪い。 前述のとおり「なすお」は「さわぐち」の能力に「もちづき」の技を持つという設定だが、言い換えれば「もちづき」に技がない=「さわぐち」の能力しかないという設定になるため事実上顔グラと名前を変えただけの完全相互互換になっている。 能力面でも「もちづき」は技こそないものの、最速の足や最強クラスの武器投げの威力といった技に代わる強みがあったが「さわぐち」は体力以外はそれなりのバランスでまとまっているものの突出したものがないので感覚的でもトータルでも見劣るし何より地味。せめて「もちづき」のようにスピード能力があったらまだマシだったのかもしれないが…。 他のチームメンバーが個性的なだけに彼だけ地味で不遇な存在となっている。ちなみにその顔グラは帽子を被っているというシリーズでも珍しいものである。 アイテムが持ち越せない。 上述の「ごだい」の弱体化と被るが、このために戦略性がかなり低下している。 アイテムが1度に2つしか出ない。 ジャンプ動作が緩慢になったため操作性が悪化しただけではなくゲームバランスにも悪影響を与えた。 特に走る競技では無駄にジャンプ動作すると走っている選手に対し大きく差をつけられてしまう。 ジャンプキックやジャンプ突きの攻撃範囲が狭くなりすぎて、ほとんど使えないものになった。 オリジナル版では「しょうがいべや」でハシゴに登ろうとしている相手を蹴落としたり「クロスカントリー」でマンションの壁登り最中に叩き落したりできたので多少足が遅い程度ならそういったポイントを絞っての叩き落としでカバーできたり入り乱れて盛り上がる一面もあったが、それが難しくなったことで「しょうがいべや」などでは、入り乱れた展開になりにくくなり、ほとんど足の速い選手同士の走り合いだけになりやすくなった。 ダウンからの立ち上がりが均一になり、連打でも早くならなくなった。 これにより、それを強みとしていた「くにお」「りき」「おとなし」「ごうだ」などはその個性を一部失っている。 反面「くまだ」はオリジナル版では特にプレイヤー対戦において「人間魚雷」があまり活かせなかったが、それが解消したことになる。 スリップの距離が長い。 オリジナル版よりもダッシュからのブレーキングで滑りやすくなったことは操作性の悪化に繋がっている。 総評(どこでも) 各校エンディング新演出はくにおくんらしいノリで見ていて面白いものばかり。技のバランス調整に関しては一長一短であるため、一概にどっちがいいとは言い切れない。 しかしゲームの根本では、やはりモノクロになったことで自分の位置がわかりにくくなったことや、ジャンプ絡みの動作がほとんど使えないものに成り下がったことで、足の遅さをカバーしにくくなったことなど難点も多い。 また新競技「かくとうパンくい」は「たまわりきょうそう」に比べると単調な競技であることなどを含めて考えると、やはりオリジナル版に比べて改悪になった印象は否めないところ。 その後の展開(どこでも) 直近では、直後の8月7日に『初代熱血硬派くにおくん』を発売。 シリーズのみならずテクノスジャパン初のスーパーファミコンソフトである。 ゲームボーイのシリーズでは『びっくり熱血新記録! はるかなる金メダル』のアレンジ移植『びっくり熱血新記録! どこでも金メダル』を1993年7月16日に発売。 上記作品は元々、本年に行われたバルセロナオリンピックに合わせて作られたものだけに時機を逸した移植となった。 運動会作品ではオリジナル版のPCエンジン CD-ROM 2 移植版を1992年12月11日に発売。 これは本作ではなくオリジナル版をベースにしたリメイクとなる。 余談(どこでも) FC版当時にはまだ無かったスーパーファミコンが冷峰のエンディングに登場する。 しかし「とうどう」からそれを受け取ったダブルドラゴン兄弟の二人は、あろうことかそれをまるでヌンチャクのように振り回して「木刀より使いやすいよ」と言い「とうどう」に呆れられるオチ。 「ゆめみチーム」は『ダウンタウン乱闘行進曲マッハ』でも隠しチームとして登場している。 上記の「障害部屋」のタイムオーバーに於ける-30点は本作でも取り入れられていない。 個人賞のバグがちゃんと修正されているので、これは意図的に残した可能性が高い。意外とバランスが良かったので敢えて正式なものとして採用したとも考えられる。 本作では個人点や総合点がマイナスにならなくなったので尚更だろう。